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調弦、午前三時

小説と各種お知らせなど。スパム対策のためコメント欄は閉じております。なにかありましたら拍手から。

2017年のこと

毎年恒例の今年度の振り返りを少し早めにやろうと思います。

最初にざっくりとした所感。
びっくりするほどあましのしか書いてねえ!

まぁ書きたかったから、に尽きるのですが。なんというか、割と去年のおやすみを言うまえに/Lettersで海吏とマーティン、祈吏に関するあれやこれやについて乗り越えていけたので、その後に引き継ぐように自分が見つめていることや感じていることを周くんと忍が背負ってくれたのかもしれないです。
彼らが見せてくれたものを通して幾度となく励まされたり、いろんなことを見つめ直したりしていた一年だったと思います。
ほかには幾つかよそ様のご本の装丁を担当させていただき、良い経験をさせていただきました。
えへへ、うれしい。

あと、本筋に関係ないですが忍がなぜかおえかきの才能に目覚めてくれたおかげで忍のお友達がますます増えましたね。ありがたいことです。
いや、ほんとあれ別にわたしが描いてもまったくおもしろくないんですけど忍が描いてくれるからおもしろいんですよねきっと。

そんなことはどうでもいいので振り返ります。


1月
イベント:文フリ京都(きよにゃさんブースに居候)
→レポート
みやこメッセはアクセスがよく、京都という土地柄もあってか地元の方と遠征組でにぎわっていて会場も広々と快適でした。
ただ地下って立地故なのかごはんやさんが来ない・最寄りコンビニは小さな簡易コンビニでお昼には刈り尽くされてガラガラなので昼食問題がネックでしたね。
雪の影響で宅配の荷物が遅延、日付指定が書き換えられていたことが騒動になったのも思い出深いです。
まー冬だから仕方ないよな、そりゃそやなくらいに思っていたのですが、いろいろとしこりが残りましたね。
BL島は壁際で大手気分でした。(実際はそうでもなんでもない)

イベント後は他趣味で知り合って文フリにも出ていたお友達とお茶をしてもらってから庫内灯の俳句イベントにて遊んでいただきました。
「らいさん俳句詠めるからこっちな」って袋回しに混ぜてもらったんですが楽しかったです。
やればできるんだなって思いました。

→庫内灯 俳句で遊ぼうイベント参加レポ


新刊

溶かせない魔法
ほどけないと春、間近のあいだのお話が書きたかったんですがすごいちゅうしてるやで。
ちゅうも書きたかったんですが(笑)亮二くんにきちんと「ごめんね」を言えるようになった周くんが書きたかった。
既読の方向けのお話だなぁとはしみじみと思うのですが、わたしは亮二くんに対していらだちをぶつける他無かったという一連のエピソードをとても大切に思っているので、忍に出会えたことで乗り越えられたよ、というのを書けてほっとしました。


ありふれた話
前々日にフォロワーさんが海吏のクラスメイトの下田さんの話をしてくださったのでそれきっかけに書いた下田さんとのその後。
振った側と振られた側ってきまずいですよねっていう。
思春期ってやつは、と思うといろいろあまずっぱい気持ちになります。
海吏はいのりんがいるから女の子の方が話しやすいんだけど、そんな感じなので男子からはますます距離を置かれています。
自分からちゃんと輪に入れるようになって男の子の友達が出来たのは大学生になってからかな。


オン
Day dream wonder
去年までサークル参加していたインテに一般で遊びに行き、好きな作家さんにお会いできてうれしく楽しくて、優しい気持ちになりたくて書きました。


2月
イベント:静岡文学マルシェ
→レポート
前年も参加させてもらったし、ほぼテキレボの縮小版みたいな感じだから浮かないだろう。きちっと宣伝した上で新しい場所に出て行けばなにかしらご縁があるだろうと思ったので委託参加枠に申し込みました。
確か追加で空きの出た枠に滑り込んだのかな。

初めての0冊でした。

敗因:やはり地方イベントはイベント慣れしていない人が多く、委託はただでさえ目に留まりにくいし、ジャンル的にも取っつきづらい&サークル参加者はテキレボとほぼ同じなのでテキレボで買うつもりといったところでしょうか。

いや、うちの本はいい本ですからね!
ただまぁ、どんなにいい本でもやっぱり客層との相性があるんですね。


オンライン
あたたかい場所
静マルにいけなくて寂しくて書いたエア新刊。周くんと忍の休日。
周くんのどうしようもない寂しさとか欠けたものはどんなに忍といたって埋まらないし、無理に埋める必要もないんだろうと思います。
忍自身がきっとそれを何よりも知って、周くんといたいと願っているはず。


いいこ、いいこ
すごく疲れていたので周くんなりのツンデレ愛情表現が書きたかった。笑


3月
テキレボに向けて原稿を書いたり本を作ったりしていました。


うちわも作ったやで


4月
イベント:テキレボ5
→レポート
スクエニプチ、おじコレ、300字ポスカラリーに参加しました。




「おじさんのお話をたくさん読んで感激して泣いちゃったおかさんをおじこれのみんなが励ましてるところを描いたんだよ」
周くん「おまえ阿波さんとまるたさん描くのうまいな」

おじコレはおかさんのおじレビューがそれはもう素晴らしいのですが、参加者さんがそれぞれ缶バッチを作ったり(ヒビキケイさん)、サイコロを作ったり(うさうららさん)、アイドルうちわとサイリュームを作ったり(わたし)、みなが盛り上げていたのが面白かったです。




「りおさんと森瀬さんとまゆみ先生にもうちわ作ってあげてねって俺がらいさんにお願いしたらちゃんと作ってくれたんだよ。らいさん面白いよね」
周くん「いろんな意味でどうかしてるけど笑ってもらえてよかったな」


新刊


「Requiem in peace.」
スクエニプチ合わせのFF7レノイリ再録集。
過去5年分の小説を再編集しました。自分がほしかっただけともいう。
会場で知人に三冊、その後通販で完売しました。
290頁のR18再録本なんて、創作イベントでプチオンリー合わせとは言えまぁ売れるわけがないんですがこのタイミングでしか作るチャンスはなかったわけです。

これに関して話すときりがないのですが、すごく悩んで苦しくてどうしようもなかった頃、それでも書かなければ救われないという状況で書いていたものばかりでした。
そんな過去に改めて自分で向き合うことになり、作っている間ほんとうに苦しかったです。
自分はなにを考えてどうやって生きてきたのかを見つめ直して区切りをつけて終わらせるために作った本でした。

