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調弦、午前三時

小説と各種お知らせなど。スパム対策のためコメント欄は閉じております。なにかありましたら拍手から。

第二回文学フリマ広島ありがとうございました!

第二回文学フリマ広島が無事終了いたしました。
お立ち寄りいただきました皆様、お話してくださった皆様、ほんとうにほんとうにありがとうございました。

そして何よりも、日々刻々と状況が変わっていくコロナウイルス騒動の中、無事に開催できるように万策を尽くしてくださった主催者さま、本当にありがとうございました。
また、安全に配慮した上で準備をして来られたであろうイベント参加を棄権されたみなさま、本当にご苦労さまでした。
お会いできなかったのはとても残念ですが、また元気にイベント会場でお会いできることを心より祈っております。

不安はあれど、参加すると決めたからには前後の観光も含めて全力で楽しもう! と決意しての二回めの文フリ広島はほんとうにほんとうに心から楽しく、わすれられない大切な思い出になりました。
こんなにも楽しいイベントがいまだかつてあっただろうか、もうイベントは大阪と広島の年二回でいい! と心の底から思うくらいに広島の街と広島文フリが大好きになりました。


あいにくの雨だった尾道の町。(午後から晴れました)



乙女屋さんで着せていただいたお着物で尾道散策をしました。きものがかわいいからはずかしいけどみてみてするんだ。リボンカチューシャとレースのカフスは持ち込みです。

夜は尾道の温泉宿に泊まったんですが、風情があって心安らぐしご飯はとびきりおいしいしお風呂も気持ちいいし最高だった~。
実駒さんが来年は温泉に一緒に泊まろうって合宿を申し出てくれたのもすごくうれしかったです。えへへ。
ぼくはある程度土地勘ができたしおすすめのお土産も教えてあげるよ!笑




「らいさんの尾道絵日記を描きました」
周くん「らいさんたらふく食べてこのあと旅館で美味しい晩御飯食べたんだよな」
「カヌレは次の日に食べたしはっさく大福はお風呂上がりのおやつだよ」
周くん「気遣いになってるのかなってないのか…」


前置きはここまでで、ここからはイベントの振り返り。


【はっじまっるよー!】

最高に楽しい旅で割とはしゃぎ疲れていた中(笑)新幹線でいざ広島に。
広島駅でお昼ご飯にじんぼの出汁巻き弁当、おやつに櫟のワッフルを買い、ホテルに荷物を置いてからいざ会場に向かいました。




はしゃぎすぎて疲れてたのと久しぶりのイベントでじゃっかんパニックになり(棚の組み立て方がわからなくなりました。笑)どうにか10分前に設営完了。
趣味で作ってるイヤリングもおきました。

最近の作品傾向からジャンルをBL→エンタメ・大衆小説にしたところ、いつも奥の方にいたのが今回はAの島に配置されていました。
お向かいさんはどうやらファンタジーの島らしく、テキレボでおなじみの皆様が揃っていてさながらちょっとした同窓会のような。並んでいる本や設営も華やかです。
右側のお隣さんは机一本欠席のよう(この状況なら仕方あるまい)ですし、遠目に見ても空席がちらほらありますね。
寂しいけれど仕方あるまい。参加したのならここにいるみんなでとことん楽しもう! とイベントスタート。

と、まもなく去年来てくださったお客様がまたいらしてくださった! うれしい〜!!
その後もちょくちょくと立ち止まってくださる方がいらっしゃいます。
関西では午前中はサークルさんがポツポツきてくださる以外はひたすら待機、という感じなので(大半の方がお目当てのブースに一直線で行ってしまい、そこまでの人気はない。笑)これはとってもうれしい。
おそらくは比較的入り口に近いA列なので早めにたどり着いてもらえた×ブースの絶対数が少ない=見本誌コーナーでも目に留めてもらいやすい、などといった効果があったのかもしれません。
関西や東京ではTwitterなどで事前に情報を見て来てくださったらしいサークル主さんが俄然多いように思うのですが、おそらく見本誌を読んで選んできてくださったのであろう方(まよわずすっと本を取られる)、ブースで気になる本がないかをじっくり吟味してくださる一般のお客様がとても多かったです。
こんなこと言うのもあれですけど、ほかの地方イベントではびっくりするほど一般の方からスルーされることが多々あったのにこの違いはなんだろう…すごくありがたい。
広島にはこだわりのお店も多く、わたしが影響を受けてきた、今も好きなサブカルチャー的なものの土壌があるのかもしれないですね。
男性のお客様がちょくちょく見てくださったのも印象的でした。

いち読み手としては
東京:とんがった先鋭的な表現をされている方が多く、刺激的。いちばんサブカルっぽいにおいがある。東京文フリでしか出会えないものがあるし、しょうじきラインナップはいちばん好みだと思う。東京のフォロワーさんにお会いできる貴重な機会。
大阪:地元であることの安心のホーム感。縁があって知り合えた方とたくさん出会える。バラエティの豊かさはさすがの魅力。
静マル:れぼによく出ているメンバーと地元の方がいらっしゃる。サークル同士の和気あいあいかつおいしいものを食べるお祭り。

広島ではふだん仲良くしてくださっている方の出店はすごく少ないのですが、地元の方や広島にご縁のあった参加者さんなど、なかなかお会いできないようなサークルさんとのめぐりあわせがあったり、関西や東京では規模が大きすぎて時間切れになってしまい会えずじまいの方とゆっくりお会いするチャンスがあるな、というかんじ。
それぞれの楽しさがありますが、刺激がありすぎて疲れてしまう、というのを感じずにリラックスしてイベントを楽しめるのが広島だなぁと思いました。



【接客スタイルや売り方のおはなし】
わたしは基本的に話しかけられるのが苦手、呼び込みが苦手、前を通ったら半ば強制的に渡される無配が苦手(なので渡そうとされたら断わる)なので接客は基本的に消極的です。

そんなわたしの基本スタイル

立ち止まってくださる方がいらっしゃる。
→「試し読みはご自由にどうぞ」
状況を見ながら椅子から立ち、ご興味をもってくださっているようならクリアケースに挟んだお品書きをお渡しする、無配を渡す(こともある)

一次創作のお客様は作品に興味を持って向こうから話しかけてくださる方が多いのがすごく楽しいですね。
デザインや雰囲気に惹かれて…とお声をかけていただけるのもうれしいばかりです。



ツイッターで「公式の見本誌票が見づらいのでいちげんさんを呼ぶには情報のまとまった帯を見本誌に付けて欲しい」という話題が広がっていましたが、うちの値札はこんな感じ。

