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調弦、午前三時

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ひどくありふれた誓いの言葉を手渡す日(あましの)



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 ――「電車乗ったからあと15分くらいで着く。遅くなってごめんな」
 すぐさま送信ボタンを押そうとしたところで、ふいに手を止めて続く文言を書き足す。
 ――「話あるから、起きて待っててほしい」
 すっかり慣れたもんだけど、メールって本当に便利だ。文字だけでなら、こんな些細な一言を打ち込むだけでみっともなく指が震えてるだなんてことがちっともばれないんだから。
 ドアのすぐ側にもたれ掛かったまま、すっかり見慣れてしまった車窓からの景色と手元のスマホの画面を交互にぼんやりと眺めていれば、ちらちらと輝く画面は新しいメッセージの到着を教えてくれる。

 ――「お疲れさま、楽しかった? まだ起きてるからだいじょぶだよ、待ってるね」
 吹き出しに載せたメッセージに続いて届けられる、ハートマークをめいっぱいに飛ばすうさぎのスタンプに、こわばっていた心はたちまちにゆるむ。
 ごめんな、ほんとに。ありがと。心の中でだけそっとそう呟きながら、ポケットに押し込むようにとスマホをしまいながら、画面上を流れる広告をぼんやりと眺める。
 伝えないと、きょうこそちゃんと――ずうっと逃げ続けてきた答えに、いまならようやく向き合える気がしているから。


「ただいま、遅くなってごめんな」
「周おかえりなさい、お疲れさま。楽しかった?」
 玄関のロック解除の音を合図にするようにぱたぱたと忙しない足音を立てての〝お迎え〟に、わずかに強ばっていた心と身体はたちまちにゆるむ。
 律儀だよなほんとうに、もう何年もこうやって一緒に暮らしてるのに一度も欠かしたことがないんだから。。
「お風呂わいてるよ、結構前に入ったから追い炊きしたほうがいいかも」
 答えながらこちらの荷物を持とうとするのを制して、いつものように乱暴に引き抜くみたいに革靴を脱ぎ、洗い晒しの髪にそっと手を伸ばしてくしゃくしゃにかき回せば、子どもみたいに無防備な笑顔はありのままにそれを受け入れてくれる。
「……ありがと。悪いんだけどさ、ちょっと話したいことあるから先でいい?」
「あぁ、うん――周さ、のど渇いてない? お茶とか淹れておこうか? 荷物置いてくるよね」
「ん、頼んだ」
 途端にかすな翳りを帯びるまなざしに、息が詰まるような心地を味わう。ごめんなほんとに、でも――かすかに唇を噛みしめながら、しずかに息をのむ。


