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調弦、午前三時

小説と各種お知らせなど。スパム対策のためコメント欄は閉じております。なにかありましたら拍手から。

ボーイ・ミーツ・アラブ

(※追記 2016年1月)
2016年3月21日のテキレボ3にてにゃんしーさん主催の『アラブBLフェア』が開催されます。わー、ぱちぱちぱち!

こちらの小話を収録した無料配布冊子を11月23日の第二十一回東京文フリにて出します。
受「俺がアラブの石油王に見初められて誘拐されたらどうする?」 攻め「えっ!?」
イ-23午前三時の音楽で來と握手!
(沢山貰って頂けた&笑っていただけてありがとうございました!)


以上、踏まえまして本題へ。




今日の記事はとても内輪ネタです。笑


全ては先日の土曜日にテキレボに参加してきたBL三姉妹の名付け親のナイスガイ、にゃんしーさんの発言から始まりました。(BL三姉妹の話はにゃんしーさんのブログで)



すかさず喰い付くテキレボ公式マスコットれぼんちゃん。あれよあれよと巻き込まれるBL三姉妹と大阪文フリBL勢、企画の匂いをききつけてガンガン盛り上げるテキレボ勢。
アラブBLかー、と呟いたのをきっかけに、恐らく経緯をご存じないままアラブBLのことを教えて下さるフォロワーさん。(蝶々さん、まゆみさん、ありがとうございます!)

その後の盛り上がりはこの辺の呟きのツリー表示でご確認ください~。


アラブBLにはさほど興味がないBL三姉妹の長女ことわたし。
テキレボに凄い勢いでカモナジョイナスされている気がするけれど3月のテキレボは日曜開催だし、東京は遠いので揺れるわたし。
とりあえずこんなことをぽつりとつぶやきました。



そんなわけで、有言実行とばかりにそういう話を帰りの電車で書きました。笑
前置きが長くなりましたが、既刊「ジェミニ~」のばかっぷるふたりの小話です。追記に畳んであります。

※本編にはこういうシーンほぼないです。笑
 時間軸は続刊の「My Shooting Star」で一緒に暮らしてるあたり。

この本は11月の東京文フリにも持っていきます、よろしくね!(宣伝か!笑)







「ねえマーティン、ちょっといい?」
「どうしたの?」
 夕食の片付けも済んだそのあと、見るとはなしにぼんやりと眺めていたトークバラエティの画面からそっと目を逸らすようにしながら、おもむろに僕は尋ねる。
「いきなりだけどさ。僕がある日突然アラブの石油王に見初められて、国に一緒に来てくれって言われたら助けに来てくれる?」
「何があったの!? 」
 途端に、柔和なその表情はみるみるうちに不安の色に染まる。そう来たか、なんてのが正直なところだけれど、勿論そんなこと言うわけもない。
 ぽんぽんと、肩を叩き、努めて冷静に僕は答える。
「いや、だからもしもの話ね? なんかね。そういうの、流行ってるみたいで」
「……ダメだよそんなの」
 うつむいたまま投げかけられる声は、くぐもって力なく震えている。
「大丈夫だって。石油王なんてそう居るわけないし、大体、誰になんて言われたって君から離れるわけなんてないでしょ?」
 微かに震えた指先を手に取りながら答えれば、冷たく曇った、冬の空の様に凍てついたブルーアイにそっと心ごと縫いとめられるような心地を味わう。
「……心配させないでよ」
「だってその、真に受けるなんて思ってなくて」
 思わずうろたえながら答えるこちらを前に、未だ憂いを隠せない様子で恋人は言う。
「受けるよ、そりゃ。君みたいに綺麗な東洋人なんてただでさえ目立つんだからね? 誘拐でもされたらどうしようっていつも心配してるんだからね?」
 ムキになったように投げかけられるその言葉はそれでも端々が滲んで、微かな熱を帯びていて、震わされた心を手に取るようにこちらへと伝えてくる。
 罪悪感で胸がいっぱいなのに、同じくらいに愛おしくてたまらない。

 しばしば彼にそうされるのをなぞるみたいに、ポンポン、と形の良いその頭を撫でながら僕は答える。
「僕だってちゃんと気をつけるから、マーティンだって気をつけてよね。怖い人なんて沢山居るんだからね」
「分かってるよ、そんなの。君こそ、暗いところは一人で歩かないようにしてね? 石油王と接点なんて持っちゃ絶対ダメだよ?」
「大丈夫だよ、恋人が待ってるから帰るって言うよ」
「ほんとう?」
「知ってるでしょ、僕の帰るところなんてもうずっと君の所しかないよ」
 答えるその代わりみたいに、微かに震えた指先が背中へとぎゅっと回される。


 石油王になんて到底太刀打ち出来ないくらいには愛されていると改めて思い知らせて貰えただけ、まだ見ぬアラブの王子様に少しだけ感謝したいかもしれない。
(この先も一生、縁なんてなくていいけれどね)

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