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調弦、午前三時

小説と各種お知らせなど。スパム対策のためコメント欄は閉じております。なにかありましたら拍手から。

そんなことが素敵です

周くんと忍の「ふたり暮らし」のお話。





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東京文フリお疲れ様でした。

文フリご参加の皆様お疲れ様でした〜。
連休最終日にイベントって無茶言われても困るな…と見送ったのですが東京文フリは文芸イベントの総本山な感じで参加できないと寂しいですね。でも終わったらトンボ帰りで翌日から仕事やで…よろ。
みんな連休最終日でどことなく疲れてた、人が少なかった、撤収が早かったと聞いてなるほどなぁと思いました。会場の都合もあるんでしょうし、中々難しいですよね。


【真夜中のころ】



今回は不参加ですが、自薦させていただいた文フリガイドブースにて「真夜中のころ」を委託していただきました。

選評の皆様に読んでコメントがもらえるのはうれしいし、宣伝してもらうことでもっと未知の世界に旅立てるのならと思い、えいやっと自薦しました。
ほどけないももうちょっと広めたいし自信はあるのですが、あの本めっちゃえろい場面あるし、文フリガイドじゃなくてBLガイドになっちゃうじゃないですか。というわけで自重したわけです…。
丁寧な選評を頂き、また、今回もあらたな出会いに恵まれたようで嬉しいです。思ったよりも人手に渡って安心しました&嬉しかったです。

自薦というシステムを設けていただけるのはありがたいことですし、恩恵にも授かったのですが、なんだか「好き、薦めたい」のエネルギーに満ちた場所で自己PRしてるのはむなしくなったので自薦はもうしないと思います…良い経験になりました。




ジェミニを書いた後に色々な気持ちが動かされて書いた本です。
カラーが違うとか立ち位置が微妙とかたぶんこれしか読めない人もいるとか散々な言われようなんですが事実だから仕方ない)「わたしの好きな文章」で、思い描いたもの・みたい景色をのびのびと自由に書いた大切な一冊です。
よろしければ新たな読み手さんに届いてくれれば、と思います。
ピアニストも思い入れはあるし大好きなんですけど、なんていうかあれはひっそりとわたしと趣味の合う人に少しずつ届いて大事にしてもらえるとうれしいなって。
自分なりの少女小説というかなんというか、な本なんですが最近になって読んでもらえるようになってきたんですよね、すごくうれしい。

また、「ぎょくおん」「ヒトガタリ」「消滅可能性私達」の三冊の推薦を出させて頂きました。
立派な推薦文が書けただろうか…という感じですが、大切なものを届けてもらったお礼が少しでも伝えられたら、と思いました。


文フリガイドは「優れた本」を紹介する評論の場だよなと思うし(その為に査読システムがあるわけですし)、正直「評論」のまな板に乗るのってめっちゃビクビクしていたのですが、「ここでしか出会えない大切な本を見つけたよ」と広めあえるのはすごく素敵なことで、それが冊子になってより多くの人に届くというのはとても面白くて意義のある試みだなぁと思います。

前回ジェミニを紹介してもらった時は、「批評」の場で絶賛されているすごい本たちと並んでいるのを見て正直ちょっと気圧されましたが、とてもあたたかいまなざしを向けて読んで頂けて、すごくうれしかったです。
頂いたゲラをiPhoneに入れて、お守りのように繰り返し読んでいました。

※そりゃあ各作品によって持ち味は違いますけど、「文学として優れている・価値がある」ってテンションで褒めたたえられている中にいたら劣等感だって感じるよという話です。
手放しに大絶賛されている作品とのテンションの隔たりは全体を通して感じます…。



【季刊ヘキ】

 

今回でいったんお休みになるという季刊ヘキ、最新8号にお邪魔させて頂いております。
文フリガイドもヘキも猛者の集まる天下一武闘会くらいに思っていて、自分なんかが恐れ多いと思っていたのですが、ヘキライ企画に何度か参加させて頂いて少し身近に感じた(一方的に)と、書きたいお話が浮かんだことからえいやっと手をあげさせて頂きました。
公募のアンソロジーへの参加は今回が初めてでしたが、参加者同士のSkype会や原稿チェックなど、「書くだけ」ではない参加する緊張感と楽しさを味あわせて頂ける貴重なチャンスを頂けてすごく楽しかったです。
初稿を出す前の原稿チェックをお願いしたきよにゃさんもあらためてありがとうございます。