 いつものようにソファの片側どうしを埋めるようにそっと腰を下ろせば、どこか不安げなまなざしがちらちらとこちらを捉える。
「きょうさ、春馬くんとご飯だったんでしょ。楽しかった?」
 やわらかに細められた瞼の奥で、憂いを帯びた光が揺らぐ。
「楽しかったよ、元気そうだった。まぁいろいろ大変みたいだけどさ――それはいいんだけどさ、また後で話していい?」
 こわごわと切り出すようにすれば、視界の端に捉えた姿はかすかにこわばる。
 そうだよな、わかるよ。心の中でだけぽつりと力なく口にすれば、かすかな曇りがまたたくまに胸の内を覆いつくす。
 いびつに震える指先を握り込むようにしながら、それでも――精一杯に平静を装うように話を切り出す。
「あのさ――ずっと考えてたことがあって。先延ばしにしてて申し訳なかったって思ってる、ほんとうに。でもほんとうにもう後悔したくないから。なんでいまっておまえは思うかもしんないけど、でも」
 ぐっと深く息をのみ、まっすぐに傍らの相手を見つめながらおそるおそると切り出す。
「おまえさ――むかしっからよく言ってくれたじゃん。俺のこと、家族だって」
「……うん」
 こちらを見据えるまなざしは、言葉に呼応するかのようにびくりとわずかに震える。
「俺はさ、うれしかったよ。ちゃんと言えば良かったって思った、ありがとうって。いっつもそうなんだよな、おまえが当たり前みたいに言ってくれることがみんな、俺には当たり前じゃなくって――そのことにどんだけ救われてたのかなんて、わかってんのにろくにありがとうも言えなくて。ばかだよな、ほんとうに。そのばかとつきあってるおまえってなんなんだよって何度だって思ったよ。でも俺は本当にばかだからさ、おまえのこと手放すなんて考えらんなかった」
「あまね……、」
 震えた指先を握り込むようにしながら、ゆっくりと噛みしめるように続く言葉を紡ぎ出していく。
「ほんとさ、ずっと考えてたよ。おまえが言ってくれたことがほんとならいいのになって。俺の家族はおまえだけでいいって何度も思った。でもさ、そんなわけにいかないじゃん? ずっと前からほんとはわかってたんだよ、俺たちふたりだけで生きてけるわけじゃないってことくらい。思い上がってたんだよな、要するに。そうやって都合が悪いことから逃げてればどうにかなるって思ってた。大事に出来なかった。気がついたらさ、もうこんなで――先のことなんてわかんないけど、少なくともいまはもうダメなんだろうなってことだけはわかってて。それでやっと決心がついたんだから、自分でもばかだよなって思うんだけどさ」
 揺らぐ瞳をまっすぐに見つめながら、静かに言葉を手渡す。
「長いこと待たせて本当にごめん――忍、俺と結婚してほしい」
 解き放つ言葉はみっともないほどに震えていて、思わず苦笑いのひとつでもこぼしたくなる。でもそんなことが、どれだけ不躾なのかなんてことくらいこんな馬鹿でもわかる、ちゃんと。
 ぶざまなまでに震えた掌でこわごわとあたたかな指先に手を伸ばせば、忍のそれもまた、こちらとおなじように震えていることに気づく。
「周、それさ――」
 戸惑いを隠せないようすのあやふやに揺れるまなざしを見つめながら、ぽつりと静かに答える。
「嘘とか冗談とかじゃないから……もっとムードとか出して言えよって思ったよな。ごめんな」
「ないよそんな……、なんで」
 いままで何度も目にしてきた、いまにも泣き出しそうな顔をぐしゃぐしゃに歪めながら、いびつにほつれた言葉が届けられる。
「周から連絡あってからさ――ずっと覚悟してたんだけど。言われんだろなって思ったから、別れようって。このまま一緒にいてもどうせ未来とか何にもないからって。いくら俺がいいって言ってもさ、周は優しいから、絶対そゆこと言うんだろなって。だからさ――何言うかだってぜんぶ考えてたんだよ? すっ飛んじゃったじゃんぜんぶ、周のせいなんだけど」
「もういいだろ、言う必要なくなったんだし」
「けどさぁ」
 訴えかけるようなまなざしとともに手渡される言葉に、息苦しいほどのあたたかさがぐんぐんせり上がる。