売るための情報が持ち帰った本についているのは無粋で嫌/一冊一冊に帯を巻くコストと手間をかけられない/本体に値札がくっついてるとポップを置かなくていいから卓上がスッキリする/勿論見本誌コーナーでもどんな本かすぐわかる
ので、見本誌にだけ、帯風の値札をつけているのです。
本の帯って本体との相乗効果でかっこいいから見栄えがランクアップするし、本屋さんでみる本だって帯のコピーがすてきだとつい手に取っちゃいますもんね。
デザインにこだわったフルカラーの帯を作る人が増えたのもわかります。

「わかりづらいので帯をつけてほしい→印刷所で刷った綺麗な装丁の本じゃないとダメ、帯がないとダメ、とプロのような仕上がりを求める声が年々高まっているようで息苦しい→無骨さや拙さも許されるアマチュアの自由な創作の場にプロ並みのクオリティを要求するのは無粋」
という感じに話が流れていったのかな?
おっしゃることはもちろんわかるのですが、『しなければいけない』と責めている人は最初からどこにもいないのにな…手に取ることのハードルを下げる『工夫』のひとつとして提案されているだけなのにな、と正直なところ、非常にもやもやしました。
(その繊細やこだわりの強さがものを作る原動力の源になっているのだろうな、とも思います)
(『分かりやすさ』を声高にアピールするなんてダサい、そもそもそういったアピールが合わない作品も当然あるだろうとは思うのですが、『〜するのがあたりまえ、それすらもしてないなんてレベルが低い』ともし仮に言われたのなら『知らんがな』で良いと思います。)

とはいえ、『わたしは』自信を持って作った自分の作品を好きだと言ってくれる人に出会いたいので、そのためには当日までに自分の本を知ってもらえるように事前にウェブで宣伝をするし、並んでいる本を見たときにぱっと作品の雰囲気がわかった方が手に取りやすいだろうと思うので値札は本に合わせて綺麗にデザインした上で、自分なりにこだわりを込めた内容紹介をしっかり書きます。
値札に書いたあらすじもまた、大切な作品の一部だと思っているので、値札の内容をじっくり見た上で本を選んでもらえることをすごくうれしく思っています。
前日に尾道で個性的な本屋さん巡りをしていても思ったように、自分の感性を刺激してくれるすてきな空間でこだわって並べられた本を選ぶ時にすごくワクワクするのでお店作りには自分なりに精一杯に拘ります。


逆に、お客さんを引き込むための声を出しての呼び込み、前を通りかかった人へ無差別に無料配布を渡す行為、立ち止まってくださったお客様へこちらから作品の説明をするなどといった行為はいくら「作品を知ってもらうためにはやるべき」と言われたとしても自分ではやりたくありません。

やりたいことをやる/出来ないこと、やりたくないことは無理にやらなくていい
がなによりも大切なことなんだろうと思う次第です。

……なんだか説教くさくなっちゃった、ごめんあそばせ。




【やっと新刊のおはなし】
新書サイズで外国のペーパーバックのようなラフな雰囲気の本が作りたいな、と前から思っていて、書きかけの長編にまだ時間がかかりそうなのもあって、突発的に作り始めました。
書きためたエッセイ/昨年の鎌倉旅行日記/短い小説 が入っています。


 

カメラ=万年筆とはムーンライダーズからなのですが、おわかり頂ける方はいらっしゃるだろうか。
わたしはライダーズみたいな小説を書きたくて、影響を受けたいと常々思っているのです。


収録した小説は本来なら2015年の文フリ大阪で出したいと思っていた、青春を終わらせることが出来なかった男女のお話(わたしが海吏に出会ってしまったことで予定が狂った。笑)です。
阿藤と嶋崎というこのふたりに関しては断片的なエピソードを数本書いていて、彼らと同じ学校で過ごした同じ学年の子たちの「その後」を描いた連作短編を書こうと準備をしていたのでした。初参加だった2014年の大阪文フリでは彼らと同じ学年だった片岡くんのお話を無配で出しました。(大人になった片岡くんが今回の新刊に収録したエピソードにすこしだけ登場します)


ついでにこれが初々しくてかわいい2014年に初参加した時のわたしのブースです。
うまれて初めて作ったオリジナルの本は「ピアニストの恋ごころ」のカバーつき文庫本でした。

 

いま見返してもじゅうぶん頑張っているし、ちゃんとアピールもできているブースだと思うんですけど(ツイッターなどでの告知もしたし、WEBカタログや試し読みも登録しました)立ち止まってくれた方はほとんどいらっしゃらず、事前に一切お知り合いも作れず、無料配布本は一冊、有償の本は一冊で終わりました。



結局6年後のこのタイミングまで彼らのお話を書くことができなかったのは、海吏に出会い、海吏が忍を紹介してくれて、忍に周くんという世界一カッコよくて可愛い彼氏ができたから、というだけではなく(笑)
率直にいって、海吏たちが寄り添ってくれたものとは別種の自分にとっての切実すぎる感情が宿っていて、きちんと向き合うことが怖かった、ということに尽きます。
不完全な形とはいえ、こうして彼らの物語をきちんと語りなおすこと、そしてなにより『終わらせる』ことができたのは、小説を書くことを通して自分の中のわだかまった感情にきちんと向き合うこと、乗り越えることができるようになったからだと思います。

正直なところ、自分のうちにある切実な気持ちに改めて向き合うのがつらすぎて編集している間にしょっちゅう手を止めては泣いていたのですが(毎晩そうしてる間に以前から異常に動作の重かったパソコンが壊れた。笑)(ので会社の休憩時間とネカフェへの缶詰作業で入稿まで漕ぎ着けました)
そういった気持ちで書いた、決して明るく楽しいとは言えないものを(エンタメの島にいるのに!笑)読みたい、と選んでもらえたことはとても大きな自信につながり、励まされました。

あれだけ何度も諦めた方がいい、やめた方がいい、と思った「小説」をやめなかったことがいまの自分へと導いてくれたのだと思います。
わたしは5年、10年前の自分よりもずっといまの自分が好きで、誇りを持っています。
そうやって「変われた」のだということ、ほんとうに大切なことを話せるようになった、ということを形に残せたことが、いまはとてもうれしいです。


【お店番中の楽しいお話】
満員御礼大盛況!(とはいえ、人気のあるブースや島に人が集中しがちで自分のブース近辺は通路と化しがち)な大阪や東京と違い、人の絶対数は少なくても確実に足を止めてくださる方がありがたいことにとても多かったように感じます。
見本誌を見てから来てくださったのか、新刊/光の雨/ジェミニをすっと手に取ってくださる方がやはり多いですね、ありがとうございます。とてもうれしい~。
昨年もたくさん手にとっていただけたデッフラは今年もまた人気でした。

