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調弦、午前三時

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2019年を振り返る



「こんにちは、忍だよ。今年もお友だちとのクリスマス会を描きました」

周くん「みんな仲良くしてくれてよかったな」

忍は「ほどけない体温」に登場するキャラクターでなぜか絵を描いてくれます。
周くんは保護者(彼氏)です。

こちらは創作TALK2019-20に参加しています。
文字数や部数に関する話題、タスク管理などの役に立つノウハウなどは一切なく、小説を書いてイベントに出ていた人間が一年をぼんやりだらっと振り返りながら一人語りをするだけの記事です。
すごく長いのでお茶でも用意してから気が向いたら読んでください。笑


【タグから来た人向けにひとまず自己紹介】



「自己紹介だよ」
周くん「初めてこのブログに来た人の困惑してる顔が見えるんですけど、こういうスタイルで行くらしいので申し訳ないんですけど諦めてください」

高梨來は2014年から文学フリマに出展するようになり、現在は文芸系同人誌即売会をメインに創作活動を行っています。
趣味は音楽を聴くこと、ライブに行くこと、本を読むこと、美術館めぐり、旅行、洋服です。
大切な人とともに生きていくことの苦しさと愛おしさ、愛と優しさが守られていますように、と願いと祈りを込めたお話を書いています。
また、自己流で短歌もぽつぽつと詠んでいたりします。

参考までに、2017年2018年はこのように思っていたようです。


【ここから本題】
一年が終わる頃には「今年もあっという間だったね〜」なんていうのが決まり文句だと思いますが、ほんとうにびっくりするほど色んなことがあって心底楽しかったのであっという間だなんてことは全くない一年でした。
あれもこれも今年だったなんて信じられなくてびっくりするし、ほんとうにびっくりするほど楽しくてすてきなことをたくさん経験できて、その結果いまが人生でいちばん楽しいです。
去年の秋にものすごく悲しくて腹立たしいことがあって心底傷ついていたし怒ってもいたのに、いまはずっと誇らしい気持ちでいられて、人は一年でこんなにも変わることが出来るんだな、というのをしみじみ思いながら2019年の終わりを過ごしています。
(ここでは詳細は書けませんが、しょうじきその件については一生怒っていると思います)
(怒りも悲しみも胸に抱いたまま、なかったことになんか出来なくても人は生きていけるのだと噛みしめながら暮らしています)

プライベートではあまり体調が良くなかったのでそこがすこし辛かったですね……。
とはいえ、大きな怪我や病気に見舞われなかったのは救いではありますが。


【ぼくと洋服と2019年】
今年は去年に増して好きな服を着てあちこち楽しい場所にお出かけを楽しむことが出来た年になりました。

どうでもいい経緯をここで説明させてもらうのですが

昔から洋服や雑貨が大好きでゴスロリ全盛期を過ごしてきたけれどオリーブ少女だったのでむしろそちらの文化とは対極にいた。
時々洋服を褒められた。

気がついたらよく通っていたお店はほぼ全部なくなっていた

二年くらい前に偶然好きな服屋さんが出来たのと同時期に雑貨のイベントに行ってみることにする。(時はハンドメイド大ブーム時代到来)

えっ、前から知ってたけどロリィタめちゃくちゃかわいいな!?(ぼんやりと好きでロリィタさんのブログやインディーズブランドのサイトなどを一時期よく見ていました)

興味の範囲がぐっと広がり、ゴスロリ系のお店に恐る恐る足を踏み入れる。

文芸以外でもさまざまな作家活動をしている人たちがいる事を知ったことで行動範囲がぐっと広がる

刺激を得たのでめいっぱいおしゃれをしていろんなところに遊びに行くようになる

みんな優しいからほうぼうでお会いした方にお洋服かわいいねって言ってもらえてニコニコしてしまう

文フリで知り合った方にかわいいものが好きなおしゃれさんがたくさんいらして、イベント以外の日にお買い物に行ったりお茶をしてもらったりするようになる

最高に人生が楽しい


わたしはロリィタではありませんが(見ているのは好きだけど似合わない)ロリィタファッションの界隈におられる方が作られるキュートできらきらしたものが大好きなので、そういった方の集まる場で非日常の特別なおしゃれを楽しんでいらっしゃる方にたくさん出会えたり、特別なかわいくて素敵なものに刺激を受けられたのも凄く楽しかったです。
「自分には届かない憧れのかわいい世界」にすこしだけ足を踏み入れられたことはすごく大きかったし、「好きなもの」を新しくどんどん見つけられたことにより、「好き」が自分の世界をぐっと広げてくれたように感じました。
文芸界隈に「ロリィタファッションやロマンチックなものが好きだけれど本格的には挑戦出来ない/以前は着ていたけれどやめてしまった」という方がちらほらいらして、「かわいい」を楽しんでいていいね、自分も色々な理由から断念したロマンチックなかわいい服をまた着てみたくなった、と言ってもらえたものもうれしかったです。

