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調弦、午前三時

小説と各種お知らせなど。スパム対策のためコメント欄は閉じております。なにかありましたら拍手から。

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アマビブチャンネルのこと

【アマビブチャンネルのお話】



現在参加させていただいている文芸同人誌のオンライン即売会イベントである尼崎文学だらけ(通称あまぶん)内での「書籍に寄せられた推薦文をもとに本を紹介する」WEBラジオ、「アマビブチャンネル」(#アマビブ の詳細はこちら)にて「黒い犬」を紹介していただきました。
推薦者の服部匠さん、主催のにゃんしーさん・泉由良さん、ゲストの尾内以太さん、ありがとうございます。

由良さんはカクヨムでのウェブ版を読んでいただき、にゃんしーさん・尾内さんは未読(尾内さんとわたしは面識がない)という三者の状況が違うことで、立体的に「この本はどんな本なんだろう、こんなところが期待できるんじゃないか」というおしゃべりが繰り広げられていて、大変うれしくはずかしく、光栄でもありました。
読んでくださった由良さんの「面白い」という言葉にたいへん励まされたことをここでお伝えさせてください。
すごく大切にしていること、書きたかったことを書いたので自信はあるのですが、客観的に「面白い」かどうかはわからないので…笑
心のスイッチを押しにかかるようなくだりがあるので、読んでくださった方はつらい気持ちになってしまうかもしれませんが大丈夫ですか、というのはちょっとあります。
あまぶんに集まった本もそこに寄せられた推薦文もたいへんクオリティの高いものばかりで、あれだけ注目度の高い作品が集まる中で取り上げていただけたのがすごくうれしい…生きててよかった。笑


*

「黒い犬」は自分の進むべき道に迷った小説家の主人公・アレンが教会で暮らす青年・ディディに出会ったことで、見失いかけた「物語」を書くことへの思いや、自身が成し遂げたいことが何なのかを取り戻していく――という筋立て。




作中で彼が書く「牧師様一家に飼われているおしゃべりをする黒い犬がみなの悩みを告解室で聞いてくれる」という作中作の設定をもとに作品を寄せてもらったのがアンソロジー「ダレンと5つの心の扉」です。
なぜ彼が「おしゃべりをする黒い犬」の物語を書くことになったのか、タイトルに冠された「黒い犬」とは何を意味しているのか、などは本編を読み進めていただくことで明らかになります。

にゃんしーさんにも、推薦文を寄せてくださった服部匠さんと鳴原あきらさんのコメントにも「繊細な表現」という言葉をいただき、小説と本人とは別物とはいえ、繊細さなどかけらもない人間なので照れますね…。
わたしは小説や音楽がとても好きで、表現の中で描かれる、心の震えが閉じ込められたかのような繊細な美しさに焦がれているので、そういったものを作品の中で表現できていたのならうれしいです。
「黒い犬」はカクヨムで全文を公開していて、書籍版にはWEB版にない「彼」からのあとがきが、WEB版には番外編の短編がいくつか載っています。


推薦してくださった服部匠さんのWEBカタログはこちら。
嫉妬や不安や迷い、様々な息苦しさをやわらかく包み込み、そっと背中を押してくれるような作品テーマとヤングアダルトの系譜を継ぐ軽妙でやわらかなタッチが魅力です。


*

男性ふたりの強い心の繋がり、絆を描いた作品ではありますが、この二人の関係は恋愛ではありません。意識してそういったものを書いたというよりは、彼らが彼らであるからそうなった、という感じ。
わたしは作品内で描かれる性描写も含めてボーイズラブというジャンルがすごく好きなのですが(BLジャンルにおいて性描写がほぼ必須でありながらきちんとした年齢制限がないこと、性別に関係なくノンセクシャルの恋愛物語があまりに世の中にないことへの疑問や問題点は一旦置いておいて)既存の大きなわかりやすい枠組み(ロマンチックラブイデオロギー・親密な関係からの性行為への発展)に回収されない物語を求める気持ちがあるからこそ、ブロマンスや名前のない関係性と呼ばれる類のジャンルが注目されるのかな、と思います。
ブロマンスという言葉が『発見』された時、『彼らには女性の恋人や配偶者がいたりもするが、彼らふたりの絆はゆるぎないもの』というたぐいの解説があったように思うのですが、『彼らは恋愛関係にはなりません』というある種の保証のために『彼らはゲイ【なんか】ではありません!』と主張しているかのようなホモフォビアを感じてしまうんですね。
親密な女性同士の物語に【GL】と冠されている時の『この物語内では女性同士で愛をはぐくんでいきます、いずれ男性と結ばれて"妻"になる、という形で引き裂かれることはありません』というのにも繋がるのだろうか。
『自分が求めている物語』がジャンルとして確立されていないからこそ『この関係にはまだ名前がない』と言わなければいけなくなるのかもしれないし、『同士』に出会うためのハッシュタグの必要性が話題に上がるというか…。