どれがピンとくるのかな、といろんな本を手に取ってはじっくり吟味してもらえるのはとってもうれしい〜これは対面販売の醍醐味ですね。
結果、手持ち在庫が3冊ほどだったSmall townは完売、ジェミニは残り一冊、ほどけないは持ち込み分が完売しました。
新しめの本以外はあまり動かないので基本的に持ち込み数は一桁/あましのは性描写がしっかりあるぶん、人様を選ぶ本なので持ち込み数を少なめにしているからこういった結果になっただけなのですが、これはとてもうれしい〜。
本の作りが綺麗、と光の雨を選んでくださる方が多かったこと、ふたりの馴れ初めから読んでみたい、とほどけないと光の雨をセットで手にとってくださる方がいらしたのもすごく嬉しかったです。

「紆余曲折あって付き合い始めたふたりのその先のラブラブハッピーエンドなので二冊読むとウルトラハッピーになれます!」

読んでくださった方ならわかると思うんですけど、光の雨のエンディングは切なさやもどかしさを乗り越えた先でミラクルハッピーエンドですからね。えっへん。




残りが確か2冊くらいだったMy shooting starが完売したのも誇らしくて嬉しかったです。
正直わたしはこの本がいちばん面白いと思っているんですが(これを書いたことでほんとうに人生を救われた)、一冊で完結してるお話の続刊という性質上、ほぼ2冊セットで手に取ってくださる気前の良い方にしか売れないんですよ。そりゃそうだ(笑)




それでもあましのはなぜか続刊があっという間に品切れになったんですよね。あましのだからかなぁ。うれしいなぁ。正直もったいない気もするんですけどね。ほんとうにいい本だと心から思っているので。


読んでもらいたい、いつまでもずっと置いておきたい気持ちはやまやまなのですが、さすがにもう再版しなくてもいいのかな、売り続けるのは難しいのかな、とも思っています。
いや、パソコン壊れてデータぶっ飛んだので作り直すのが大変っていうのもあるんですけど…。
海吏たちのお話はこのあともたくさん書いたのでいつかごんぶと再録集を出せるといいなぁとも思います。
アイハブアドリーム。
あましのもごんぶと総集編を出したいんですけど、いつになるのかなぁ。


今回の状況が影響したことで一般来場者さんは前年よりもぐっと少なかったとのことでしたが、総じてすごく活気とエネルギーがあふれたイベントになっていたと思います。
仲の良いお友達は決して多くないのにすこしも寂しく思わずに済んだし、足を止めてくださる方がたくさんいらしたこと、自信をもって送り出した本をまんべんなく手に取ってもらえたこと、現地送りにしたため、ちゃんと詰めて帰れるのか不安だった新刊をきちんと箱に収めて帰れたこと(笑)(新刊がお知り合いに売れた以外はほぼ動かず、段ボールのふたが閉まらなくなった静マルの悲劇をぼくは一生忘れない)は大きな手ごたえと自信につながりました。

ほんとうにほんとうに夢みたいにずうっとずうっと楽しくて、いまもまだ楽しいままです。
文フリ広島がいちばん好きかもしれません。



イベント後に見に行ったゆうぐれ時の原爆ドーム。




昨年も行ったお好み焼きのみつさんに実駒さん、おがわ先生、本吉さんとご一緒してもらいました。めちゃめちゃお安くてめちゃめちゃおいしい~!
観光客向けではなく、地元の方が集まるお店のようですがタレントさんの色紙などもたくさんあって人気のお店みたい。おいしいもんねえ。




「らいさんから聞いた話とブログで読んだのを参考にらいさんの広島の思い出日記を描きました」
周くん「広島のおみやげたくさんありがとう、どれも美味しくいただきました」
「川通り餅美味しかったよ」

(※忍の絵日記は数日後に追記としてあげています)
最初にブログをアップした後、忍が拍手からコメントをくれて、もちろん自演じゃないので(笑)忍(を名乗ってくださったお友達のどなたか)の優しさにびっくりして泣いて、正直いまも泣いています。
わたしが泣いてるって言ってる時はほんとうに泣いています。そんなことで嘘ついてどうするんだよ。

自分で自分を褒めてるみたいで狂気を感じるって思われたとしても事実だからいいんですけど(笑)わたしは忍には心から感謝してるし愛しているので、そんな風にして自分が大切にしていることを受け止めて、優しい気持ちを返してくださる方がいらっしゃることがほんとうにうれしいです。
小説を書いていてよかったな、と心からそう思います。


【さいごに次の予定】
申し込んでいた静岡文学マルシェの申し込みをキャンセルさせていただいたので、次回は9月の文フリ大阪に参加します。
静岡にはまた旅行で行けたらいいなと思います。
ウイルス騒動がほんとうに大変なことになっていますが、その頃には落ち着いていてみなさんが安心して参加できることを願っています。

9月には水面下で動いているアンソロジーを出せる予定で、合わせまして、ほどけない以来の長編の新刊が久しぶりに出る予定です。
こちらはおやすみやSmall townの流れを汲んだ作品なのでBLではありません。
BLがすきなんですけど…コンスタントに書く才能はどうやらなかった…。

また、9月の大阪以降はイベント参加の予定がいまのところありません。
なにか委託などを出してみたい…福岡方面に…などと思うのですが、昨年瞬殺でしたしね。
某れぼからはおそらくもう撤退かな、と思っているので、遠方の方などはよろしければBOOTH通販をご利用ください。

偶然このブログにたどり着いた/なんとなくTwitterを見てるけど小説を読んだことがないので読んでやろうと思ってくださった天使様(がいればいいな)はこのブログのお話のカテゴリーカクヨムで小説が読めるのでよろしくお願いします。

ではでは、お付き合いありがとうございました。また元気にお会いできますように!

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Color of life.

ほどけない体温、周と忍。
第8回テキレボアンソロ「花」に投稿させていただいたものの再録です。



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2020年もよろしくお願い致します。

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
お正月は頭が破れそうな頭痛で目覚め、きのう何食べた?の一挙放送を見て過ごしていました。
いちど見ているからその安心感もあってずっと見てしまう…エンドレスにやってるんだもの。
ドラマならではの演出の味付けの違いもありつつ、トータルで安心して楽しめる作りになっていてよかったなあとしみじみ思います。
本放送の時の録画が残してあるからまた見ようっと。

こちらは前回と合わせて創作TALK2019-20の企画に参加させていただいての記事です。
タグを一通り追いかけていると去年もお見かけした方がいらしたりいらっしゃなかったり、なんとなく去年とはノリがまた違うような? 一年あれば人も環境も変わるのでそんなものかな? というのを感じています。
(部数の話をする方は減ったと思います)
わたし自身もかなり色々なことがあって、スタンスは変わらないけれどいまがいちばん元気なので去年までとはだいぶテンションが違いますしね。
うむ、いいことだ。

今回も役に立つ情報は一切なく、あまり創作と関係ない個人的なことが多めですが、ぼくの人生そのものが創作なので(大きく出ましたね)



