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調弦、午前三時

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9月の新刊のお話



イベント当日に通販のお知らせように作ったお品書き


文フリ大阪にご参加の皆様、お疲れ様でした。
台風の不安もある中でしたが、半年ぶりの文フリをみなさまが楽しく過ごせたのなら何よりです。
福岡は生憎中止になってしまいましたが、皆さんでしっかり警戒しながら今後のイベントが無事に開催されていくこと、この大変な時期の中で創作の場を維持していけることを祈っております。
とはいえ、わたしは参加出来ないのですが。





新刊はコロナウイルスがこの世に生まれる前から企画していたため、イベントには出られませんでしたが予定通り発行しました。
胸を張って紹介したいほんとうにすてきな本になったのでイベントで直接お渡しできないことがすごく悲しいのですが、精一杯届けられるように頑張っていきたいです。




アンソロジー
「ダレンと5つの心の扉」

印刷所に頼む本では出来ないことをしよう、と手仕事にこだわって作りました。
和綴じ、布張り、箱入り、変形サイズなどこだわる人が多い中、それほど高い技術で作られてるとはいえないのですが、あたたかみのある優しい世界をパッケージそのものから伝えられるようにひとつひとつ心を込めて作りました。
かわいらしくあたたかな世界を本の作りから楽しんでいただけるのでは、と思います。


各作品のご紹介をこちらのまとめでご覧いただけます。



黒い犬

個人誌は「ほどけない体温」から四年ぶりの長編となりました。
物語の構想自体は三年ほど前からあったのですが、タイミングがやっときていまになりました。
この数年で見聞きしたこと、考えたことや感じたことが如実に現れているので、いまこの時だからこそ書けたものだったのだと思います。
形にできたことを誇りに思っています。









表紙のイラストはツネぎくさんにお願いしました。
ツネぎくさんの発行されている新聞形式のフリーペーパーの広告を依頼させて頂いたのをご縁でお知り合いになれたのですが温かみがあってやわらかく洗練されたタッチがとても素敵で、書いている時からツネぎくさんのイラストでのふたりが見えていたのでご依頼を受けていただけてとても嬉しかったです。

線画で二色刷り、主人公ふたりの姿をとご依頼して、構図などはツネぎくさんが本文を読んでいただいた上で提案してくださいました。
境遇も年齢もそれぞれに違う男の子が窓の外を眺めていて、表紙の少年の背後には痩せた大きな黒い犬が彼を見つめている。
この一枚の中にぎゅっと物語が詰まっていて、切なさと寂しさ、優しさが胸に迫るような素晴らしい装画をいただきました。
多少のセンシティブな内容を含んでいて、その点も含めて人を選ぶというか、読んでくださる人はもしかしたらすごく辛くなるかもしれない(書いているわたしも辛いし腹立つしで時にキレ散らかし、時に泣きながら書いていました…)お話なのですが、寂しさや痛みにそっと寄り添ってくれるような、物語を世界を体現するかのようなイラストでほんとうにうれしいです。
ぜひお話を読んでいただいた上で、込められたものを受け取ってもらえれば嬉しいです。

イベントに参加出来なければ見本誌コーナーで本を読んでいただくことも出来ないため、お話はひとまず全文をWebで公開しています。 
めっちゃ長いしわたしにはウェブ小説が向いていないのできっとすごく読みづらいと思うんですが……読んでいただけると嬉しいです。




書籍版にだけ、語り手である「彼」からのメッセージを載せています。

前回も少しお伝えした通り、こちらの作品の中で主人公が大切な友達に贈るために書いた物語が「ダレンと5つの心の扉」です。
言葉を話し、人々の心に寄り添う「ダレン」の物語が生み出されるまでのきっかけや、そこに込められた想い、大切な人の人生を肯定するため、傷ついた心を救うための物語が生まれ、立ち止まらざるを得なかった人がもう一度歩き出していくまでのお話を書きました。
言葉や想いを運ぶこと、伝えていくことに込めた願いや祈りについておやすみ〜small town〜とずっと考え続けて形にしてきたことを集大成として送り出せたのではと思っています。

詳しくは後書きに書きましたが、わたしがほんとうに読んでもらいたい人、心からありがとうを伝えたい人にはもうきっと読んでもらえなければその人たちとは二度と出会うこともできないし、わたしの言葉は永遠に届かないことを知っています。
そのことを思うほどにとても悲しくなるのですが、このどうしようもない悲しさを知ることが出来たこと、いまの自分になれたこと、こうして書きたいことを書けるようになったこと、「いまのわたし」を大切にしてくれる人がいること、それらすべてのきっかけをくれたのが「もう会えない大切な人たちの存在」にあること、そのすべてがかけがえのない宝物で、意味のあることなのだとそう信じています。

ほんとうに心から作りたい、送り出したいと思ったものをたくさんの方の力を借りて形にすることができました。
とても幸せなことだと思っています。

今後の予定などはまったく立っておらず、直接お手にとっていただけるチャンスは残念ながらないのですが、既刊を含めたすべての作品はBOOTHで通販をお受けしております。
送料などは頂いてしまいますが、よろしければご利用いただけると嬉しいです。
すこしお得なセット品などもご用意しております。

BOOTHでは匿名配送を利用しておりますが、相互フォロワーさんなど面識のある方でしたら直接お取引でもお送りさせていただくことが可能です。
フォロワーさんにはお手紙などをおつけしたいので何かしらで名乗っていただけると嬉しいです。

ここまで読んでくださってありがとうございました。
ままならない状況は続きますが、形にしたい物がある限り、続けていければ、送り届けるための努力を絶やさずにいたい、と心から思っています。


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