思い出深い出来事としては、好きな作家さんのサイン会に行った時にキャラクターのイメージしたお洋服を着て行ったら自己申告する前に(笑)「わ〜●●ちゃんみたい〜」と先生やスタッフさんに言っていただけたり、アクセサリーの作家さんがアイテムを使わせていただいたコーディネートを喜んでくださったことも大きかったです。
自分が好きで楽しんでいることを受け取ってもらえる、喜んでもらえることのうれしさを噛みしめた出来事でした。


週末になれば好きな服を着られる(平日は身支度が面倒なのでノーメイクで地味な服を着ています)が心のよすがになっていたなぁ、としみじみと思います。
洋服は昔からの趣味のひとつですが、好きなものを表現して楽しむこと、より「好き」がもたらしてくれる世界が広がったこと、そうして楽しんでいることをたくさんの人に認めてもらえたことで、より自分に自信を持てるようになりました。
そして何より、「好き」が繋げてくれた縁でいろんな方とより仲良くしてもらえるようになりました。とてもうれしいです。
2019年の目標と野望「イベントでお会いするフォロワーさんとかわいいカフェでお茶したりお買い物に行ったりしたい」を達成できました! やったー!
いや、人と人の距離感って難しいから果たしてお誘いしてもいいのか、というドキドキは常にあったのですよね…。
いつももっぱらひとりで遊ぶことがほとんどだったし、お友達とは趣味が違うからなーと遊びに行く時はメインの目的地(美術館とか動物園とか)以外では主にお喋りがメインだったのですが、お友達と可愛いものを見のってすごく楽しいですね。好き、楽しい、うれしい、がますます広がる喜びはプライスレス。






「女子会だよ」
周くん「リボンつけてれば混ぜてもらえると思ったあたり中々図々しいな」




【お友達の輪が広がりました】
東京、大阪の文フリやティアなどの大型イベントがどんどん規模を拡大してどことなくビジネスライクな一大見本市と化していく一方で『書く人・読む人』が垣根をうんと低くしてゆるく楽しく刺激し合える場を作ろうとしてくださる方が増えてきたな、というのをここ一二年で強く感じました。
人様と仲良くなれるか、繋がった縁を継続出来るかは正直言って人との相性はもちろんのこと、双方の努力や運次第だと思います。
もとより人として難がありすぎるので(笑)不安や迷いもたくさんあったのですが、(自惚れと思われるのは承知の上で)送り出した作品のことも、自分自身のこともすごく大切にしてくれる人たちにたくさん出会えたことが何よりもの支えになりました。
「場」を生み出してくださった方々には深く感謝しております。



「女子会だから忍はエアー参加だよ」
周くん「みんな個性的だしかわいいな」

えいやっと思い立ってみんなで原稿を囲むお茶会なども行いました。
楽しかったので今後も不定期に行いたいです。


【やっとイベントのおはなし】
去年の秋に出したおやすみアンソロをより多くの人に届けたかったため、イベント参加を積極的に頑張った一年でした。
とはいえ、疲れたからと文フリ京都をお休みしてその日は鎌倉に旅行に行っていたのですが。

イベント参加
・2月 文フリ広島
・3月 テキレボ委託
・6月 静岡文学マルシェ
・9月 文フリ大阪
(各イベントの参加レポートなどはこちら

書店委託
・北海道 かの書房さま(期間終了)
・大阪 トリさん書店さま

あれ、言うほどそんなに多くない!?笑
でも自分の中ではこれでもすごく多いし、体力的にも正直限界です。

東京文フリに参加できてないのはちょっと残念ですが、わたしは旅行が趣味なので旅先で1日がほぼまるまる潰れてしまうイベント参加にそこまで積極的になれないのです…。
だから東京に行く時は始発で出て6時の新幹線に乗るもの…ほぼ会場の行き来で終わるとか日帰りで済ませちゃう人ってすごいと思う…らいさん遊び倒しすぎではってきっと思われている…せやで…。