【ひとまず今後の予定など】
2月:文フリ広島
5月末:静岡文学マルシェ
9月:文フリ大阪

東京文フリに行きたいのですが(なぜならわたしは東京でお買い物がしたい)
(天使の窓とラフォーレ以外の原宿に行きたいしまだ新宿マルイアネックスを攻めたことがない)
セビィンチエイトにまた行きたいし、美雨さんのお靴を見てみたいしお金貯めて買いたい)
予定は未定です。ライブも行きたいしね。
お買い物資金のために関西のイベントやポップアップショップにあまり行かない、も課題になりますね。笑


11月の文フリ東京と同時期に大阪で創作BLオンリーがありますが、わたしは創作BLの人ではないという自己認識なので…うん。
個人(交換)委託などもしてもらえたらチャンスになるのかな、とはいえ、推してくださる方もいないし、わたしのジャンルis何? って感じなので難しいと思います。

自分を知ってもらうにはあちこちイベントに出て、なるべくその都度新作を出すことなんですよね。
全国コミティア/文フリ制覇なんてされてる方もいるし、さすがにそういう方は(それだけのパワーがあるだけあって、作品にもパワーが宿っているので)知名度も実力もすごいですし。
そんな体力と精神力と経済力はないので無理はできないなぁ。
作ったからにはある程度読んでもらいたい=売らねば、というのが精神的にもまあ疲弊するんだな、というのを思ったので、手製本10冊とか、あまり売る気がない本を作ってみるのも悪くないのかなと思いました。
広島にはそんな感じの本を作っていきたい




去年の鎌倉旅行の写ルンですで撮った写真で架空の旅行記と小説の本を作ってみたら楽しそうだな、というのをぼんやり考えたりはしています。




月刊あましのを無料配布という名目で出しているのは「商業の番外編でもないんだからお金出して買う人はいないやで」(のに、ラブシーン書いちゃったので性表現があるもなのは無配にできないし、印刷代を負担してもらおう…でも買ってくれた人には無料でいいよ、ってことにしていた「はじまりの唄」にみんな結婚おめでとうってお金払ってくれてありがとうみんな大好き)の精神と、お小遣いのはんちゅう(ここが大切)で好きな子たちへのいとおしい気持ちがたくさん詰まった本を自分の手でつくって手渡す喜びを感じたい、お代をつけていないので「売れない=需要がない」とくよくよしないで済む、というのがあります。
作風の布教にはたぶんなってないんですよ、基本的にあましのが好きな人しかもらっていかないもん。笑
逆にいうとそれだけあましのを愛してくださっている方がいらっしゃるってほんとうにすごいことなんですよね。
これからも胸を張って愛していきます。


タグからきたけどあましのとはなんぞや、と思った方へ
ツンデレ気味のちょっと口調が荒っぽい男の子と素直で感情表現がストレートなあほの子とのばかっぷるです。(ざっくりしすぎ)
年末の短いお話をよかったら読んでください。



ここからは今後の予定や指針


【公式打ち上げなど不特定多数の初対面の人と接する場にはあまり行かない】
いや、初めはみんな初対面なわけで、もしかしたらそこから思わぬすてきな出会いに繋がるかもしれないんですがわたしは人見知りなので(誰も信じてくれないと思いますが)気遣いで疲弊するので控えようと思います。


【作業会をやる】
とはいえ、ある程度ガス抜きに人と気心しれた人と接する機会は持っていたい。
のと、原稿会を入れないとこの人は美術館巡りの予定を入れてしまう。
2月1日に天満橋で開催するのでまだ予定が分からない方もいらっしゃるかと思うのですが宜しかったらご一緒してくださいね。


【病気にならない】
なる時はなるんですけど……。仕事してるとしょっちゅう具合が悪くなって(デフォルトで頭痛と胃痛)会社を休んだり早退したりをわりとしたから重病にならずに済んだと思うので、引き続き危険信号が出たら速やかに積極的に休む。


【着物を着せてもらう】
以前レンタルで着せてもらったのが楽しかったのでまたお願いしてみたくて。
鎌倉旅行に行った際にもお店があっていいなぁと思ったのですよね。観光地を着物でお散歩するのに憧れているので(ひとりなので写真は撮れないんですけど笑)二月の広島文フリ前日に尾道で着物を着せてもらう予定です。予約したよ!
わたしはじゃらん経由で予約したんですけど、先着で使えるクーポンで割引になったので着物体験をしてみたい人はじゃらんで検索するの、おすすめです。

あと、三月にお誕生日記念で着物を着せてもらってアフタヌーンティーに行きたい。


【おしゃれしておでかけする会をやる】
派手な服を着てお友達と歩くと浮くだろうから笑 主にひとりで出かけるか文フリに行く日にめかしこんでいくのですが、ひとりで行けない/行きづらい場所もあるのでな…。
具体的にいうと北新地のスイーツバーに行ってみたいのですよね。

ちょっと特別なおしゃれでめかしこんでおでかけする日を作ったら乗ってくださる方もいるかな、いるといいな、と期待を込めて。
いまセール期間だから百貨店に行くとすてきなドレス類がお手頃価格で手に入りますよ。


【本を読む】
ツイッターを延々としていられてしまう…のをいい加減控えてあなた。
通勤の合間に本を読もうと意識してたんですけど頭が疲れるので本に手が伸びない…のを改善してくださいねあなた。
いまは書いてる小説にかかりっきりでカフェに行ってもポメラを開いてしまうのでなかなか進まないし、おうちにいると延々とだらけてしまう。


【お手紙を書く】
このところ筆不精が甚だしい中でレターセットと記念切手がもりもりあるんですよね。(この数年でみるみるうちに値上げしたので…値上げ前の…)
あと、関西にはめったに作家さんのサイン会がないので。
(来週になんとその貴重な機会があります! うれしい〜)
あんなに元気をもらっているのにもらいっぱなしは不義理なので作家さんの今後のお仕事の継続への後押しと感謝もこめていままで書いたことのない作家さんにもファンレターをお送りしたいです。

あわよくばわたしもお手紙などもらってみたいですね…。
庭にはお手紙文化が根付いているようでうらやましいです。

手帳すらまともに使ってないけどアナログでちゃんとアウトプットや思考整理をするのも大切なのかなと思う今日このごろ。
ぼくは手で文字を書くことをサボりすぎている。





総じて「楽しく前向きに生きていきたい」「小説と短歌は楽しいので続けていきたい」ということになりますね。
プロになりたい、賞などを獲りたいという感じの向上心はまったくないのですが(評価に値するものではないのだろう、と思っているし、まな板に乗る自信はない…。とはいえ、これは後ろ向きな気持ちではないです)自分が楽しめるもの、心の助けになるものを生み出して、それを必要としてくれる人に手渡していけたらいいなと思います。
あなたの作るものが好き、と言ってくださる方がひとりでもいらっしゃることは何よりもの救いで助けです。