自分の中でわだかまっていた苦しさや不安を和らげてくれるお話に出会えて価値観や考え方が変わったのをきっかけに、自分の中の不安や葛藤をちゃんと見つめ直して乗り越えていくためのお話を書こうと思い、「ジェミニとほうき星」を書きました。
胸を塞いでいた苦しさを真正面から見つめ直して、心に開いた穴は無理に塞がなくてもいい、乗り越えられないことや苦しいことがあっても構わない、と、少しだけ自分を許せるようになった時、彼らを通して書けるものが決定的になくなったことに気づきました。
苦しくない方がいいに決まっているのですが、葛藤や不安の中にいなければ書けないというのは結局は屈折によりかっていたということで、とてもよくないことだと思います。
今でもずっと苦しいままですが、それでも、あの頃の自分にしか見えなかったもの、切実に向き合わずにいられなかったこと、そんな中でこそ形に出来たものがあった大切なことがあったことを誇りに思えればと思っています。

ずっと寂しくてどうしようもなくて、自分を追いつめることばかりで、きっとそのせいで自分自身だけでなく、沢山の人たちを傷つけてばかりいたと思います。
最初からずっとひとりなんかじゃなくて、いつだってたくさんの優しさに支えられていたのにそのことに少しも気づくことが出来ていなかったんだな、と思いました。
ただ、ありがとうをいいたい気持ちでいっぱいです。
いちばん苦しかったあのころの自分を支えてくれたたくさんの人たちの大半はもう会えない人ばかりで、それもわたしの浅はかさによって守ることができずに壊してしまった関係ばかりです。
いまさらごめんなさいとありがとうをどれだけ積みかねたって意味なんてなければそんなこと望まれてもいなくて、ただの自己満足にすぎないのだと思います。
それでも、気づけずにいたことを気づけたこと、もらった気持ちを足掛かりにいまこうしてちゃんと歩けていること、自分を勇気づけるために小説を書けるようになったことを誇りに思っています。
優しくしてもらえたことを巡り巡って返せるようになりたい、という気持ちに支えられて生きています。

イベント翌日に美術館に居た時、なんか手放したつもりの気持ちが一気にせきを切ってあふれ出してきてずっと号泣してしまい、その後しばらく休憩室で泣いてて、その後もお昼ご飯食べながらずっと泣いて、とりあえずその後も何日もずっと泣いていました。
正直なところ、いまだに整理がつきませんが、ゆっくり乗り越えていくしかないんだろうと思います。



デートにはうってつけの日
おじコレ参加記念、出会いから10年後のある日、春馬くんのお嬢さんりんねちゃん4歳と忍のほのぼのデート。

実のところ、「むずかしいからなぁ結婚は」の一言が書きたかった話でもあります。
一緒にいたい相手と共に生きて、そのことを法的な支援や相互扶助なども含めてきちんと社会に認めてもらう「あたりまえ」が手に入れられないことへのわだかまりと、それでも、だからこそ自分たちのほしい絆は自分たち自身の手で守っていけばいいから、というお話。



Lie,lie,lie
忍のお誕生日に絡めた本で、表題作はテキレボアンソロに参加しました。
自分や大切な人を護るための優しい嘘はきっと必要不可欠なもので、それでもそこに忍を巻き込まなければいけないことは周くんにはすごく苦しいことなんだろうと思います。
忍の素直さはいつだって救い。

300字ポスカラリー お題:桜

春ヘキで書かせていただいたお話にもリンクしています。海吏がロンドンで初めて見た桜のお話。


装丁

海崎たまさんの新刊「グッバイ、スノーホワイト」
装丁買いって言ってもらえてうれしかった~~。


オンライン
三日間の軌跡
ヘキライに久しぶりに参加してみたかった。
三日間しか記憶が保てないAI美少女(課金すると延長される)の話題に乗って書いたえせSF。荒い仕上がりですが気に入ってるので書き直したいですね。

夜と流体
みやねね子さんの短歌、脆すぎてねむれずにいるぼくたちにゆるされていて、夜と流体
をもとに書かせていただいた掌編


5月
イベント:文フリ東京
文フリガイドに「真夜中のころ」を委託
→レポート


いい本だから宣伝しようと思って文フリガイドさんに推薦と共に自分の本を出したんですが、まあぶっちゃけた話、推薦でも評論でもなく「紹介」してもらってもうれしくないなって思いました。自己PRの場にしようと思ったわたしが間違っていたよごめんな。
お手にとってくださったみなさん、お世話してくださった文フリガイドのみなさんほんとうにありがとうございました。


【アンソロジー参加】
季刊ヘキ8号



まさかの抽選に当選し、枠をいただきました。祈吏とマーティンのきょうだいがふたりで新しい絆を結びあうお話。
Lettersのその後のお話になっています。
家族以上に祈吏を好きになってしまったこと、ずっとつないだままでいた手のひらを互いに離してしまったこと、海吏のことを誰よりも大切な女の子から手を引いて連れ去ってしまったこと。
数々の苦しさを乗り越えて新しい絆を結び直すことが出来たのはすべて「カイの誰よりも大切な人は祈吏のあたらしい大切な人」と手を延ばせた祈吏の強さと、祈吏の震えた指先を優しく包み込んであげられたマーティン、ふたりの強さと優しさがあったからだと思います。
あるべき形で愛情と優しさとが守られていてほしい、という願いで「ジェミニとほうき星」の一連のお話を書いています。
大切なことをまたひとつ見つけだすきっかけをくださってありがとうございます。

みなさんの原稿を一足先に読ませて頂けるのもありがたかった&噂のとても丁寧な校正会議でもお世話になりました。
ただ書くだけではないというのが参加させていただける楽しみがありました。
比恋乃さんからの「ようこそヘキの世界へ!」にわくわくしました。えへへ。
「性ヘキを露わにする」というだけあって、ひときわ光る個性と強みが開花された花盛りのアンソロジーで読み応えもたっぷりありました。
新たな扉を開くきっかけをもらえて楽しかったです。


装丁


白衣キャラクターアンソロジー白衣パーティ 



「ハチミツ」トリビュートアンソロジー 


オン
春の葬列
イベントにでれなくて寂しくて本も作りました。



どんなに体ごと、心ごと預けあうように寄り添っても踏み込めない場所があり、癒えない傷がある。でも、それすらも愛せるのなら。

この時GWなのに予定がなにもなくて仕事が死ぬほどつまんなくていらだっていたせいか、顔面麻痺になりました。軽傷でよかった。
MRIとか撮るんですよあれ。



「空也さんは空也もちを持ってるんだよ」

カマタまで文学だらけ
にゃんしーさんとゆらさん主催のカマタ商店に現れた一ヶ月限定セレクトショップはお茶を飲んで本を読める大人の社交場。
居心地がよくて楽しくて、こんな場所に自分の本も置いてもらえたらうれしいよなあと思いましたが純文学が中心のラインナップなので端的に言ってお呼びじゃないですね