 いっつもそうだ、こんな顔させたいわけなんかじゃないのに――必死にこちらに立ち向かおうとしてくれる時の、この瞳の色に宿る焼け付くようなあざやかな色にどれだけ心を焦がされてきたのだろう。
 すっかり手になじんでしまったやわらかな癖毛の髪をくしゃくしゃにかき回しながら、ぐずぐずにもつれた言葉を必死に紡ぐ。
「なんにも変わんないよな、どうせ。いまのままじゃさ。でもさ、このまんまにしたくないんだよ。俺もまだちゃんと調べ切れてないんだけど――なんかさ、使える制度みたいなのがないのかってやつはこれから調べよ? いまはまだお互い元気だけどさ、これから先何十年も一緒にいればどうなるのかってわかんないじゃん。俺はまだどうするか決めらんないけど、おまえが言いたいんなら周りの人とか会社とかに言ってもいいよ。当たり前だろ、そんなの。ただ、ひとまず最低限のけじめでおまえの家族にはちゃんと挨拶したい。長いこと嘘ついててごめんなさい、一緒に幸せになりたいんです、俺みたいなやつでもよければ忍と家族になってもいいですか? って」
「あまね……、」
 うつむいたまま、不器用に言葉を探すそぶりにざわりと胸の奥から沸き立つようにいくつもの感情がたちのぼる。
 言葉通りに受け止めてくれるのかなんてわからない、それでも――いま伝えなければ、きっと一生後悔することになるのは目に見えていたから。
「知ってると思うけど――おまえが思ってるよりもきっと、おまえのことずっと好きだよ。おまえのこと、いまのおまえにしてくれたおまえの家族のことだって会ったことなくたってずっと好きだったから――おまえが俺なんかじゃはずかしいとかやだとか、そういうんじゃなかったらちゃんと挨拶させてほしい。ずっとどうしたいのかなんてわかんなかったけど、いまんなってやっとわかった。遅すぎるよな、ばかだからさ」
「……周はさぁ」
 いまにも泣き出しそうな、それなのに――ひどく強気にこちらをにらみつけるようにしながら、ぐずぐずにほつれた言葉を吐き出すように忍は答える。
「そやってさ、自分のことばかだって責めてればいいって思ってない? 周のそういうなんでもひとりで考えてひとりで背負おうとしてさぁ――そやって結局俺のこと置き去りにしようとするとこ、ほんとにすっごい嫌いなんだけど……ずっとそうだよ、もう何度も怒ってんのになおんないじゃん? じゃあなんでそんなばかとずっと一緒にいると思う? 俺だっておんなじだけか、それ以上にばかだからだよ! もうばかみたいに周がずっと好きだからさ――どうしてくれんの、周のことどんどん好きになんだけど」
 差し伸ばした指先の上を、こらえきれずにあふれ出したうんと熱い滴がしずかにつたう。
「ごめんな、ほんとうに」
 いまさらこんなこと言ったって仕方ないことくらいわかっている、それでも。
「……いいけど、ゆるさないから」
 とめどなく滴をしたたらせる潤ませた瞳で、それでも――すこしもひるむことなどないようすでじいっとこちらをにらみつけるようにしながら、突き刺すように力強い言葉が向けられる。
「ゆるさないからね、いまさら。これから先だってずうっとゆるさない。周が変わるっ言ってくれたってゆるさない。いままでのぶん、ちゃんとぜんぶ責任とってもらうから」
「いいよ、それで」
 取り返しのつかないことばかりを繰り返して、その度に逃げ出したくなったおろかな自分のことを何度もつなぎ止めてくれたのは忍だから。
 ごくり、とちいさく息をのみ、挑むような心地で答える。
「一生かけて謝るよ、おまえに。ちゃんとがんばるから、これ以上おまえに愛想尽かされないように。だからちゃんと見ててほしい、これからもずっと。おまえはいい? それでも」
「……断るわけないじゃん」
 もどかしげに震えた言葉を投げかける瞳をじいっと見つめながら、ちいさく頷くことで答えてみせる。
 きっとこれでいい――これがいい。いくつもの無様な回り道の末に見つけた、何よりも大切なかけがえのない答えがここにあった。
「忍、」