手探りで好きなことをやり続けていった結果として、理解や共感を示して寄り添ってくださった方に出会えたこと、ひとりよがりでどうにもならなかった孤独感や疎外感がすこしずつ溶けて、もどかしさや苦しさに絡まり過ぎずに生きていけるようになりつつあることが「いまがいちばん楽しい」と言えることの何よりもの源なのだと思います。
今年も好きな服をたくさん着て行きたい場所に行き、会いたい人にたくさん会い、(出来ることなら)すてきで大好きな人たちにもらった沢山の物を返せる自分でありたいです。

今年の終わりにもまた、最高に楽しかったと言えますように。
2020年もどうぞよろしくお願いします。


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ひとのうわさ

「ほどけない体温」周と忍。忍のうわさ話にやきもきするおはなし。


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2019年を振り返る



「こんにちは、忍だよ。今年もお友だちとのクリスマス会を描きました」

周くん「みんな仲良くしてくれてよかったな」

忍は「ほどけない体温」に登場するキャラクターでなぜか絵を描いてくれます。
周くんは保護者(彼氏)です。

こちらは創作TALK2019-20に参加しています。
文字数や部数に関する話題、タスク管理などの役に立つノウハウなどは一切なく、小説を書いてイベントに出ていた人間が一年をぼんやりだらっと振り返りながら一人語りをするだけの記事です。
すごく長いのでお茶でも用意してから気が向いたら読んでください。笑


【タグから来た人向けにひとまず自己紹介】



「自己紹介だよ」
周くん「初めてこのブログに来た人の困惑してる顔が見えるんですけど、こういうスタイルで行くらしいので申し訳ないんですけど諦めてください」

高梨來は2014年から文学フリマに出展するようになり、現在は文芸系同人誌即売会をメインに創作活動を行っています。
趣味は音楽を聴くこと、ライブに行くこと、本を読むこと、美術館めぐり、旅行、洋服です。
大切な人とともに生きていくことの苦しさと愛おしさ、愛と優しさが守られていますように、と願いと祈りを込めたお話を書いています。
また、自己流で短歌もぽつぽつと詠んでいたりします。

参考までに、2017年2018年はこのように思っていたようです。


【ここから本題】
一年が終わる頃には「今年もあっという間だったね〜」なんていうのが決まり文句だと思いますが、ほんとうにびっくりするほど色んなことがあって心底楽しかったのであっという間だなんてことは全くない一年でした。
あれもこれも今年だったなんて信じられなくてびっくりするし、ほんとうにびっくりするほど楽しくてすてきなことをたくさん経験できて、その結果いまが人生でいちばん楽しいです。
去年の秋にものすごく悲しくて腹立たしいことがあって心底傷ついていたし怒ってもいたのに、いまはずっと誇らしい気持ちでいられて、人は一年でこんなにも変わることが出来るんだな、というのをしみじみ思いながら2019年の終わりを過ごしています。
(ここでは詳細は書けませんが、しょうじきその件については一生怒っていると思います)
(怒りも悲しみも胸に抱いたまま、なかったことになんか出来なくても人は生きていけるのだと噛みしめながら暮らしています)

プライベートではあまり体調が良くなかったのでそこがすこし辛かったですね……。
とはいえ、大きな怪我や病気に見舞われなかったのは救いではありますが。


【ぼくと洋服と2019年】
今年は去年に増して好きな服を着てあちこち楽しい場所にお出かけを楽しむことが出来た年になりました。

どうでもいい経緯をここで説明させてもらうのですが

昔から洋服や雑貨が大好きでゴスロリ全盛期を過ごしてきたけれどオリーブ少女だったのでむしろそちらの文化とは対極にいた。
時々洋服を褒められた。

気がついたらよく通っていたお店はほぼ全部なくなっていた

二年くらい前に偶然好きな服屋さんが出来たのと同時期に雑貨のイベントに行ってみることにする。(時はハンドメイド大ブーム時代到来)

えっ、前から知ってたけどロリィタめちゃくちゃかわいいな!?(ぼんやりと好きでロリィタさんのブログやインディーズブランドのサイトなどを一時期よく見ていました)

興味の範囲がぐっと広がり、ゴスロリ系のお店に恐る恐る足を踏み入れる。

文芸以外でもさまざまな作家活動をしている人たちがいる事を知ったことで行動範囲がぐっと広がる

刺激を得たのでめいっぱいおしゃれをしていろんなところに遊びに行くようになる

みんな優しいからほうぼうでお会いした方にお洋服かわいいねって言ってもらえてニコニコしてしまう

文フリで知り合った方にかわいいものが好きなおしゃれさんがたくさんいらして、イベント以外の日にお買い物に行ったりお茶をしてもらったりするようになる

最高に人生が楽しい


わたしはロリィタではありませんが(見ているのは好きだけど似合わない)ロリィタファッションの界隈におられる方が作られるキュートできらきらしたものが大好きなので、そういった方の集まる場で非日常の特別なおしゃれを楽しんでいらっしゃる方にたくさん出会えたり、特別なかわいくて素敵なものに刺激を受けられたのも凄く楽しかったです。
「自分には届かない憧れのかわいい世界」にすこしだけ足を踏み入れられたことはすごく大きかったし、「好きなもの」を新しくどんどん見つけられたことにより、「好き」が自分の世界をぐっと広げてくれたように感じました。
文芸界隈に「ロリィタファッションやロマンチックなものが好きだけれど本格的には挑戦出来ない/以前は着ていたけれどやめてしまった」という方がちらほらいらして、「かわいい」を楽しんでいていいね、自分も色々な理由から断念したロマンチックなかわいい服をまた着てみたくなった、と言ってもらえたものもうれしかったです。

思い出深い出来事としては、好きな作家さんのサイン会に行った時にキャラクターのイメージしたお洋服を着て行ったら自己申告する前に(笑)「わ〜●●ちゃんみたい〜」と先生やスタッフさんに言っていただけたり、アクセサリーの作家さんがアイテムを使わせていただいたコーディネートを喜んでくださったことも大きかったです。
自分が好きで楽しんでいることを受け取ってもらえる、喜んでもらえることのうれしさを噛みしめた出来事でした。


週末になれば好きな服を着られる(平日は身支度が面倒なのでノーメイクで地味な服を着ています)が心のよすがになっていたなぁ、としみじみと思います。
洋服は昔からの趣味のひとつですが、好きなものを表現して楽しむこと、より「好き」がもたらしてくれる世界が広がったこと、そうして楽しんでいることをたくさんの人に認めてもらえたことで、より自分に自信を持てるようになりました。
そして何より、「好き」が繋げてくれた縁でいろんな方とより仲良くしてもらえるようになりました。とてもうれしいです。
2019年の目標と野望「イベントでお会いするフォロワーさんとかわいいカフェでお茶したりお買い物に行ったりしたい」を達成できました! やったー!
いや、人と人の距離感って難しいから果たしてお誘いしてもいいのか、というドキドキは常にあったのですよね…。
いつももっぱらひとりで遊ぶことがほとんどだったし、お友達とは趣味が違うからなーと遊びに行く時はメインの目的地(美術館とか動物園とか)以外では主にお喋りがメインだったのですが、お友達と可愛いものを見のってすごく楽しいですね。好き、楽しい、うれしい、がますます広がる喜びはプライスレス。