6月
オン
そんなことが素敵です
Twitterのアンケートを元に書いたのですがとても気に入っています。ふたりらしい距離感とおだやかな優しさが書けたのかなと。
この時テキレボアンソロの結婚エピソードを書いていて、ジューンブライドだなってわくわくしてました。
推しがジューンブライドに結婚して一年後、まさかうちの推しも結婚しました。笑

communication?
春馬くんは忍の率直な態度で核心を突いてくるところを警戒していて、忍もそれに気づいていたよというお話。
お互いの中にいつしか生まれていた優しい絆が描けたらと思ったのでした。
忍が周くとの関係を通して不安や焦燥をありのまま打ち明けてくれるようになったことで、忍と春馬くんの間の距離も溶けていったんじゃないかなと思います。

お引越し
#いいねした人を自分の世界観でキャラ化する より、周くんと総務の木村先輩

よければ一緒に
#いいねした人を自分の世界観でキャラ化する より、忍と正岡さんのラーメンデート

ピアニストの恋ごころをカクヨムで連載し始めたのもこの頃から。
わたしは桐緒さんと荘平さんが大好きなので新たに彼らに出会ってもらえてほんとうにうれしい。


7月
オン
Flavor of life
あましの結婚記念本を書いていたら勢いで生まれました。
ささやかでかけがえのない人生を彩る幸福の香り。
しかしずっと一緒に暮らしているのにしみじみと周くんは忍が好きである。


8月
イベント:尼崎文学だらけ夏祭り
→レポート



「みんなで夏祭りを楽しんでるんだよ」


新刊

「はじまりの唄」
テキレボアンソロにHoneyを含むあましの結婚おめでとうひとりアンソロジー。みなさんたくさんおめでとうを言ってくれて幸せでした。
続編はまぁ売れないのをジェミニで身を持って知っていたのでほどけないを購入の方は無料って言ってたらみんなお金払ってくれて神様かなって思ったし、気がついたらもう在庫がないのでびっくりしています。
なにが起こったんだろう。R18なのにな。だからいいの?笑





「みんな結婚おめでとうって言ってくれたんだよ。うれしいね。周のことは俺がいっしょう幸せにするからねってちゃんと言っておいたから安心してね」
周くん「……」
「周照れてるぅ~」
「周照れてるぅ~」



engage
ふたりを結ぶ新しい絆、左の薬指の銀の指輪のお話。
ひとりで居ることも一緒に生きていたい相手と生きていくこともみんな自由で、だからこそかけがえのないこと。
表題作とありふれた言葉との二本立てです。
周くんはしかし本当にナイーブだな、あんな口悪いのにな。だから作者に繊細チンピラって言われるんだな。(ひどい)



My shooting star(再版)
まぁ売れない本がどうにか売り切れたところで、やっぱり自分にとっていちばん大切で切実なことを書いて、これありきでジェミニもほどけないも成り立っているので読んで貰いたくて作りました。
どのエピソードもとても大切に書いたのですが、海吏が春馬くんや忍との対話を通して「大切な人を思う気持ち」にきちんと向き合う勇気を持てるようになるまでを書けたことでわたし自身が何よりも励まされたのでした。
ほんとうに自分の生き方が変わったのはこの本を書いてからです。
おかげさまでぽちぽちと旅立っていてすごくうれしい。


オン
Honey
テキレボアンソロ「祭」に投稿したものを公開していただきました。
ふたりなりの人生の記念日の一幕。たくさんお祝いしてもらえてうれしかったです。

「ぬるい口づけ」
睡眠ほにゃららが話題で…。笑

「月並みな話ですが」
まゆみ先生にタイトルをいただいて即興で書いた元同級生なふたりのお話。このときちょうどきみ・ふたりを読んでたんですよね。わかりやすいな。

いかづちと恋人
周くんはかみなりが苦手


9月
イベント:文フリ大阪
→レポート

いちばんホーム感を感じる文フリ大阪。台風の噂にひやひやしたり、毎年恒例の屋台の事前告知がなかったりと色々不安を感じつつも台風はそれました。ほっ。
隣接したきよにゃさん、通路を隔ててお隣だったキヨムさんと並びだったのでほぼきよにゃさんにブースをお任せしてキヨムさんのブースで本を売っていました。笑
あまぶんで相当魂が抜けていたのでやる気がなかったのですが、なんだかんだで大阪文フリがいちばん頒布数も多いんですよね。さすが大型イベントだ。




個人的にはあたらしい朝が完売したのがうれしいです。
海吏という子のあやうさや苦しさや葛藤について、誰にも打ち明けられないつもりでいたことをぜんぶそのまま書いた思い出深い一冊でした。
海吏が電車の中で手をつなぐシーンがすきだよ。


新刊

our house
あんなに結婚おめでとうを祝ってもらえたのになぜわたしはって書いててすごく悲しくなって本気で泣きました。笑
周くんにとっては忍がたったひとりの家族であるということ。


【アンソロジー参加】
「壬生キヨムトリビュートアンソロジー 権謀術数」
周くんと忍がはまむぎくんの期間限定オムライスやさんに遊びに行くお話で参加をさせていただきました。


あと、忍が文フリデビューしました。笑


オン
周くんの左腕が触手(仮)
まゆみ先生がネタをくださったので書きました。笑


10月
イベント:テキレボ6
→レポート






ポスカは裏表合わせて300字です。

とりあえず出ておくかと思いつつ新刊は出せず、だったのですが、アンソロであましのが結婚したので(笑)ほどけない体温はあましの結婚おめでとうセットと称して「はじまりの唄」と2冊組に。
毎回委託には出せなかったMy Shooting Starに代行申し込みが来たぞ!? 読んでくださって続きを求めてくださった方がいるのかと思うとめちゃくちゃうれしいですね。
アンソロで本当に沢山の人たちにおめでとうを言ってもらえて、世界はなんて優しいんだろうとガチ泣きしたのが思い出深いです。







「宣伝手伝ってって言われたからお絵かきしてあげたんだよ(ほめてほしい)」
周くん「似顔絵よく描けてんな」

テキレボは宣伝を面白くしてなんぼです。(そうなのか)

正直まったく売れないつもりで居たのですごくびっくりしてうれしかったのですが、アンソロジーなどで露出が多かったぶん目に留まったのでしょうか。
今年からは全体的にほどけないが出るようになったのですが(忍の知名度があがって笑)ジェミニを読んでもらえるのはやっぱりうれしいな。


オン
夜のしじまをもとおれば
翌週別府に行くのが楽しみすぎて、仕事でへとへとに疲れていたのでいっぱいいちゃいちゃしているのを書きました。
ふたりはなかよしです。


11月
イベント:Zine展inBeppu
→レポート




イベントの雰囲気がとてもよい、参加レポートがすごい、とお聞きして興味を持ち、場違いだろうと思いつつ参加申し込み。
別府に行きたかったしね。
ぶっちゃけお友達とも「BLが売れるわけないよね」とは言ってたんですが正直ほんとうに売れなすぎて申し訳なくなりました。
(傾向分析資料として全体の売り上げランキングも添付されていて、正直つらい)