より広く、垣根を越えてさまざまな「おはなし」が好きな人に自分の作る本に出会ってほしい、というのが文フリ以外のイベントにも出てみたいと思う原動力なのですが、しょうじき文フリ以外だと芳しくないのですよね。
それがなぜなのかはわからないけれどとりあえずガックリするし、もう諦めたというのが正直な気持ちです。






広島はびっくりするほど楽しかったのでまた行きます。来年も楽しいといいな。



3月のテキレボでは装丁を担当させていただいた服部匠さん発行の蒼衣さんの美味しい魔法菓子二次創作アンソロジーが出ました。
一次創作者なら誰もが夢見る自作の二次創作アンソロジー! 匠さんの作品の魅力とお人柄から集まった精鋭メンバーによるキャラクター文芸風味、ミステリー、オカルト、ちょっと大人な純文学テイスト、華やかでおしゃれなイラスト…と、各執筆陣の個性と持ち味が光る作品の数々は各参加者の創作キャラクターが「魔法菓子店ピロート」に遊びに行くというWコラボが楽しめる一粒で二度美味しい作品集です。
これはとても良い本になったので参加できて本当に嬉しい〜。

☆蒼衣さん本編はこちら☆
(なんと書籍版での第一部完結後の掌編まで読める!)

わたしの参加させていただいた作品はふたつ。
「ほどけない体温」の本編から10年後、忍と小さなガールフレンドりんちゃん(「ジェミニとほうき星」の海吏の親友春馬くんの愛娘です)と、彼のパートナーである周くんがピロートに遊びに行くお話。
「プリンセス・ドゥ・フルールの花咲く午後」

「ジェミニとほうき星」の本編から約5年後、海吏と祈吏、マーティンの三人がピロートに遊び二行くお話。
「Family Song」

問題作って言われてたような。笑
親友でありビジネスパートナーである八代さんにはやりの言葉でいう「クソデカ感情」を持て余す蒼衣さんと、かけがえのない絆を自分たちで手に入れた彼らの対比のお話となりました。
うまく作品のテーマを拾わせていただいた上で、メッセージ性を絡めたものとして中々良い作品になったのではと自負しております。
なにより書いているわたし自身が「その後」の彼らの絆を書かせて頂けて、素敵なお店に遊びに行かせていただけてすごく幸せでした。
蒼衣さんファンの方にも楽しんでもらえるといいな。



「匠さんのたいせつなお友達のみんなだよ。蒼衣アンソロのみんなもいっしょにいるんだよ」


この元画は6月の静マルでお会いした際に匠さんにお渡ししてきました。

らしさんの企画してくださった「うそと本と」ではジェミニとほうき星の海吏の大切なお姉ちゃん、いのりんがおやすみアンソロのレビューを書いてくれました。
本編を読んで下さっていない方にはよく分からないかもしれませんが(笑)ある意味で取り残されてしまったいのりんの気持ちについてはずっと考えながら幾度もお話を書いてきたのですが、一人では作ることの出来なかったあの素敵な本がわたしに届けてくれたことと、祈吏という女の子の気持ちが重なり合った優しい言葉を聞かせてもらえたことに、わたし自身が何よりも勇気づけられました。
この文章に出会えるきっかけをもらえたことが、この時にテキレボに参加した中で一番意義のあることだったと思えるくらい。

いのりんは海吏が好きになった女の子なだけあって、本当に思いやりがあって優しい子だなと思います。
理想と憧れの投影で「いい子」過ぎると言われればそれまでですが、わたしは彼女の思いやりと愛情の深さを心から尊敬しているし、愛しています。
とっくに大人になってからはじめて「自分が一から生み出した小説」を書けるようになって以来、自分には持てない強さや優しさ、勇気で大切な人たちと気持ちを分かち合える子たちに出会えたこと、それが誰かの作り出してくれた作品ではなく、自分の中から見つけ出せたものであることにすごく救われています。









「静岡のお友だちを描かせてもらいました」

静岡は旅行だと思って持ち込む種類も部数もふだんの半分くらいに減らせばいいやという感じ。
前日は三島~静岡を観光、イベント後は早引けして熱海に行ったんですけどあまりにも素晴らしくて楽しくて大感動しましたね。

手応えを得られたかというともう完全に…相性が悪すぎて…。
慌ただしい他のイベントと違ってサークルさんたちとお会い出来る機会、という側面が強いなぁと思いました。
様々な方とお会い出来るチャンスをもらえたことがありがたかったですね。
あと、短歌の本を作ったらどうですかと言っていただけたのもうれしかった。