「女子会だよ」
周くん「リボンつけてれば混ぜてもらえると思ったあたり中々図々しいな」




【お友達の輪が広がりました】
東京、大阪の文フリやティアなどの大型イベントがどんどん規模を拡大してどことなくビジネスライクな一大見本市と化していく一方で『書く人・読む人』が垣根をうんと低くしてゆるく楽しく刺激し合える場を作ろうとしてくださる方が増えてきたな、というのをここ一二年で強く感じました。
人様と仲良くなれるか、繋がった縁を継続出来るかは正直言って人との相性はもちろんのこと、双方の努力や運次第だと思います。
もとより人として難がありすぎるので(笑)不安や迷いもたくさんあったのですが、(自惚れと思われるのは承知の上で)送り出した作品のことも、自分自身のこともすごく大切にしてくれる人たちにたくさん出会えたことが何よりもの支えになりました。
「場」を生み出してくださった方々には深く感謝しております。



「女子会だから忍はエアー参加だよ」
周くん「みんな個性的だしかわいいな」

えいやっと思い立ってみんなで原稿を囲むお茶会なども行いました。
楽しかったので今後も不定期に行いたいです。


【やっとイベントのおはなし】
去年の秋に出したおやすみアンソロをより多くの人に届けたかったため、イベント参加を積極的に頑張った一年でした。
とはいえ、疲れたからと文フリ京都をお休みしてその日は鎌倉に旅行に行っていたのですが。

イベント参加
・2月 文フリ広島
・3月 テキレボ委託
・6月 静岡文学マルシェ
・9月 文フリ大阪
(各イベントの参加レポートなどはこちら

書店委託
・北海道 かの書房さま(期間終了)
・大阪 トリさん書店さま

あれ、言うほどそんなに多くない!?笑
でも自分の中ではこれでもすごく多いし、体力的にも正直限界です。

東京文フリに参加できてないのはちょっと残念ですが、わたしは旅行が趣味なので旅先で1日がほぼまるまる潰れてしまうイベント参加にそこまで積極的になれないのです…。
だから東京に行く時は始発で出て6時の新幹線に乗るもの…ほぼ会場の行き来で終わるとか日帰りで済ませちゃう人ってすごいと思う…らいさん遊び倒しすぎではってきっと思われている…せやで…。

より広く、垣根を越えてさまざまな「おはなし」が好きな人に自分の作る本に出会ってほしい、というのが文フリ以外のイベントにも出てみたいと思う原動力なのですが、しょうじき文フリ以外だと芳しくないのですよね。
それがなぜなのかはわからないけれどとりあえずガックリするし、もう諦めたというのが正直な気持ちです。






広島はびっくりするほど楽しかったのでまた行きます。来年も楽しいといいな。



3月のテキレボでは装丁を担当させていただいた服部匠さん発行の蒼衣さんの美味しい魔法菓子二次創作アンソロジーが出ました。
一次創作者なら誰もが夢見る自作の二次創作アンソロジー! 匠さんの作品の魅力とお人柄から集まった精鋭メンバーによるキャラクター文芸風味、ミステリー、オカルト、ちょっと大人な純文学テイスト、華やかでおしゃれなイラスト…と、各執筆陣の個性と持ち味が光る作品の数々は各参加者の創作キャラクターが「魔法菓子店ピロート」に遊びに行くというWコラボが楽しめる一粒で二度美味しい作品集です。
これはとても良い本になったので参加できて本当に嬉しい〜。

☆蒼衣さん本編はこちら☆
(なんと書籍版での第一部完結後の掌編まで読める!)

わたしの参加させていただいた作品はふたつ。
「ほどけない体温」の本編から10年後、忍と小さなガールフレンドりんちゃん(「ジェミニとほうき星」の海吏の親友春馬くんの愛娘です)と、彼のパートナーである周くんがピロートに遊びに行くお話。
「プリンセス・ドゥ・フルールの花咲く午後」

「ジェミニとほうき星」の本編から約5年後、海吏と祈吏、マーティンの三人がピロートに遊び二行くお話。
「Family Song」

問題作って言われてたような。笑
親友でありビジネスパートナーである八代さんにはやりの言葉でいう「クソデカ感情」を持て余す蒼衣さんと、かけがえのない絆を自分たちで手に入れた彼らの対比のお話となりました。
うまく作品のテーマを拾わせていただいた上で、メッセージ性を絡めたものとして中々良い作品になったのではと自負しております。
なにより書いているわたし自身が「その後」の彼らの絆を書かせて頂けて、素敵なお店に遊びに行かせていただけてすごく幸せでした。
蒼衣さんファンの方にも楽しんでもらえるといいな。



「匠さんのたいせつなお友達のみんなだよ。蒼衣アンソロのみんなもいっしょにいるんだよ」


この元画は6月の静マルでお会いした際に匠さんにお渡ししてきました。

らしさんの企画してくださった「うそと本と」ではジェミニとほうき星の海吏の大切なお姉ちゃん、いのりんがおやすみアンソロのレビューを書いてくれました。
本編を読んで下さっていない方にはよく分からないかもしれませんが(笑)ある意味で取り残されてしまったいのりんの気持ちについてはずっと考えながら幾度もお話を書いてきたのですが、一人では作ることの出来なかったあの素敵な本がわたしに届けてくれたことと、祈吏という女の子の気持ちが重なり合った優しい言葉を聞かせてもらえたことに、わたし自身が何よりも勇気づけられました。
この文章に出会えるきっかけをもらえたことが、この時にテキレボに参加した中で一番意義のあることだったと思えるくらい。

いのりんは海吏が好きになった女の子なだけあって、本当に思いやりがあって優しい子だなと思います。
理想と憧れの投影で「いい子」過ぎると言われればそれまでですが、わたしは彼女の思いやりと愛情の深さを心から尊敬しているし、愛しています。
とっくに大人になってからはじめて「自分が一から生み出した小説」を書けるようになって以来、自分には持てない強さや優しさ、勇気で大切な人たちと気持ちを分かち合える子たちに出会えたこと、それが誰かの作り出してくれた作品ではなく、自分の中から見つけ出せたものであることにすごく救われています。









「静岡のお友だちを描かせてもらいました」

静岡は旅行だと思って持ち込む種類も部数もふだんの半分くらいに減らせばいいやという感じ。
前日は三島~静岡を観光、イベント後は早引けして熱海に行ったんですけどあまりにも素晴らしくて楽しくて大感動しましたね。