こちらも今回沢山の方に手に取って頂けたようで、うれしいです。
わたしはジェミニの番外編、祈吏とマーティンの「きょうだい」のお話を書かせて頂いております。



そして300字ポスカともリンクしています。

大切な人を通じて思いを結び合い、新しい絆を築いていくお話を描けたら、と思いました。
アンソロジーは思わぬ出会いがあるのが楽しみだろう、と思いつつ、気に入ってもらえるのかの不安要素もあるので、イベントが終わってすぐに読んで下さった方に「好き」と言っていただけてほんとうにうれしかったです。
また本が届いたらじっくりゆっくり読んで感想などを書きたいです。というか語り合いたいんですよう。
通販は★こちら★です。



【ネットプリントのお知らせ】

先日のブログに載せたお話「春の葬列」をフルカラー本にしました。



セブンネットプリント(12日まで):57290662
小冊子印刷、右綴じでプリントしてもらうと8ページのフルカラーコピー本になります。
誤字があります、すみません…

降りしきる雨と花びら、というビジュアルで絵と文が折り重なる感じの本が作ってみたくて形にしました。想った雰囲気になってうれしいです。
プリント代結構かかっちゃうのに印刷してくださった皆さんありがとうございます。

内容的にはまぁ…ふつうにちゅうしてます。笑

抱き合い、気持ちを預け合うことで何よりもの安らぎや安心感を得られる、そういった関係性を彼らに投影しているのかなと思います。


【今後の予定】
8月のあまぶんにだらけないスペースで申し込み済み、9月の大阪文フリにスペースを頂けました。

インプットを主目的にモリモリ本を読んだりあれやこれやと考え事をしたりライフワークとして周くんたちのことを考えたりで、正直もう新しい長編は書けない気がするけれどそれはそれでいいのかなと開き直りもありつつ…。
ちょっとした読み切りは書きたいし、小説や文章は今後も書き続けていければなぁと思います。
今年は読み切りの短編を集めたのとか、短歌やついのべの小さい本が作れたらなぁと思っています。
あと、前から言っているMy Shooting Starの再版をですね…。(誤字脱字を直してすこしおまけエピソードなど入れたいです)



続編まで付き合ってくれっていうのが無茶なのは承知の上で、ジェミニを正しく「終わらせる」ためのピースとしてとても大切な本なのでやっぱり読んでもらいたくてですね。

書きたかったのは「愛情」をあるべき形で結びなおしていく様で、春馬くんと海吏のあいだのかけがえのない絆のあり方についてです。
なんか正直海吏と春馬くんくらい思いあっているならいっそ付き合えばいいと思うんですが(の割に春馬くんとくっつくんじゃなかったのって言われてばくしょうしました。笑)誰よりも大切な相手で「友達」であるということ、大切な人たち、ひとりひとりと絆をもう一度確かめ合って生きていく海吏のあり方を書けたらと思いました。
ほどけない体温は成長した海吏のその後を描きたかった物語でもあります。

忍は海吏の本音を暴くためのピースとして登場してもらったんですが、正直いまあれだけ一人歩きするとは思いもしませんでした。
初登場時は十中八九嫌われるだろうけどわたしは好きだよ? くらいの感じだったんですよね。

あと、全然余談なんですが春馬くんと周くんが仲良しになってたらかわいいなっていうのはほどけない体温を書き終えてから訪れたブームでした。
春馬くんと忍のこともまた書きたいですね。

キャラクターを通して見えたこと、見つけたことをこれからも大切にしていけたらと思います。
もしよろしければ読んで頂ければとてもうれしいです。




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春の葬列

「ほどけない体温」のふたり。
行く春を惜しむ。


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光を集める

このところはあまり無いけれど、夢の中で一冊の本の中の文章がすらすらと流れていくという感覚を味わうことが時折あった。
パソコンや端末に向かって打ち込んでいるわけではなく、活字の本を眺めている感覚とでも言えばよいのだろうか。言葉の羅列が活字となって、目の前で刻まれていくのだ。
当然目を覚ました時には夢の中で書いた文章は跡形なく消えてしまい、その都度残念な気持ちだけが残る。

小説を書く時に映像で浮かぶか文章で浮かぶのか、それともとりとめもないイメージを掘り出すようにして「小説」になるように組み上げていくのかという話題を時折見ることがある。
わたしの場合はといえば、ひとかたまりの文章がふわふわと浮かぶのを自分の中に根を下ろして、引き寄せながら小説へと落とし込んでいく、という感覚が一番近いと思う。
少なくとも映像は見えないので、どうすれば映像的な視点と奥行きを持たせられるのかを演出する方法を手探りで探しているところだ。