クラフトよりのもの、エッセイ、詩歌や純文学など芸術性の高いもの、一般文芸テイストのものが概ねウケてキャラクター性の強いものは全体的に動かなかったようです。
本屋さん感覚で本を手にとって選ぶ時に目にとまりやすさ、にくさで完全に明暗が分かれたと言うか。
来場される方の好みがあるのは当然なのでみんなが同じように売れるのは不可能なんですが、売れない本に場所を割いて面倒を見てもらうのはただひたすら申し訳ないので参加させていただけてうれしい反面ぶっちゃけ肩身が死ぬほど狭いです。

BLは青春小説で家族の物語として読んでるし、ジェミニは青春小説として普通の一般文芸と同じようにリーチできるのではくらいに思っているので正直まったく売れなくて残念です。それでデザイン表紙にしてるのにな。
そんなに目に留まらないのかなーって正直がっかりもするんですが、普段からたくさん売れてるわけでもないんで。
ほどけないはまぁ仕方ないんだよ、あれはR18のBLで、セックス抜きで書けない話だから。

静マルと同じく客層にあってないとか、要するにそれが実力といえばそれまでなんですけど、正直悔しい、なんでって思います。
たくさん読んでもらえるわけではないけど、大切なことを書いて自分が生きていくための足がかりを得ていて、それが読んでくださった方にきちんと届いてることは実感できているからそれでよしとするかな。

本を作って売るにはお店屋さんをやらなきゃいけなくて(通販や委託じゃ読んでもらえないんですよ)、それもちゃんと創意工夫して楽しんでるといえば楽しんでるんですが「やらなきゃいけない」大変なことなのは確かです。
目の前で手に取ってもらえる・書き手さんに出会える喜びがある反面で、書き手当人を介さず純粋に『本』と出会ってほしいなと思います。
小説の中にしか居場所のない高梨來の居場所がほしいからイベントに出て人に会いたいと思うのとそこは矛盾しないんですよ。
委託スタイルのイベントはそういったことが具体的に叶うのが理想的で、1日イベントの非日常の世界に身を置いて本を売らなきゃっていうことから解放されてすごく楽しい試みなんだけど、そこで果たして自分の本の未来の読者と出会えるのかっていうと話はまた別で、そこが難しいし厳しいなと思います。
……あきらめて直参するしかないのかな。

なんかいろいろ考えてると、わたしにはイベントを主催する力はないんだけどどうやったら手に取られにくいキャラクター小説の人たちが委託イベントでもお客さんとの縁が生まれるんだろうなって考え始めてきました。どうしたらいいのかな。




別府帰りの晩御飯は別府で買った鶏飯の素で炊き込みご飯、門司港で買ったふぐのからあげ。


オン
Dead Flowers
趣味の園芸で食べられる花の話をやっていて。笑
この人たちはそのうち続きが書きたいです。

光と影
周が残してくれた傷なら嬉しい、とあたたかくてやわらかな傷をなぞる忍のお話。
このふたりはセックスで結ばれているというのを何度も書いていますが、切っても切り離せないものなのです。体で結ばれると次は心がほしくなる。

はじまりの唄でも書いたんですが、ふたりがお互いの心を差し出しあう勇気が持てずにいたずらに互いを弄んで傷つけあったことは、どんなに許しあい、信じあえるようになってもお互いの中ではずっと消えない傷のままなんだと思います。
周くんは忍をどうしようもなく傷つけたこと、それでもそのすべてを許され・受け入れられていることにずっと思い悩んでいるし、忍の傷はそう簡単には癒えないし、自分が周くんのそばにいる限り、周くんにそれらと向き合い続けることを突き付けていることもちゃんと知っている。

あなたの残してくれた傷なら愛せるから、というやわらかな痛みを寄せあってともに生きていくところを見つめていたいと思っています。

傷つけていたことを知る木曜日 きれいな傷はあなたにあげる


週末のおおかみ
海吏の近況が聞けてわたしはうれしかった。笑
海吏も周くんもいい子なのでほのぼのします。


【アンソロジー「きょうのごはんは」に参加】
→全作レビュー
Twitterで話題を見て気になって参加させていただいたのですが、全39名のご飯を囲む風景をおなかいっぱい楽しめる素敵なアンソロジー。
わたしは忍の部屋でいっしょにおでんを囲むお話を書かせていただきました。

参加者さんの95パーセントは初めましての方で、初めての方のお話を読ませていただけるというのは新しい世界に触れるきっかけになるわけで、そこがこういった大型アンソロジーの面白いところだなぁと思います。
ということはですね、わたしの小説もずっとたくさんの人に読んでもらえる(かもしれない)ということなわけです。
新たな出会いもできてすごくうれしかったです。


【Twitter300字SS】
今年も引き続き楽しく難しく参加させていただきました。一回どうしても書けなくてお休みしてしまったんですが、ほぼ皆勤賞かな。

第二十九回「氷」:春はすぐそこに
第三十回「飾る」:飾らないあなたも
第三十一回「散る」:散る、散る、満ちる
第三十二回「色」:目と耳、そしてエコー
第三十三回「かさ」:にじみ
第三十四回「渡す」:プレゼントフォーユー
第三十五回「休」:暑中お見舞い申し上げます
第三十七回「酒」:大人になれば
第三十八回「贈り物」:心をあげる




折り合いのつけられないことに対して、それでもどんな風に乗り越えていけばいいのかを思えばずっと考えていた一年だった気がします。
いちばん苦しくてどうしようもなかった自分が残そうとした感情にもう一度ちゃんと向き合えたのがすごく大きかったんだな、と思います。

小説を書くことを通して見つけたものも、小説にすらできないことも、きちんと向き合って切り離して「伝えたい」と思ったときにはこうして日記を書くしかないのですが、去年と今年の初めのいくつかの日記を読み返していた時、なんであんなに悲しかったのか思い出せない自分がいることに気づきました。
そういったことが、乗り越えていく、ということなんだろうなと思います。

自分の中で持つべきものではないと思っている感情がいくつもあって、そういったことにつぶされてしまいそうな中で、生き延びることができたのは「言葉にすること」の勇気を、それらを受け止めてくださった方のやさしさに触れさせてもらったことで幾度となく励まされてきたからだと思います。
ほんとうに、ありがとうございます。

よくも悪くも言葉の中でしか生きられなくて、日常を生きるために殺している【高梨來】のいる場所がほしくてイベントに出ているようなところはあって、そこにすごく救われている反面で、対コミュニケーションの場に立つと結局いくらかは言葉の中でしか生き延びることができない感情は殺すほかないのは確かなんだよな、というのが最近のわだかまりです。
感情の暴力をナイフぶん回すように振り回すわけにはいかないので当たり前といえば当たり前なんですが、なんだか違和感が募っていくというか。