手応えを得られたかというともう完全に…相性が悪すぎて…。
慌ただしい他のイベントと違ってサークルさんたちとお会い出来る機会、という側面が強いなぁと思いました。
様々な方とお会い出来るチャンスをもらえたことがありがたかったですね。
あと、短歌の本を作ったらどうですかと言っていただけたのもうれしかった。




梅雨時なので雨をテーマにしたポスターを作りました。
誰も気づかないと思うし黙っておけばいいと思うんですけどこれはふったらどしゃぶりです。




「らいさん匠さんに初めて会うからってプレゼントに本を作ったんだよ」
周くん「全く気づかない匂わせに大成功したってどや顔キメてたのが懐かしいな」




問題の匂わせツイート


中身はブログにアップしています。
「ジェミニとほうき星」から約15年後、海吏とマーティンと新しい家族のお話。
未来の可能性のひとつとしての彼らのその後を描けてすごくすごくうれしくて、思い入れの深いお話になりました。





文フリ大阪はいちばんホーム感と手応えがあります。
今回からBL島を出てみたのですが(エンターテイメントしている自信はないけれど、ボーイズラブで括るのもまた違う…というお話を書くようになってきたので)、やっぱり人の流れが違うのかな? というのはありました。

お知り合いが全くいないひとり参加は心細かったですが、朝イチはすっからかんだったブースにもお昼過ぎからは立ち止まってくださる方がたくさん! うれしい〜!




(本の作りも手製本や箔押しをしているアンソロと比べれば地味だし、単価も高くて長いけれど自分にとってなによりも大切なことが書けたので誇りに思っている)ジェミニが広島と大阪で持ち込み分完売したことは大きな自信につながりました。
まごうことなきボーイズラブ小説で、それゆえにある程度「必要としてくれる人」を選ぶ作品ですが、「恋をすること」で自分に向き合っていく、自らの傷を乗り越えていくことを大切に書きました。
自分の受け取った「ボーイズラブ」ジャンルが叶えてくれるひとつの側面を描いたもので、彼らに出会えたことがわたしをここまで導いてくれました。
「自分には縁のないもの」と思っていたであろう方に、わたしの出会った大切なことに興味をもってもらえたのはすごくうれしいです。



「文フリ大阪のお友だちだよ」
周くん「みんなに会えて楽しかったな」



【作った本のおはなし】

6月

Small town talks



おやすみアンソロを作った時に感じた「人は自らの人生という物語を生きていく中で手にした大切な宝物を心と心を伝うようにして手渡しあいながら生きていく」ということを本にしたかった。
バーカウンターの一番奥の特等席に腰を下ろした「彼」が、訪れる人たちの人生の断片に触れる、というコンセプトの連作短編になります。
元はいつ本にしたい、と思っていた数年前に書いていたシリーズをまとめたもので、旅人の残した手帳、遠くから届いた手紙をコンセプトに手製本で本をつくりました。
シリーズ三作はカクヨムで公開中

本のみで収録のお話では、おやすみアンソロに登場した旅人の男が「彼」と出会うお話を書きました。
今年の目標だった「おやすみアンソロのスピンオフ」がこちらです。

9月
指先に光の雨の降る朝に



「ほどけない体温」の周くんと忍がふたりで過ごす日々を通して得ていく大切なものたちをフルカラーで本にしました。
140字、300字~1万字程度の恋人たちふたりのエピソードと、お話に伴う短歌や俳句が収録されています。
実質的に月刊あましの総集編ですね。

くっついた後の(性愛で何よりも深く結ばれている)恋人たちの日々の暮らしぶりを描いたものなのですが、結果的に本編を知らないのであろう方にもたくさん手にとっていただけました。
本編を読んでからの方がきっと面白いけど、本編はだいぶしんどいのでこっちの方がきっと読むのは楽ですね。笑



わたしの短歌は特に推敲もせずに心に浮かんだものをふわっと投げている感じなのですが、わたしの生活に根ざしたものはなく、ほぼ心象風景ばかりを描いてるのでものすごく邪道なんだろうな、とは思います。
本に収録したのは小説と連動したもの(後から作った短歌を添えたもの、もたくさんあります)、ふたりの中に浮かんだ感情に近いものを選びました。(それゆえに収録を見送ったうたがたくさんあります)




ある日突然歌いたくなったから、という理由でぽつぽつと口ずさんだ歌は「詠んでいる」と言ってよいかは正直に言ってわからないし、歌壇などでの評価に値するものでもないのだろうと思っています。
とはいえ、わたしは「うたのリズム」だからこそささやける言葉を見つけられたことをとても楽しんでいるし、そうしてささやいた歌を目に留めていただけることをとてもうれしく思っています。
そして何より、「うた」を連れてきてくれる彼らを大切に愛しています。

いくつもの季節を泳ぐその先で終わることのないはじまりを知る


【書いたお話のこと】
ぽちぽちとあましのを息抜きに書いたり、次のシリーズに繋がるものを書いていたり。

きょうも誰かの誕生日
夜のメロディ
このふたつはDead Flowersに入っている「くらやみの色」の盲目の音楽家とナレーターのカップルのお話です。
シリーズとしてなにかそのうちに出せたらうれしいな。

いぬのはなし
これは今書いている新作のプロローグとなるお話。
ディディというキャラクターは5年ほど前に別名義で書いた小説にも登場したキャラクターですが、たぶんそのお話を読んでくださっていまもわたしの小説を読んでくださっている方はいないと思う…。


わたしが「月刊あましの」と呼んでいる恋人たちの日常の断片を思いつくまま書いたエピソードがぽつぽつあるのですが、そこはめんどくさいので割愛。笑
一番思い入れがあって大切に思っているのは「終わりの季節」なので、年に1本くらいはこういうお話を書けるといいなぁと個人的には思います。



小学校の桜はほんとうにどこかもの悲しくて美しくて、その光景がつれてきてくれたお話でした。


【次に向けて/これからのこと】
新しい長編のお話を書きたい! 書けない! というのがずっとあったのですが、諸々がひと段落ついてやっと取り掛かれるぞ! と、ずっと前から書きたかった新しいお話を書き始めました。
書きたいものを見失ってしまった作家が訪れた田舎街で出会った傷を抱えて生きるナイーブで心優しい青年と出会い、彼の生い立ちにある秘密に触れることで大切なものを得ていくお話です。
これは思いの外長くなりつつある&表紙などをお願いしてのすこし特別な本にしたいと思い始めたので、発行は5月の静マルを予定しています。

11月にらしさん主催で開催された書きかけの原稿を読みあいや積ん読消化を目的とした集い、「そうさく好日」ではこちらの前半パートを提出させていただきました。
限られた時間の中でとても大切に、書きたいと思ったことを汲み取っての丁寧なコメントを頂けたことですごくはげみになりました。良い本にしていきたいです。