 確かめるように精一杯に優しく名前を呼べば、形の良い頭がこくんと静かに揺れる。やわらかなその肯定の合図に導かれるままにそっと頭をかき抱くように抱き寄せて、目尻や頬をつたう涙の滴を舐めとるようにそっと舌を這わせて口づける。
 しょっぱくて、それにあたたかい――生きているものだけがもつ感触に、心の奥が静かに震える。
「ごめんな……ほんとに、ありがとう」
 滲んだ睫毛に指先で触れながらぽつりとささやき声を落とせば、いまだにびっしりと潤んだままの瞳はこちらをきつくにらみつけるようにしたまま、やわらかな問いかけを投げかける。
「あのさ、周――もしかしてだけどさ、指輪とかってもう買ってあんの?」
「……いや、買ってないけど」
 用意が悪い、とでもなじるつもりだろうか。どことなく弱気になりながら続く言葉を紡ぐ。
「なんか勝手に先走ってるみたいであれじゃんって思って」
「……周らしいよね」
 くすくす笑いながら、差し伸ばされた指先がそっとこちらの左手首を捉えるようにぎゅっとつかむ。
「よかった、じゃあ一緒に買いに行こうよ。せっかくならちゃんとふたりで選びたいしさ。周の分は俺が出すのでいいよね? 俺たち結婚するんで、その記念に指輪が作りたいんですって言ってさ。もう遅いからさ、調べんのとかは明日とかでいいよね――いっしょにえらぼ? 大事なもんだもんね」
「そうだな……」
 これからも共に生きていく――そのことを心に刻むための大切な証なのだから。
「じゃあ指輪はそれでいいけど――おまえはさ、ほかになんかしたいことある? なんでも言っていいよ」
「んんー……」
 すこしだけ考え込むようなそぶりを見せたのち、周の大好きなあの得意げな笑顔とともに、きっぱりと明るい言葉が届けられる。
「記者会見したい、金屏風の前で指輪きらーんって見せてさ、いっぱいシャッター焚かれて。いっぱい質問されてもはずかしがんないでちゃんとぜんぶ答えてね? 新婚旅行はどこに行くんですかーとか、普段はなんて呼んでるんですかーとかそゆの」
「誰も来ないだろ、そんなの」
「りょうちゃんに言えばなんかしてくれるかもしんないじゃん」
「あいつのことなんだと思ってんだよ」
「してくれそうでしょ、謎に人脈広いしさ」
「物には限度ってもんがあんだろ」
 くすくす笑い合いながら、指と指とをきつく絡め合う。
「ねえ、周はあるの? したいこと」
 まっすぐにこちらを見据えるようにしながら投げかけられる言葉を前に、どこか緊張を隠せない面もちで答える。
「あぁ――それなんだけど」
 ぱちぱち、とゆっくりのまばたきをこぼす瞳をじいっと見つめながら、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「……写真撮ってもらいたい、おまえと。格好とかもちゃんとしてもらって。おまえがしたいって言うんならちゃんと誰かに集まってもらってもいいけど――ひとまずはおまえとふたりだけがいい。ほかのやつに見せびらかしたくないから」
「あまね……」
 潤んだ瞳をふちどる長い睫毛が、戸惑いを隠せないようすでやわらかに震える。
「周はさぁ」
 汗ばんだ指と指をゆっくりと絡ませるようにしながら、ぽつりと滴が落とされるような穏やかな響きで忍は答える。
「……もうさ、どんだけ俺のこと好きなの?」
「思い知らせてやるよ、これからも一生かけて」
 精一杯に強気な口ぶりで答えれば、極限まで張りつめたものがせり上がってあふれ出すかのように、瞼のふちがわずかに熱くなる。
「ありがとう、ほんとに。ありがとう――好きだよ」
 忍に出会えたからいまの自分になれた。こんなちっぽけでどうしようもない人生の中でもただひとつ誇りに思えることがきっとそれだから。
「ありがとう……」
 鼓膜をつたい、心臓まで一気に到達するような震えた声に息苦しいほどのいとおしさが募る。
 幾度となくどうしようもなく傷つけて、背負う必要なんてすこしもないはずのものをいくつも負わせて、それでも――手を離すことなんてどうしても出来なかった。それでも構わないと何度もそう伝えてくれたどうしようもなく愚かなこの男を、いつの間にか誰よりも愛してしまっていたから。