「ジェミニとほうき星」「ほどけない体温」をほぼ一ヶ月で書き終えた時(どちらも10万字近くある)は、文字通り「何かに取り憑かれた」という感覚が強かった。
頭の中に文章イメージが雪崩のように流れ込み、「わたし」を侵食するため、本も読めなければ音楽も聴く気にならない。
ずっと愛聴していたPodcastも、録画して毎週楽しみに見ていたバラエテイ番組も「疲れるから」という理由でパタリと見るのをやめた。(これはいまも続いている)
追い立てられるように夢中で書き、彼らを一冊分の物語を通してたどり着ける場所へと導くことに必死だった。
頭の中に浮かぶものと、自分が形にできるスピードのタイムラグがひどくもどかしかった。
「わたし」を生きながら「彼ら」の人生を並行世界で共に生き、悩み、もがき、一喜一憂し、恋をしていた。
物語になり得ない日々を生きるわたしには、それは確かな希望だった。
一冊分の時間をかけて彼らが新たなスタートラインに立つまでを書き終えた後も、ずっと彼らのことを考えている。
とにかく小説が上手くなりたい、書きたいものがもっとちゃんと書けるようになりたい、変わりたいと思っていた。
そんな時、起爆剤のように物語を導いてくれる彼らに出会った。(「見つけた」という方が正しいのかもしれない)
なりたい自分になれた、とはきっとまだいえないけれど、少しだけそこには近づけたのでは、と思っている。



好きな物語、引き込まれる文章
自分の書きたい文章
書ける文章

は当然違っている。
好きな、書きたい文章から受け取る印象は、一言でいえば「きらめき」だと思う。
水や光のように、空気を震わせる音のように。やわらかく膨らんで、染み渡って、広がって。波紋を落としていくように、感情に様々な色を描いてくれる言葉が好きだ。

言葉はいつも、夢の中で見た本のようにふわふわとわたしの周囲を漂っている。
手を伸ばした途端にすり抜けて、形を変えてしまう。
いまこうして書いている文章もみな、頭の中から通り過ぎて、打ち込もうとすればするほどどんどん形が消えて違う何かになっていく。
滲んで膨らんできらめく断片は果たしてどこにあり、どこに行くのだろう。
それはわたしの外の、わたしではない憧れる人たちにしか成し得ないことなのだろうか。
近づきたい、と思うことは無駄ではないと思いたい。

言葉は祈りによく似ている。
目に触れること、届くことを願って形にした言葉は、気持ちを包んでくれる。
そこにあってもいい、目を逸らさなくてもいい、とわたしからわたしに伝えてくれる。
形にしなければこぼれ落ちて消えてしまうそれを残す時、そこに見つめているのはきっと希望なのだと思う。
わたしが見つけた気持ちは確かにここにある。それはいましか残せない。わたしの気持ちはあって構わない。

切り捨てることが出来なかった感情を拾い集めて残して行けたらと思う。
それが光になってわたしを、誰かを照らしてくれることを願わずにいられないから。

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嘘ではじまればいい




【更新】

小説:lie,lie,lie
テキレボアンソロジー「嘘」に投稿した作品の加筆修正+後日談です。
特に言われなかったけれどタイトルはBonnie Pinkですよ。


「春、間近」のその後のお話です。
アンソロの完全版と後日談です、と銘打ったところ沢山貰って頂けて、そこからご興味を持ってもらえたのならうれしいですね~。
WEB版には書き下ろしのおまけに、お誕生日様の忍と周くんのホテルデートのお話を書きました。要するに濡れ場なんですがRはつきません。→あまい恋と記憶
最近Rのつかないラブシーンが好きです。

アンソロは「みんなで読んでコメントを寄せる」がシステムとして出来てる感があって、いろんな方に届けてもらえるのがうれしいし励みになるなぁと思います。



周くんは自分たちの関係を「嘘」で護られなければいけないことに息苦しさや違和感がぬぐえなくて、本来そんな必要がなかったはずの忍を巻き込んでしまっていることがきっとすごく苦しくて、それでも忍は周くんのそんな不器用な優しさごと全部愛しているんだろうなと思います。
息苦しさも戸惑いも迷いもすべて溶かし合って、やさしい「嘘」で護りあいながらふたりの関係は築かれていて。
それが、彼らがお互いに向き合うことで手にしたとても幸福な関係なのではと思います。






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