大切な人で出会うこと、人生が交錯しあうこと、心を預け合うこと、その中で大切な何かを手にしていくことを描けたらと思っています。
そういった形での愛情や救いを描かせてくれるボーイズラブというジャンルの一側面をこよなく愛しているのですが、「恋愛」に回収されない形でそういった物語を書きたいという気持ちが今は強いです。
正直なところ、自分にそちら方面の才能があれば「創作BL」のジャンルで活動したかったな、とも思うのですが、自分が出会った・いま書けるものを大切にしていこうと思います。
文フリのいいところはわたしみたいにどのジャンルにもいまひとつしっくり所属出来なければ「ジャンルはわたしだ」って言えるほどの突出したものがない人間にも居場所があることですよね(ほんとうに…)


不定期に「なぜ小説を書くのか」系のハッシュタグがはやるのを見ていて思うのは、多くの人が自分の中にある、日常を過ごすだけでは抱えきれない衝動や表現欲求を形にしたい、生活の中でなかなか打ち解けて話す機会のないそれらの感情について解き放ちたい気持ちをもって日々を過ごしているのかな、ということでした。
シンプルに言ってしまえば「やりたいから・やらなければ爆発してしまいそうになるからやっている」ということなんだろうと思います。

敢えて踏み込んだ話をさせてもらえば、わたしは結局どこまでも寂しいという気持ちから逃れられないままで、わたしにとってのものを作ってそれを知ってもらおうとすることは「寂しさを埋めること、紛らわせること」に過ぎないのだろうけれど、きっとそれで構わないのだろうと、いまはそう思っています。
げんにそうやって過ごしてきたことでいままでよりもずっと確かな自分を持てるように、自分の力で自分を救うことができるようになりました。そのことは、ほかのなによりも大切なわたしにとっての誇りです。

音楽や物語や言葉は日常にときめきや刺激を与えてくれるものであるのと同時に、わたしに寄り添ってくれる、あたたかくて優しいものを届けてくれるかけがえのない大切な友達のような存在です。
自分が受け取った大切なものに対してきちんと言葉でその気持ちを伝えられるようになりたい、喜びや愛おしさを胸に抱きながら、その力を借りて前を向いて歩いていきたい、そして何より、受け取った大切な贈り物がくれたものを自分にできる形でまた次の誰かに渡したい、そういった形で、大切な人がくれた気持ちを自分なりに表現していけたらと強く思いました。
おこがましいと思われても、わたしは優しさと愛情で人と繋がりたい、自分を救ってくれたものをなによりも信じて愛しているからこそ、誰かの救いになれるもの、寄り添えるものを作っていきたいと思っています。
不安や迷いや焦燥感は絶えずありますが、自分のやりたいことがあること、それを見守ってくれた人、受け取ってくれたと教えてくれる人がいることを心から嬉しく、誇りに思っています。




これはらしさんの主宰してくださったそうさく好日で焼いたホットケーキ。
みなさんすごく喜んでくださって、自分が作ったもので誰かに喜んでもらえることがなによりもの喜びで救いなんだなぁと思いました。
わたしはホットケーキ屋さんになればいいのかな。笑




「忍はクッキーやさんとお芋屋さんになったんだよ」
周くん「秋は焼き芋って言ってたもんな」



【2020年に向けてのこと】
おしゃれしておでかけする会をやりたい
えっ、いきなり創作と関係ない!?笑
ちょっと非日常的なおしゃれをしてみたいけれど機会がなくて…みたいな声をちらほら聞くのでだったら機会作ればいいじゃん、みたいな。笑
基本的にひとりでどこでも行けるんですけど、ひとりじゃ行きづらい場所もありますからね。

何はともあれ今書いているお話の完成
手応えのようなものはあってすごく楽しんで書いているので(そうさく好日で読んでコメントくださったみなさんありがとうございます)、しっかり完成させていい本に仕上げたいです。

そろそろ分冊にしてもいいからあましのの総集編を…
わたしが常に書いてるからどんどん分厚くなるって話をしてたんですけど、適当なところで区切ればいいだけなんですよ。だって林檎は春に総集編の三冊目が出るんですよ。笑
(わたしの生きる希望!)(おまえにしかわからない例えやで)

光の雨が実質総集編なんですけどあそこからこぼれたエピソードがたくさんあるんですよね。
あましのはラブシーンのあるボーイズラブという読者を選ぶジャンルのはずなのにびっくりする速さで続編が売り切れたので本にしても読んでもらえるかなって。
ぶっちゃけた話、発行部数はジェミニのほうが多いけど海吏とマーティンはそんなに人気がないんだよね。

なんかしら手製本の新刊とか短歌の何かしらとか
短歌の本が作れてうれしくて(作ったら、といってもらえたことがそもそも嬉しかった)自分でも気に入った短歌が詠めたので形にしておくと楽しいかなって。
あと、2月は長編を見送ったので何か出したいですね。

なにかしら企画に呼ばれたい
去年も同じ事を言っていたのにほぼ呼ばれなかった時点でお察しだと思うんですけど。笑

やりたいことは率先してやったほうがいい、人のことは自分から誘ったほうがいい、行きたい場所には自分から行けばいいとわかっていても自分ひとりで出来ないことに挑戦したいし、必要とされてみたい、なにか違う世界に飛び出したい気持ちは常にあります。


公募系に興味がないのは結局たいして才能がないらしいのがわかっているからなんですよね。
反響だとか、何かしらの企画に誘ってもらえないことだとかの諸々を鑑みればわかるんですよそのくらいは。笑
それでもわたしは楽しく書いているし、送り出したものを受け止めて愛してくれる人がいるのは知っているからそれでいいのかなと思います。
本当に好きなプロの作家さんのようにはなれないけれど、それはそれで別に悲しいことではないんですよね。向上心や刺激があることはとても素敵なことだし、わたしには少なくともわたしを幸せにする才能があるのだから。

あらゆる迷いや苦しさ、アンバランスな感情と向き合っていく術、劇的なスピードで移り変わりゆく世の中から提示される数多の問題に向き合うことで生まれる軋轢に…と、なにかとぐったりすることも多かったのですが、苦しいことや不安なことや悲しいことがあったとしても、わたしを大切にしてくれる人がたくさん助けてくれたことがいつだったなによりもの救いになりました。
わたしをいまのわたしにしてくれたのは、たくさんの人たちの支えがあったからこそです。
心からの感謝と愛を贈るのと同時に、たくさんの愛情に報いることの出来るような自分でありたいです。

ここまで読んでくださった方がいらっしゃいましたらありがとうございました。
これからの先、あなたが迎える新しい年が晴れやかで愛に溢れた実りあるものでありますように。


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