梅雨時なので雨をテーマにしたポスターを作りました。
誰も気づかないと思うし黙っておけばいいと思うんですけどこれはふったらどしゃぶりです。




「らいさん匠さんに初めて会うからってプレゼントに本を作ったんだよ」
周くん「全く気づかない匂わせに大成功したってどや顔キメてたのが懐かしいな」




問題の匂わせツイート


中身はブログにアップしています。
「ジェミニとほうき星」から約15年後、海吏とマーティンと新しい家族のお話。
未来の可能性のひとつとしての彼らのその後を描けてすごくすごくうれしくて、思い入れの深いお話になりました。





文フリ大阪はいちばんホーム感と手応えがあります。
今回からBL島を出てみたのですが(エンターテイメントしている自信はないけれど、ボーイズラブで括るのもまた違う…というお話を書くようになってきたので)、やっぱり人の流れが違うのかな? というのはありました。

お知り合いが全くいないひとり参加は心細かったですが、朝イチはすっからかんだったブースにもお昼過ぎからは立ち止まってくださる方がたくさん! うれしい〜!




(本の作りも手製本や箔押しをしているアンソロと比べれば地味だし、単価も高くて長いけれど自分にとってなによりも大切なことが書けたので誇りに思っている)ジェミニが広島と大阪で持ち込み分完売したことは大きな自信につながりました。
まごうことなきボーイズラブ小説で、それゆえにある程度「必要としてくれる人」を選ぶ作品ですが、「恋をすること」で自分に向き合っていく、自らの傷を乗り越えていくことを大切に書きました。
自分の受け取った「ボーイズラブ」ジャンルが叶えてくれるひとつの側面を描いたもので、彼らに出会えたことがわたしをここまで導いてくれました。
「自分には縁のないもの」と思っていたであろう方に、わたしの出会った大切なことに興味をもってもらえたのはすごくうれしいです。



「文フリ大阪のお友だちだよ」
周くん「みんなに会えて楽しかったな」



【作った本のおはなし】

6月

Small town talks



おやすみアンソロを作った時に感じた「人は自らの人生という物語を生きていく中で手にした大切な宝物を心と心を伝うようにして手渡しあいながら生きていく」ということを本にしたかった。
バーカウンターの一番奥の特等席に腰を下ろした「彼」が、訪れる人たちの人生の断片に触れる、というコンセプトの連作短編になります。
元はいつ本にしたい、と思っていた数年前に書いていたシリーズをまとめたもので、旅人の残した手帳、遠くから届いた手紙をコンセプトに手製本で本をつくりました。
シリーズ三作はカクヨムで公開中

本のみで収録のお話では、おやすみアンソロに登場した旅人の男が「彼」と出会うお話を書きました。
今年の目標だった「おやすみアンソロのスピンオフ」がこちらです。

9月
指先に光の雨の降る朝に



「ほどけない体温」の周くんと忍がふたりで過ごす日々を通して得ていく大切なものたちをフルカラーで本にしました。
140字、300字~1万字程度の恋人たちふたりのエピソードと、お話に伴う短歌や俳句が収録されています。
実質的に月刊あましの総集編ですね。

くっついた後の(性愛で何よりも深く結ばれている)恋人たちの日々の暮らしぶりを描いたものなのですが、結果的に本編を知らないのであろう方にもたくさん手にとっていただけました。
本編を読んでからの方がきっと面白いけど、本編はだいぶしんどいのでこっちの方がきっと読むのは楽ですね。笑



わたしの短歌は特に推敲もせずに心に浮かんだものをふわっと投げている感じなのですが、わたしの生活に根ざしたものはなく、ほぼ心象風景ばかりを描いてるのでものすごく邪道なんだろうな、とは思います。
本に収録したのは小説と連動したもの(後から作った短歌を添えたもの、もたくさんあります)、ふたりの中に浮かんだ感情に近いものを選びました。(それゆえに収録を見送ったうたがたくさんあります)




ある日突然歌いたくなったから、という理由でぽつぽつと口ずさんだ歌は「詠んでいる」と言ってよいかは正直に言ってわからないし、歌壇などでの評価に値するものでもないのだろうと思っています。
とはいえ、わたしは「うたのリズム」だからこそささやける言葉を見つけられたことをとても楽しんでいるし、そうしてささやいた歌を目に留めていただけることをとてもうれしく思っています。
そして何より、「うた」を連れてきてくれる彼らを大切に愛しています。