だから人前には出ませんと言いたいわけではないし、手渡したいと思える気持ちをどんな場でも、傷つけないようにと配慮したうえで届けていくこと、自分を守ること、その上で伝えたいことを伝えられるようになること、に関して今後も考えていかないといけないのかもしれません。

……自分のことを話すのがすごく苦手なので、何が言いたいのかよくわからなくなってきた。(あたまがわるい)

小説にするしかないような行き場のない気持ちがいくつもある一方で、小説にすらできないことがたくさんあって、「すべてを小説にできない」という自らの才能のなさに打ちひしがれることが何度もありました。
そういった自分の感情のありかたひとつひとつを肯定したくて、こうして文章を書いています。
向き合いたいと思えることがあったこと、それらを形作るための言葉を見つけられたことは、とても幸福なことなのだと思います。
そして何よりも、それらに耳を傾けてくださった方がたくさんいたことに最大級の感謝をしています。

すべてに答えることができないことがわかっていても、受け止めたたくさんのやさしさを、いま目の前にいてくれる大切な人や、まだ見ぬ誰かに届けることができたらいいなと思います。
そのことがいつでも、わたしを何よりも勇気づけてくれるからです。
書くこと、生きることは、わたしにとってそういうことです。

ここまで読んでくださった方がいらっしゃいましたらありがとうございました。

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週末のおおかみ

周くんと忍の休日のお話




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ごはんアンソロジー「きょうのごはんは?」先行レビュー



表紙画像をWEBカタログよりお借りいたしました。


11月23日(木祝)東京流通センターで開催される文学フリマ東京で頒布されるごはん小説アンソロジー「きょうのごはんは?」に参加させていただきました。
ア30「バールのようなもの」さま:WEBカタログ

現代物~ファンタジー・SFなど、多種多様な「ごはん」を巡る人と人の物語がたっぷり39作品収録されております。

企画サイト



わたしは参加者特典として、頒布に先駆けて公開された全作品を読ませていただきました。

・「いつ」「どこで」「誰と」「どんな風に」食べるかによって39人、39通りのドラマがある
・日常生活と切っては切り離せないものだからこそ、そこには様々な感情がいくつも潜んでいる
・寂しさと優しさ/あたたかさはいつだって表裏一体
・人と人の関係性や距離感、パートナーシップ、家族関係、ブロマンス的な人間同士の心の距離の描き方が魅力的

一通り読ませていただいた所感はそんなところ。
誰が読んでも、どこから読んでもおもしろい、普遍的なテーマを掲げて指揮を執ってくださった主催のいちかさんの力によるものなのかな、と思います。


というわけで、事前に読ませていただいた折に、Twitterで投稿した一言感想を以下にまとめました。(順不同)
出来るだけネタバレは防ぎましたので頒布前の参考などになれば幸いです。以下、感想マラソン(と、自作の紹介です)








いちかさん「ペガサスのみぞれ煮」
このタイトルから内容が想像できようか…笑 いつしか疎遠になった幼馴染との夕餉のひと時の思い出。
なんとも言えないいびつな空気が張り詰めて繊細で美しい。二度と帰れないあの日のノスタルジーにしん、となります。

川鷺 ういさん「カップラーメンとバニラアイス」
体に悪そうな夜食は背徳の味。いっしょに食べる友達がいるならなおのこと。ミヤちゃんが小悪魔っぽくてかわいいぞ! そこはかとなく百合風味? とニヤニヤしました。

せすとさん「宇宙食」
ひとりで食べるごはんは餌って岡崎京子が書いてたな、たしかに義務感で食べるごはんは味気ないよね。私の寂しさをまるごと抱きしめて「ちゃんと食べて、生きて」と繋ぎ止めてくれるのが夢で出会う宇宙食の彼女なのかな、と思いました。ゆらゆらさびしい。

巫夏希さん「ポテトサラダ」
(おかんの作った)山盛りのポテトサラダが食べたいって向井秀徳もライムしてました。おうちで食べるポテトサラダはおいしいよね。帰る場所と、そこで食べたい懐かしい味があるって嬉しいよね。一人で食べる駅弁との対比が味わい深いです。

狭野絲子さん「ごろごろ野菜と骨つき肉のポトフ」
奇妙な同居生活を送るふたりのほかほかポトフをいっしょに食べるお話。このふたりの関係性がほんとうにおかしみといとおしさ溢れててよいのです。分類的にはブロマンスかな? とってもほっこりします

染さん「ピーチタルト」
ピーチタルトの甘さとまばゆいきらめきは女の子のひみつの味
少女でありたいと願う残酷さが切ない。ピーチタルトの彼女が大切な人と共にする「ごはん」の場面にしん、とします。

秋原句外さん「出汁巻卵とお味噌汁」
訳ありだけれどとっても仲良しの二人が過ぎ去った過去を思い出しながら食べる夜食のひと時。
戻れない過去への悔いやわだかまりがあっても「いま」こうしてあたたかい食卓を囲める時間を大切に思いあえるのはいとおしいですね

とうこさん「山奥御膳」
訳ありでこぼこ同居生活は互いの寂しさを寄せ合い、ずっとほしかった絆をいつしか結び合うことで成り立っている。素朴で優しいご飯の描写がとても美味しそう。そして問題の発言は…いいのかな。笑 みなさん楽しそうだからいいかな…笑

藤原湾さん「親子丼」
うむ、とても良いドラマでした。冒頭シーンを見てファンタジーなのかな、と思いきや…。しみじみとやさしい「親子」のあり方のお話。人間関係の積み重ねがやわらか。彼らのこれから先に幸あれ。

がま口大魔王さん「寿司」
大人の官能が香り立つドラマだった。良い意味でトーンが違って2時間ドラマを見ているよう、最後はちょっと侘しくなります。うむ、回らない美味しいお寿司が食べたいぞ。それもカウンターで。

木倉兵馬さん「オイルサーディンのパエリア」
美貌のエルフ二人暮らしの生活感のある描写をあくまで淡々と積み上げていくさまがなんだかおかしい。笑 足りない材料をちゃっちゃと代用して美味しく仕上がったパエリアが楽しく気取らない食卓という感じでとても良きかな

なっぱ(偽物)さん「豆腐」
豆腐への淡々とした熱意がなんだかおかしい。ひたすら女性が豆腐を食べるだけ、なのですがなんでだか読ませるこの説得力はなんなのだろう。笑 豆腐、美味しいですよね。

真砂夜さん「くじら汁」
美味しくないくじら汁は私たちの命をつなぐための故郷の味。村のはぐれものふたりが共に闘い、共に生きるために交わした約束は悲痛でいたましくも力強い希望を感じさせてくれます。