「一緒に生きていこうな、これからも」
「ん、」
「おまえのこと好きでいていいんだよな?」
「あたりまえじゃん、そんなの」

 もつれた言葉を手渡し合いながら、何度も繰り返し頷きあう。
 いつかほんとうの家族になろう――生きているうちに叶うはずだと信じて。そのために出来ることが、自分たちにもきっとあるはずだと忘れずに。
 言葉に出来ない思いを飲み込みながら、ひとまずはふたりだけのちいさな世界でのかけがえのない約束を誓い合う。





 数年前から、SNSでフォローしている男の子のアカウントがある。
 年齢はたぶん私と同じ。住んでいるのはどうやら都内。見に行った映画や美術展の話に、おしゃれなカフェの写真。お気に入りの靴や服を自慢する写真。時折アップされるファッション雑誌も顔負けのおしゃれなポートレート写真はいつも後ろ姿だったり、顔が見切れていたり、逆光でよく見えなくなっていたりするから、彼がどんな顔なのかはもう何年もフォローしているけれど知らない。
 私が知っているのは、いかにも丁寧に手入れがほどこされていそうな指先や、軽やかに毛先を遊ばせた綺麗なまあるい形の後ろ頭くらいだ。

 ただ一方的に見て居られればそれでいい、言葉を交わしたいだとか、すこしでも近づきたいだなんて感情は微塵もない。おそらく六・七年あまりになるフォロー・フォロワーの関係の中で、彼と言葉を交わしたことは一度もない。
 私はただ、声なんて一度も聞いたことがないはずなのに自然と軽やかなおしゃべりが聞こえてくるような彼の綴る文章と、そこに添えられた真四角な画面に色鮮やかに切り取られた日常――おしゃれな洋服や靴、陽の光に照らし出されたロングシャツの裾をたなびかせた立ち姿、食卓に並んだふたりぶんの美味しそうなごはんの写真たち――にただ黙ってハートを押すだけだ。

 ――「いろいろ予定が合わなくって一週間ぶりに一緒にゆっくりごはん食べれてすごい嬉しかった。でも張り切っちゃったみたいで、勢いで野菜切りすぎちゃった。まー明日も明後日も一緒に食べたらいーよね。
 #おつかれさま
 #この後いっしょにピクルスとニンジンサラダ作った
 #うちのはレーズンとくるみも入れるよ」

 彼の食卓の向かい側にいるのがどんな人なのかは、もう何年もフォローしていてもすこしもわからない。
 ただわかることは、その人がどれだけ彼にとって大切なかけがえのない相手なのか、だなんてことだけだ。



 その日もいつものように、ぼんやりとSNSの画面を眺めていた時のことだった。

 ――「結婚しました。」

 たった一言の簡潔な報告に添えられた写真は、ふたりぶんのタキシードとドレスシューズを身に纏った足元を映し出した姿――スクロールをしてめくったその先には、細やかな装飾の施された華奢な銀色のリングを嵌めた彼の掌の上へと、寄り添うように重ね合わされた掌が映し出されている。

 ああ、そうだったんだ。
 顔も知らない、名前もわからない、すれ違ったってきっと彼だなんてわからなければ、言葉を交わしたことだって一度もない。それでも――彼の見せてくれる日常が、そこにいつもいる大切な人のことが、私はこんなにも愛おしかったのだと、いまさらのように気づかされるような気持ちになる。
 いつものようにハートのボタンを押したのち、かすかに震えた指先でおそるおそると初めてのメッセージを打ち込む。
 拙くたっていい、ありふれていたっていい――ただあなたが教えてくれる日々の断片を心待ちに見ていた人がここにもいると、そう伝えたいだけだから。

 ――「ご結婚おめでとうございます、私もこうしてお祝いに参加させてもらえたようですごく嬉しいです。おふたりがいままで以上にたくさんの幸せな時間を積み重ねていけることを心からお祈りしています。どうかお幸せに。」





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