いくつもの季節を泳ぐその先で終わることのないはじまりを知る


【書いたお話のこと】
ぽちぽちとあましのを息抜きに書いたり、次のシリーズに繋がるものを書いていたり。

きょうも誰かの誕生日
夜のメロディ
このふたつはDead Flowersに入っている「くらやみの色」の盲目の音楽家とナレーターのカップルのお話です。
シリーズとしてなにかそのうちに出せたらうれしいな。

いぬのはなし
これは今書いている新作のプロローグとなるお話。
ディディというキャラクターは5年ほど前に別名義で書いた小説にも登場したキャラクターですが、たぶんそのお話を読んでくださっていまもわたしの小説を読んでくださっている方はいないと思う…。


わたしが「月刊あましの」と呼んでいる恋人たちの日常の断片を思いつくまま書いたエピソードがぽつぽつあるのですが、そこはめんどくさいので割愛。笑
一番思い入れがあって大切に思っているのは「終わりの季節」なので、年に1本くらいはこういうお話を書けるといいなぁと個人的には思います。



小学校の桜はほんとうにどこかもの悲しくて美しくて、その光景がつれてきてくれたお話でした。


【次に向けて/これからのこと】
新しい長編のお話を書きたい! 書けない! というのがずっとあったのですが、諸々がひと段落ついてやっと取り掛かれるぞ! と、ずっと前から書きたかった新しいお話を書き始めました。
書きたいものを見失ってしまった作家が訪れた田舎街で出会った傷を抱えて生きるナイーブで心優しい青年と出会い、彼の生い立ちにある秘密に触れることで大切なものを得ていくお話です。
これは思いの外長くなりつつある&表紙などをお願いしてのすこし特別な本にしたいと思い始めたので、発行は5月の静マルを予定しています。

11月にらしさん主催で開催された書きかけの原稿を読みあいや積ん読消化を目的とした集い、「そうさく好日」ではこちらの前半パートを提出させていただきました。
限られた時間の中でとても大切に、書きたいと思ったことを汲み取っての丁寧なコメントを頂けたことですごくはげみになりました。良い本にしていきたいです。

大切な人で出会うこと、人生が交錯しあうこと、心を預け合うこと、その中で大切な何かを手にしていくことを描けたらと思っています。
そういった形での愛情や救いを描かせてくれるボーイズラブというジャンルの一側面をこよなく愛しているのですが、「恋愛」に回収されない形でそういった物語を書きたいという気持ちが今は強いです。
正直なところ、自分にそちら方面の才能があれば「創作BL」のジャンルで活動したかったな、とも思うのですが、自分が出会った・いま書けるものを大切にしていこうと思います。
文フリのいいところはわたしみたいにどのジャンルにもいまひとつしっくり所属出来なければ「ジャンルはわたしだ」って言えるほどの突出したものがない人間にも居場所があることですよね(ほんとうに…)


不定期に「なぜ小説を書くのか」系のハッシュタグがはやるのを見ていて思うのは、多くの人が自分の中にある、日常を過ごすだけでは抱えきれない衝動や表現欲求を形にしたい、生活の中でなかなか打ち解けて話す機会のないそれらの感情について解き放ちたい気持ちをもって日々を過ごしているのかな、ということでした。
シンプルに言ってしまえば「やりたいから・やらなければ爆発してしまいそうになるからやっている」ということなんだろうと思います。

敢えて踏み込んだ話をさせてもらえば、わたしは結局どこまでも寂しいという気持ちから逃れられないままで、わたしにとってのものを作ってそれを知ってもらおうとすることは「寂しさを埋めること、紛らわせること」に過ぎないのだろうけれど、きっとそれで構わないのだろうと、いまはそう思っています。
げんにそうやって過ごしてきたことでいままでよりもずっと確かな自分を持てるように、自分の力で自分を救うことができるようになりました。そのことは、ほかのなによりも大切なわたしにとっての誇りです。