ビッキー・ホリディさん「紅ショウガのかきあげと冷たいかけそば」
おおこれは…本格ハードボイルド。ボロ切れのようになった体を引きずって今もなお生き続けなければいけない苦しさよ。青春のひと時とのコントラストが鮮やかで悲しくもありますね。

蒼木遥かさん「玉ねぎたっぷりハンバーグ」
パパがんばれ! なハンバーグの思い出のお話。とびっきりの笑顔での「ご馳走さま」は何よりの贈り物。読んでるだけでこちらもニッコニコになります

紫水街さん「鰻の蒲焼き」
謎?の巨大生物との大捕物が始まったぞ!? と思ったらそれは序章に過ぎなかったぞ!笑 おっさんと知性溢れる女の子の凸凹コンビの活躍は臨場感あふれ、テンポも良くドラマチック! 蒲焼き、美味しいだろうなぁ。

蓮井遼さん「水餃子」
慣れないこわごわ手つきで自分のために水餃子をつくる。自分のためだけの時間を、料理というクリエイティブな作業共々楽しんでいる様子が伝わってくるのが読んでいるこちらも楽しい。小粒でピリリとくる掌編。

宵月悠人さん「コロッケ」
とても良質なファンタジー。旅の青年コンビと迷える少年との出会い、彼らの短い同行の時間がもたらすものとコロッケの思い出は…ほう、そう繋がるのね、とストンと落ちるラストの読後感が良いです。

鳴原あきらさん「かまたまうどん」
高校生の「僕」と「社会人」の私。次第に露わにされていく感情の在り処にわっ、と引き込まれます。読んでいて良い意味でゾワッとなる鮮烈なインパクト。いやほんと、面白いです。

山城よるさん「プッタネスカ」
大学入学を機に独り立ちした私の元へと訪れた後見人さんとのひと時。いやこんなキャラのたったいい男が保護者なら目も肥えますねそりゃあ。笑 「定型」から外れていても彼らには彼らだけの尊い愛があるのですね。ほっこり。

宗谷圭さん「おにぎり」
少し不思議でちょっぴりじんわり、な最後の晩餐エピソード。みんなで食べるはきっと特別な優しい味だね。

湯沢紫苑さん「高級料理と家庭料理」
小気味好いテンポの会話とめくるめくアクションが楽しい。映画やアニメを見ているよう。味気ない高級レストランのメニューよりもざっくり楽しく作る気取らない家庭料理の方が美味しいと思えるっていいね。これまたいいコンビですね

くー。さん「キムチ鍋」
味の好みが違うからお鍋はふたつ、のふたりのお話。互いを尊重しあいながら仲良く穏やかににこやかに日々を過ごせること。それを笑っていいね、と言ってもらえること。いとおしい関係性ですね。

ECOさん「じゃこたまごかけごはん」
朝霞くんも山口くんも学生時代から将来を見据えててしっかりしてんなー。(そこ!笑)周囲の人たちともあるべき良いパートナーシップを築き、「食べる」ことを通して幸福なコミュニケーションを生み出すふたりを見せてもらった気分。

今井優さん「カレーライス」
社会から少しだけはみ出してしまいながら強く生きようと懸命だった姉さんと、そんな姉さんをずっと身近で見守っていた僕。きょうだいの愛情はいびつさすらいとおしくて少し悲しい。

笛地静恵さん「塩にぎり」
ますむらひろしさん的なほのぼのした世界と思いきや…ちょっとドキッとする場面もあったり。かわいくてちょっと切なくもなる独特の世界に引き込まれます。そしておにぎりを口にする場面がとてもかわいくておいしそう

鷹梨響稀さん「夏野菜カレー」
気の置けない友人同士の夏休みのひと時。友達っていいよね、と素直にすとんとおもえる読後感がさわやかですね

小林マコトさん「ロールキャベツ」
忘れかけて居た「ご飯を一緒に食べる時間」の大切さを思い起こす、ありふれたとてもしあわせな一夜の優しいお話。この優しい一夜とその先に続くふたりの「これから」を優しく祈りたい。

夏樹一さん「ミネストローネ」
森の奥、カラスに導かれてたどり着いたお屋敷でヴァンパイアたちのお食事会に招かれる少女のひと時。皆さまとても個性溢れる魅力的な方達ばかりで食卓を囲む様子がユーモラスかつチャーミングです

梅川ももさん「カレー」
仕事の終わった週末、一足先に帰宅していた彼の作ってくれたカレーでふたりで晩御飯。
何気ない日常の描写の積み重ねの中にふたりのリラックスした関係性がふつふつと満ちていくところが良いですね。カレーが食べたくなる描写が巧み。

秋雨ゆらさん「大根卵粥」
学生演劇の世界でのお話。プレッシャーでダウンした僕を救ってくれたのは厳しくも優しい先輩の暖かな手料理と心尽くしの言葉。ぶ、不器用!と思わなくもないのですが、きちんと届いた言葉と気持ちは彼らの背中をやさしく押してくれたはず。

紙箱みどさん「お魚ハンバーグ」
小気味好く訳あり大家族の暮らしぶりが綴られる一編。クソ兄/愚妹と呼び合いつつもこのご兄妹にはちゃんとあたたかな絆があり、それを繋いでくれるのも「幼魚」と呼ばれるみかんちゃんの役割なのかな。タカミネさん引きがいちですね。

山台明良さん「焼うどん」
全身を機械化し、食事をとる必要のなくなった未来人がちょっとした好奇心から「焼うどん」の調理に挑戦するお話。遠いノスタルジーを交えて綴られる「食べる」喜びにしんみりほっこり。焼うどん食べたいな。とろけるチーズを入れても美味しいですよ。

樹真一さん「ロウの干し肉とカエンのスープ」
窮地を助けられたらしい「僕」と何やら訳ありの男の過ごす時間はいつ読み返すと「ああ、なるほど」な仕掛けのあるお話に。悲しい記憶と負の連鎖を断ち切る命をつなぐごはんの味にしみじみ、しんみり。

新田さん「琥珀色のフレンチトースト」
(長嶋有の)タンノイのエジンバラだ、と思ったシチュエーションではじまる物語。読み進みていくうちに「これは…辛いな…」となりました。厳しく辛い現実を前に、それでもこのフレンチトーストが結ぶ絆のあたたかさを信じたくなる物語。

玖波さん「豚の角煮」
豪快な料理シーンから始まる冒頭が楽しい。掛け合いも楽しいふたりの関係性が料理を、食べることを通して一歩前へと進むまで。ふたりのより良い着地点、一緒に向かいたい場所を見つけられたのならよいなぁと素直にそう思えるラストににんまり。

星うとかさん「スキヤキ」
ご飯を食べる時の仕草や作法って生まれ育った環境がすごく出るんですよね…弱気になってしまう佳奈子ちゃんに心配はいらないよ、と優しくフォローのできる雄太くんはいい男。そんなところもたまらなくかわいいと思ってるんだろうね。ふたりに幸あれ!

