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調弦、午前三時

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春、間近

商業作家さんの番外編同人誌ならともかく、母数がまったく違う自作同人誌の番外編を延々書いてるのは究極の内輪受けにすぎないので本当にどうなんだろうと思いつつ、キャラクターは一人歩きしていろんな景色を見せてくれて、一冊分のスタートラインを経た末に彼らが連れてきてくれる物語に書いているわたし自身が何より元気づけられるような気がするので延々と書いています。ポメラは友達で何よりものおもちゃです。

そんなわけで、「ほどけない体温」の続編を書きました。





(久しぶりに見返してたらほんとうに300頁あるし背は太いし、正気かよって思いました。笑)


こちらに関しては前作の「ジェミニとほうき星」を書いて、そのまた続編を書いてからまた書きたくなって……という感じの流れで書いたお話で、登場人物も一部で繋がっています。
あまぶんでは宝物のようなレビューをいただきました、本当にありがとうございます。

12万字かけて盛大にデレたあとの周くんはと言えば、相変わらずのままいっしょにご飯を食べたり深夜にアイスクリームを買いに行ったり寄り添いあって眠ったりずっと自分を追い込んでいた過去を打ち明けたり大切な相手と生きていくことにどうしようもなく不安になったり(ついでに着衣水泳したり。笑)
と、不確かな思いを繋ぎ合わせるようにしながら、忍とふたりで生きています。

日々の中からひとつひとつ浮かんでくることを思うまま書いているうち、腰を据えて書きたいことが見つかったので、また新しく一冊書きました。
コピー本でいいやと思っていたらページ数がホチキスで止められない量に増えてしまい、文庫本にしました。よければ前作と並べていただけるとうれしいなと思います。
いつも短いお話ばかり書いていましたが、やっぱり長いお話を書くほうが断然楽しいな、と書いていて思いました。





少しだけ、内容の紹介。


 






ふたりでいること選んだ彼らの、日々の暮らしを切り取った二編です。

「おかえりなさい」
本編で省略した忍の里帰りと、その後の帰省による再会。
ふたりにとっての家族のあり方のお話。

「春、間近」
忍の院への進学、周くんの就職。新しい生活に向けて、ふたりの日々はやや慌ただしく回り始める。
大切な相手と生きていくことを選ぶことには、胸の詰まるような幸福とどうしようもない不安の両方があり、それらに向き合うこと・守ることについてのお話。


最後の恋と、はじめての恋」・「星を繋ぐ」あたりにテーマは繋がっています。

4万字書いたら2万字くらいえろなんではという感じで、欲望に正直というか。笑
ツイッターでもちらっと言ってたんですが、このふたりの関係は「愛すること・欲すること」が軸にあるのでそこは避けて通れないというか、なんというか。
性癖がいろいろひどいので、大丈夫そうか着衣水泳あたりで試し読みしてもらえると安心かもしれません。


「ジェミニとほうき星」は幾重にも枝分かれした愛情のひとつにひとつに向き合って折り合いをつけていくお話で、いわゆる一本道の恋人と結ばれることがゴールのお話ではないと思っています。
(しいていえばボーイズラブ要素を含む青春小説で、でも文体は完全にボーイズラブのそれというどっちつかずの話なので正直言って不安はありました)
(それ故に、読んでくださった方にあたたかく受け止めていただけてほんとうにうれしかったです)
その点だけで言うと「ほどけない体温」は一本道で大切なたったひとりの相手への気持ちを選びとっていくお話なので、よりボーイズラブらしいボーイズラブかな、とは思います。

文学やエンタメを求めている方が圧倒的に多い文芸イベントに出展してああいう話を読んでもらうのが正直言って難しいことは自覚しているのですが、自分が一番書きたいことを本にして、自分のいたい場所で発表しました。
読んでくださった方に本当に気持ちのこもった言葉をたくさんいただけたことは、心からの自信にも繋がりました。

彼らとともに前に進むために、いまどうしても書きたかった大切なことを書きました。
「大切なこと」をいくつも連れてきてくれる存在に出会えたことを、彼らにたくさんの元気をもらいながらいまこうしていられることを、とても幸福に思います。
読んでいただけるととてもうれしいです。

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