音楽や物語や言葉は日常にときめきや刺激を与えてくれるものであるのと同時に、わたしに寄り添ってくれる、あたたかくて優しいものを届けてくれるかけがえのない大切な友達のような存在です。
自分が受け取った大切なものに対してきちんと言葉でその気持ちを伝えられるようになりたい、喜びや愛おしさを胸に抱きながら、その力を借りて前を向いて歩いていきたい、そして何より、受け取った大切な贈り物がくれたものを自分にできる形でまた次の誰かに渡したい、そういった形で、大切な人がくれた気持ちを自分なりに表現していけたらと強く思いました。
おこがましいと思われても、わたしは優しさと愛情で人と繋がりたい、自分を救ってくれたものをなによりも信じて愛しているからこそ、誰かの救いになれるもの、寄り添えるものを作っていきたいと思っています。
不安や迷いや焦燥感は絶えずありますが、自分のやりたいことがあること、それを見守ってくれた人、受け取ってくれたと教えてくれる人がいることを心から嬉しく、誇りに思っています。




これはらしさんの主宰してくださったそうさく好日で焼いたホットケーキ。
みなさんすごく喜んでくださって、自分が作ったもので誰かに喜んでもらえることがなによりもの喜びで救いなんだなぁと思いました。
わたしはホットケーキ屋さんになればいいのかな。笑




「忍はクッキーやさんとお芋屋さんになったんだよ」
周くん「秋は焼き芋って言ってたもんな」



【2020年に向けてのこと】
おしゃれしておでかけする会をやりたい
えっ、いきなり創作と関係ない!?笑
ちょっと非日常的なおしゃれをしてみたいけれど機会がなくて…みたいな声をちらほら聞くのでだったら機会作ればいいじゃん、みたいな。笑
基本的にひとりでどこでも行けるんですけど、ひとりじゃ行きづらい場所もありますからね。

何はともあれ今書いているお話の完成
手応えのようなものはあってすごく楽しんで書いているので(そうさく好日で読んでコメントくださったみなさんありがとうございます)、しっかり完成させていい本に仕上げたいです。

そろそろ分冊にしてもいいからあましのの総集編を…
わたしが常に書いてるからどんどん分厚くなるって話をしてたんですけど、適当なところで区切ればいいだけなんですよ。だって林檎は春に総集編の三冊目が出るんですよ。笑
(わたしの生きる希望!)(おまえにしかわからない例えやで)

光の雨が実質総集編なんですけどあそこからこぼれたエピソードがたくさんあるんですよね。
あましのはラブシーンのあるボーイズラブという読者を選ぶジャンルのはずなのにびっくりする速さで続編が売り切れたので本にしても読んでもらえるかなって。
ぶっちゃけた話、発行部数はジェミニのほうが多いけど海吏とマーティンはそんなに人気がないんだよね。

なんかしら手製本の新刊とか短歌の何かしらとか
短歌の本が作れてうれしくて(作ったら、といってもらえたことがそもそも嬉しかった)自分でも気に入った短歌が詠めたので形にしておくと楽しいかなって。
あと、2月は長編を見送ったので何か出したいですね。

なにかしら企画に呼ばれたい
去年も同じ事を言っていたのにほぼ呼ばれなかった時点でお察しだと思うんですけど。笑

やりたいことは率先してやったほうがいい、人のことは自分から誘ったほうがいい、行きたい場所には自分から行けばいいとわかっていても自分ひとりで出来ないことに挑戦したいし、必要とされてみたい、なにか違う世界に飛び出したい気持ちは常にあります。


公募系に興味がないのは結局たいして才能がないらしいのがわかっているからなんですよね。
反響だとか、何かしらの企画に誘ってもらえないことだとかの諸々を鑑みればわかるんですよそのくらいは。笑
それでもわたしは楽しく書いているし、送り出したものを受け止めて愛してくれる人がいるのは知っているからそれでいいのかなと思います。
本当に好きなプロの作家さんのようにはなれないけれど、それはそれで別に悲しいことではないんですよね。向上心や刺激があることはとても素敵なことだし、わたしには少なくともわたしを幸せにする才能があるのだから。

あらゆる迷いや苦しさ、アンバランスな感情と向き合っていく術、劇的なスピードで移り変わりゆく世の中から提示される数多の問題に向き合うことで生まれる軋轢に…と、なにかとぐったりすることも多かったのですが、苦しいことや不安なことや悲しいことがあったとしても、わたしを大切にしてくれる人がたくさん助けてくれたことがいつだったなによりもの救いになりました。
わたしをいまのわたしにしてくれたのは、たくさんの人たちの支えがあったからこそです。
心からの感謝と愛を贈るのと同時に、たくさんの愛情に報いることの出来るような自分でありたいです。

ここまで読んでくださった方がいらっしゃいましたらありがとうございました。
これからの先、あなたが迎える新しい年が晴れやかで愛に溢れた実りあるものでありますように。


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