神田春さん「川魚の串焼きときのこ汁」
生まれと運命に翻弄されたお姫様が命をもらい、食べることで生きる力をぐんと身につけていく。川魚の串焼きに自ら挑戦する姿が生き生きと描かれていて、彼女に新しい世界が開けたのだなぁと感じさせてくれます。優しい出会いにほろり。

高梨來「おでん」
大学院生と社会人一年生、ふたりで過ごす週末ご飯。ふたりで食べるから楽しくていとおしい。そうして少しずつ、ふたりは許しあい、いびつな思いは優しく重なり合っていく。拙作「ほどけない体温」のふたりのその後のお話でした。




【高梨來はおでんです】
わたしは「ほどけない体温」の周くんと忍がおでんを囲む夕食の一コマを書かせていただきました。



『いっしょにごはんを食べる時間』を通して心の距離を近づけあい、確かな絆を築いていったふたりが笑顔で「おいしいね」を言い合えるひと時を書かせていただきました。
忍は大学院の一回生に、周くんはサラリーマンになってからの新生活の一こま、まだふたりのおうちに引っ越すよりも少し前のお話です。

もしよろしければ、たくさんの素敵なご飯の風景とともに彼らの一場面に、また、アンソロジーの外でもずっと続いている彼らの日々をのぞいていただければとてもうれしいです。

東京文フリには不参加ですが、ごはんアンソロも頒布される年明けの京都文フリにいます。

本編一話はカクヨムで読めます。
また、遠方の方などは続編「春、間近」ともにBOOTH通販でも頒布があります。



てきれぼの時の斜め上にも程がある宣材




おなかいっぱいのアンソロジー、一参加者として発行を楽しみにしております!

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Zine展inBeppuありがとうございました。



「またみんな別府に来てくれるといいなって思いながらZine展で買ったご本を読んでるえりちゃんだよ」


11月3日~5日に大分県別府市にて開催されたこんぺき出版様主催のイベント、Zine展in Beppuで預かっていただいた本と参加レポートが返送されて参りました。
湯の町、大分県別府で連休の三日間にわたって行われる、委託オンリーの個人による創作同人誌=zineの展示即売会です。
従来通りのZine=手作りによる自分の好きなもの・好きな世界を伝える冊子、という枠を越えて、主催の豆塚さんの創作文芸の世界での活躍を受けてか、ここ数年は文フリなどの同人誌即売会で活躍されているサークルさんも多く参加されている模様です。

主催のこんぺき出版のお二方、本を手にとってくださったみなさま、現地でお会いできたみなさまほんとうにありがとうございました。
いぜん旅行に行ってすごく楽しかった大分にまた遊びに行くきっかけが出来てとても楽しかったです。


こんぺき出版の豆塚さんにセバさん、お手伝いの大分4Fの皆様にぺぱかんの正岡さん、あまぶんのにゃんしーさんとゆらさん。
頼もしいスタッフ陣に加えて、直近で福岡で開催のAdeに合わせて現地入りされた方、前年までの評判を見聞きして遊びに来た方々など、大分県外からの来場者が別府をおおいに楽しんでいたて、多数のレポートが上がっていたのも今年の特徴だったのかなと思います。
わたしの楽しい旅は#らいinBeppuにてレポートしております。




「さきちゃんとみちちゃんと別府で遊んだんだって。みちちゃん俺のこと愛してるって言ってくれたから『俺も鹿さん面白いから好きだけど周がいちばん好きだからそこんとこよろしくね』って言っておいたよ」
周くん「……」
「周照れてるぅ~」


旅行レポは機会があればまた書きますが、まずはイベントの結果など。



【参加までの経緯】
どうかんがえてもZineじゃないけど創作文芸の人もたくさん参加してるし、参加レポートなどのアフターフォローも含めて丁寧に本を預かってくださるというのをお聞きして興味を持ちました。

かまぶんに遊びに行って、売り手と買い手との1対1の出会いではなく、純粋に並べられた本たちとじっくり向き合って、気になるものを手に取って選んでという形で本を選べること、1日限りではなく、数日間にわたってお店に本を並べてもらえることにすごく魅力を感じたというのもあります。

しかし、どう考えてもBLが売れるわけがない
まぁわたしの本はおもしろいしすごくいい本なので、代行で一冊でも縁があればなぁ。ジェミニはほぼ一般向けの青春小説の部類だと思うので新しい出会いがあるんじゃないかな、くらいのつもりでした。
そんなわけで、一押し本も「ジェミニとほうき星」をセレクト。
ポップに関してはあまり情報量が多くなりすぎても……と思ったので帯値札のみ。(これがよかったのか悪かったのかはよくわからず)



帯値札はデザインもかわいく作り直したし、これ以上ないほどに的確な紹介だと思うのですが。


BLのマンガを出されるという月島あやのさんの発言を機に、「#Zine展inBeppuで読めるBL」のハッシュタグを考案しました。
イベントの事前の盛り上げに少しでも貢献できたのならなぁと思います。



「V6だよ」
周くん「猫とおばけと妖精とうさぎと人間の男の子ってとりあえずバラエティだけは確かだな」




【傾向など】
従来通りのZine=クラフト、雑貨の延長的なアイテムや本屋さんでは買えないひと味違う手製本などがやはり目立っていて手に取られやすいようでした。
そりゃそやな。
手作りアイテムは数を用意できない=ひとめぼれにより即完売 も目立っていましたね。

地方都市・観光地でのイベント=従来通りの同人誌即売会になじみのない人が多いことからぱっとみてとっつきやすいエッセイ、本屋さん感覚で手に取りやすいエンタメ~純文学が比較的でやすいようですね。
そりゃそやな。(二回目)

わたしは青春小説・内面の成長物語としての側面を持っているBL小説がすごく好きなのでそういったものを書いて、そういった作品が好きな人に、(叶うことなら)BLジャンルの垣根を越えて読んでもらえたらと思っていて、創作文芸というジャンルが好きなので文芸のイベントにでています。
カテゴリーエラーは承知の上です。
ライトノベル・ファンタジーは即売会では割と強い印象なのですが、ところ変わればまぁそうなるかという感じ。
全般的にBLとラノベは苦戦したようですね。




うちの本を置いてもらった一角


現地に行くというのは全く動いてないのを目の当たりにするわけで、まったく売れないものの面倒をみてもらうのって正直めちゃくちゃ申し訳なかったのですが、少しは売れたようで安心しました。
訴求の仕方を変えれば……というのではなく、売れないものと割り切って、地方イベントに委託したい際にはより一般文芸よりの本を作った方がいいのかなと思いました。

