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調弦、午前三時

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11月の雨の日

3年ぶりに印刷所に頼んでの新刊を作りました。

コピー本はちまちまと作っていたのですが、印刷所に入稿して本を作ったのは「黒い犬」以来になります。
いろいろとブランクが空きすぎたこともあってか、制作過程ではあらゆるトラブルの連続で、ものすごく余裕をもって制作にとりかかること、出来ることなら試し刷りを行ってから本番の入稿をすべきだな、というのを痛感しました。睡眠時間を削らなければ期日に間に合わないけれど、そんなことを常態的に行っていたら社会生活に支障をきたしてしまう……あまりに同人誌を作ることから離れていたらからこそ、あらためて趣味と健康的な生活とのバランスを取ることの大切さをいまさらになって痛感した次第です。

そんな余談はさておいて、肝心の本の内容です。





タイトル:「11月の雨の日」
(はっぴぃえんどのゆでめんの収録曲からタイトルを取りました。わたしの短歌ってだいたいこんな心象風景ばっかりだよな、と思ったことがその理由です)
表紙:キュリアスパールIRにフルカラー/本文モノクロ90ページ
イベント頒布価格:700円
※大変申し訳ございません、データ差し替えミスが一部あります。修正紙の挟み込みとシール貼り付けでの対応とさせていただいております。





2022年11月の約一ヶ月間、なぜか毎日のように短歌を量産していた時期があり、その時に詠んだ短歌と、あとから振り返ってその日にどんなことがあったのか、なにを感じたのかなどを書いた日記を一冊にまとめました。
「うた」のリズムに連れるようにして思いついたそのままを突発的に詠んでいるので、手癖がありありと現れていて気恥ずかしくもありますが、そこもまたわたしの作風であり、「2022年の11月の一個人の現状」なのだと思ってもらえればな、と思います。




収録している短歌の一部。1日分まとめての短歌→その日の日記、という形式になっています。




日記パートは近くに買い物に行った、まんがを読んだ、イベントに出たい、きすとひよが好き(笑)(ほんとうに書いているから!笑)などなどのとりとめもないことから、あまりおおっぴらに話しづらいことまで(政治や社会に対する意見、毒吐きなどはあんまりなく、以前にも書いたことがある昔の好きだった人の話などです。)「その日に感じたこと」として必要不可欠だったことを書きました。
軽快な明るい語り口の文章を書くことがあまり得意ではないし、そもそもこの一ヶ月の間、どうしようもない不安と息苦しさと焦燥感に駆られていた(ことをきっかけになぜか口をついてはうたがあふれ出ていた)のは隠しようもない事実なので、一個人のコロナ禍二年目のある一定の期間の感情を切り取った作品として楽しんでいただくことが出来ればな、と思います。






短歌とエッセイページそれぞれのサンプル




作っている間、ずうっとこの心境だった。笑

たぶんわたしのことをまったく知らずにこの作品集だけを手にとってくださった方は書いてる人間がこんなちゃらんぽらんな人間だと思わないとおもう。笑
作品とは人間のあらゆる一面にさまざまな角度からスポットライトを当てて出力したものであることにご理解をいただければと思います。


直近での自身のイベント参加・委託などの予定はありません。(今年の文フリ大阪も募集を開始していますが、残念ながらまだ参加は出来ないだろうな……と思っています)
本の頒布は3月12日に京都市中京区のCafe Yokosoさまにて開催予定の第七回そこの路地入ったとこ文庫さまに委託をお願いしております。
→イベント公式サイト

京都は烏丸御池のアットホームな雰囲気のカフェで開催される委託オンリーの同人イベントで、直接来場して本を見るのはもちろん、通販にもご対応してくださいます。遠方の方などもご利用いただけましたらうれしいです。
発行はごく少部数、そこ路地さん後にはどこかの委託イベントなどに参加させていただこうかな、と思っています。自家通販を行うかは未定です。ご希望の方がもしいらっしゃいましたらTwitterのDMなどからお問い合わせいただけましたら幸いです。


コロナ禍が始まってからのこの三年間、ありとあらゆる状況の変化が起こり、目を覆いたくなるような不安や息苦しさ、悲しみにおそわれることの連続で、正直にいって、一向に心が落ち着くことがありません。
物語を書くこと、自分の人生とは違う時間軸を生きることがどれだけ大切でかけがえのないことだったのか、それをやすやすと叶えられたのはイベントという非日常の時間と場所に容易にアクセスすることが出来たのはもちろん、『どうにか』やり過ごしながら生きていける日常があったからにほからないのだな、ということを改めて痛感しています。
何度も無力感と焦燥感におそわれ、それでも、『表現』を、それが誰かに受け取ってもらえることを諦めたくないと模索し続けた三年間だったな、と思います。
あまり自分のことを話すのは得意ではないけれど、見過ごしたくないたくさんの感情について話せる機会があればいいのに、というのはいつも考えていたように思います。
このブログはあまりそういった場に向いているとは思えないし、一応カクヨムにエッセイをおいてはいますが、あそこがあればいいという訳ではないな……というのを、今回の本を作ったことで感じました。
(少し前に近況を更新しました、ずぅっとまともに聴く気になれなかった音楽がやっと聴けるようになったという話です。もしご興味を持っていただけましたらどうぞ)
先のことはまだわかりませんが、いまこうして考えていること、感じたこと、きちんと話したいことが自分の中にまだまだたくさんあるので、自分なりにそれらに向き合う時間を作ってまとまった文章を書きたい、それを本にしてみたらどうだろうな、というのをこのところは考え始めています。




(大半の人にあきれられている気がするのですが、突然わけのわからない絵日記を書き始めたのも、ささやかな嬉しいことから、寂しいこと悲しいことやりきれないことまで、自分ひとりではおおよそ抱えきれないことがたくさんあるけれど人に会って話せる機会がめったになくてすごく寂しいから、なにかしらコミカルな形に昇華して発散したい願望の現れなのだと思います)
(小説にも絵日記にもツイートにも書けずにいる、ただ悲しいこと、目を逸らせない様々なことについて打ち明けられる場所を求めた末に短歌と日記にたどり着いたのだろうと思っています)


こうして新しい本を作りたいと思えたのも、ひとえにわたしの拙い言葉をそれでも「聞きたい」と耳を傾けてくださる方がいたからこそにほかなりません。
イベントという発表の場をくださった主催者のみなさまにはもちろん、拙い言葉に耳を傾けてくださるすべてのみなさまに心から感謝しています。
素敵な『場』に参加させていただける喜びと共に、この素敵な機会をきっかけになにかしら楽しんでいただける方に作品を届けらればいいな、と思っております。どうぞよろしくお願い致します。


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