おもしろいのが、現地でほどけない体温の続編の「春、間近」 ジェミニの続編の「My Shooting Star」が売れてることなんですよね。
通販か代行かほかのイベントかな。間違えてないよね??
続編を読んでくださるというのは本編を読んでくださって気に入ってくださったという証なわけで、これ以上うれしいことがあるだろうか。




特にMy Shooting Starはジェミニとセット買いでしか買ってくれる人がほぼいなかったのが増刷してからちょこちょこ売れました。

・ジェミニを読んでくれた人が彼らのことを気にかけてくれた
・忍と海吏の出会いですよ、と告知していたのが身を結んだ

のかな? いちばん大切なことを余すことなく書けた本なので、読んでもらえるのが実は何よりもいちばんにうれしい本です。


ほんとうにびっくりしてるのはうちのラインナップでは間口が広めのはずのジェミニがまったく売れなかったことです……。
逆に初動でぜんぜん動かなくてそりゃそやな(三回目)と思っていたほどけないは動くようになってきました。

・フォロワーさんじゃない人も忍を知ってくれている。(びみょうな絵で)
・アンソロジーやイベントごとの無配などでまじめな方の(笑)あましのの露出が増えて、わたしの文章を好きになってもらえた

のがきっかけでしょうか。ありがたいことです。
あの、本編まったくほのぼのしてないですけど大丈夫ですか……?
忍に好きって言われる度に信じられなくて不安になるっていう子やで。
(※周くんがデレるのは12万字の11万字目からです)
(※デレてからはよしよしもハグもちゅうもしてくれるよ)




まぁ何にせよ、少しでも興味をもって、読んでみたいと思ってもらえるのはうれしいです。

言うまでもないことですが、わたしは海吏のことも、彼を取り巻く人たちのこともほんとうに大切で大好きです。
いまの自分が周くんと忍を通してみていること、書こうとしていることの原点には海吏が見せてくれた景色があるので、忍を紹介してくれた(笑)海吏には心から感謝しています。


【代行に関して】
代行の利用者は即売会になれた人たち
=テキレボやあまぶんなどの客層とほぼかぶっている
=無配を出せば、いろんな作品に触れてまずは知ってみたい人に出会えるチャンスがある
=既刊はすでにほかのイベントで持っている可能性があり

・すごく大量に無配の注文がくるテキレボ(しょうじきしんどい)
・れぼの感覚で居たらほぼ注文がなくてびっくりしたあまぶん

と、イベントごとにカラーがあるのですが、Zine展のみなさんは割と無配に積極的なようですね。
ちょっきんのテキレボなどでほしい本はあらかた買っている=ここでしか買えない新刊があるとより動きやすいところはあるんだろうなと思います。






無配は出品者の返送の荷物にも入れてもらえると聞いて、新しいものを作る余裕がないけれど気に入っている折り本の「光る音」を送りました。
余ってたから入れとこ、かもしれないけど(笑)代行で注文してもらえたのならうれしい~~。
短歌・俳句と300字ショートでぜんぶ周くんと忍のお話です。
データをBOOTHに置いています





委託の本は直参よりも断然売れないのが常なのですが、実物を手にとってレジに持って行くスタイルゆえ、在庫がどんと山になっていた方が見栄えがするのでたくさん送ってどか積みするほうが手に取られやすいらしく、それはこういった本屋さんスタイルの即売会のあり方なんだろうなと思いました。



【イベントのあり方】
わたしの本は委託では大抵動かなくて、直参のほうがまだ手応えがあります。
イベント委託はほぼ決めうちになるのでそれだけ本自体の訴求力が弱くて、イベント出展の方がまだ、陳列などのお店づくりの面で決めうちの方へのプラスが見込めるからというのがあるのかもしれないです。
実際わたしも見せ方がきれいなブースでは思わず足が止まるので、がんばっていることが身を結ぶのはうれしいです。

わたしは憧れている・好きな書き手さんとお会いできる機会ならお話が出来ればうれしいなと思うし、人に会いたい目的でイベントに行くこともあるくらいですが、本屋さんスタイルで本が選べるイベントにはより純粋な「本」との出会い、書くこと・読むことに集中出来るという利点があるなぁと思います。
「お店やさんごっこ」の楽しさの反面、読んでもらうために「自分でお店を出す」という労力を必要とされることへのしんどさが正直言ってあります。
店主としてお店を出し一日過ごすのと、数日間お店に本だけをおいてもらうのは違う楽しさがあり、その両方をこうして体験させてもらえる機会があるのはとてもありがたいなぁと思うのです。
どれだけ力作でよい本であっても「場にあっている」ことが要で、それ故に手に取られやすさ・にくさが発生することを考えれば参加者全員が手応えを感じられるというのはそりゃあ無理な話ですが、「本の力」を信じてそれを後押ししてくれるイベントがあることを、とてもありがたいなぁと感じています。
・様々なアンソロジーなどの企画(WEB・紙媒体含め)
・自薦/他薦による作品紹介での後押し

など、アカウントに紐づけられた「作者」ではなく「作品」そのものを知ってもらい、本との出会いを後押ししてくれる工夫が様々な企画主さん・イベント主催さんによって整備されているというのはとてもありがたいです。
わたしは一参加者でしかありませんが、楽しい遊び場を提供してくださったことを心から感謝したうえで、「よい参加者」でいられればなぁと思います。





(誰だって多かれ少なかれそうであることは前提の上で)
高梨來には日常生活を送っているわたし個人が息を殺して目をそらしていることを担ってくれている部分が多々あり、高梨と忍と(笑)仲良くしてもらえるのはすごくうれしいしありがたいのですが、なんというか、自分の心を預けるための絶対的な場所としての文章と、それを通して出会える人たちとの出会いと、そこで振る舞える生身の自分のあり方と、なんかそういったことがいろいろぐちゃぐちゃしてて。

すごくうれしいし楽しいし感謝もしてるんだけど、自分の中で気づかずにいられたこと、向き合わないでいられたことに向き合う機会がいくつもあって、それがありがたい反面どこかしら苦しくて仕方がなくて、違和感がどんどん募っていくわけです。
もう10年以上ずっとこうなのであきらめはついていると言えばそうなんですが、たぶんまた何かを乗り越えなきゃいけない段階に来ているんだろうと思います。

いきなりこんな話されても困るよな! ごめんな! わたしもいまめちゃくちゃつらいからな!!!

「高梨來」として小説を書くことを通していろんな人に出会うことが出来て、その中で気づいたとや経験したことがたくさんあります。
「向き合うことの苦しさ」以上に、出会ってもらえたこと、支えてもらえたことのうれしさの方がずっとたくさんあります。
よりよい自分になりたいし、ならなくちゃなと思っています。


うまく小説にできるように頑張りたいです。








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光と影

忍の中でゆらぐ憂いのお話。




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