『恋愛』にはあてはまらない・性的関係を結ぶことを当然のゴールとしない強い希求関係が求められている、というのはわかるのですが、なんというか、身近な存在として共に生きる大切な人をありのままに愛することはそんなに難しいことなのだろうかと個人的には思ってしまいます。
現代社会を生きているとあまりに異性愛規範が強すぎて、自身でも気づかないうちにそれらを内面化してしまい『恋愛ではないはずなのにこんなにも強い感情を抱いてしまうのは不自然だ』と思ってしまうからなのだろうか…。
「黒い犬」はおとなのためのお伽話として描いている物語で、作中の世界では異性愛も同性愛も隔たりのないもの、として受け止められているある種のパラレルワールドなのでああいった関係性を書けた、というのもあります。

個人的には、恋人や(擬似)家族の関係に至るのだとしても、友人や親しい隣人、仕事上のパートナーの関係なのだとしても、互いに慈しみや愛を寄せ合うことで繋がり合おうとする人たちのあり方を物語の中で描きたいのかな、と思います。
心を寄せること、愛することをあるがままに赦されている関係性に優しさや救いを感じるのかもしれません。

誰のことも疎外しない、誰のことも傷つけないものはきっと書けないけれど、自分が受け取ってきたたくさんの愛ややさしさに報いることが出来るようなものを書くことが出来ないだろうか、というのがいつも根底にあります。


*

★あまぶんのWEBカタログ「午前三時の音楽」のページはこちら★

あまぶんには3冊まで作品を登録することが可能になっていて、現在は「黒い犬」をめぐる2冊の本を登録させていただいたのですが、新しく書いた3冊目を登録させていただきたいな、と思っています。
ひとまず書き終わってはいるので、仕上げたらペラっとしたコピー本にでもしたいな、せっかくだからzine系のイベントなどにおじゃまできたらな、などと考えています。
コロナ禍をきっかけにベランダ越しに言葉を交わしたお隣さんと距離が近づき、主人公の男性はぼんやりとお隣さんのことを好きで…と言う感じのお話で、「お隣さん」は以前書いた「まよなかの頃」という作品に出てくる遠峯さんです。
とりあえず仕上げられるといいな…割とちゃんと焦らないといけないのでは。


【推薦文のはなし】
あまぶんにはカタログに登録された本に推薦文を寄せることが出来るようになっており、たくさんの人たちの推薦文を読めるようになっています。
参加者/非参加者含めて同人誌の書き手さんが多く参加されており、作品に寄せられた言葉から個々人の文章力やセンス、着眼点、お人柄がありありと伝わるところがとても興味深いものとなっています。
個人的に、感想と作者さんにお伝えする言葉(ファンレター)と推薦文は自分の中ですべて別物なので、簡単なものではありますが、推薦文はすべてあたらしく書き下ろしています。

わたしが推薦文を書かせていただいた作品

「ゆきのふるまち」くまっこさん
「ポケットがゴミでいっぱい」柊らしさん
「星間滑翔」壬生キヨムさん
「蒼衣さんのおいしい魔法菓子」服部匠さん
「育児アンソロジー2 こどもはかわいい こどもはたいへん」主催:ななさん
「磯の口止め」桜鬼さん

次に出会うどなたかの「好き」につながることができれば嬉しいです。


【最後に近況報告のようなもの】
いま現在の(どんどん混迷していく)状況を見ているとまだしばらくはお友だちにも会えないしイベントにも出られないな、たまにひとりでさっと出かけるくらいなら大丈夫なんだろうか…大丈夫であってほしい、しかしまあいい加減寂しいな、というきょうこのごろです。

Q らいさん、出かけられないし人にも会えないのに服を買っていますね。
A 生きがいっていうか憂さ晴らしっていうか…

結果どうなるのかというと、いまだに下ろしてない服が増えるんですね。笑
こんないまだからこそお気に入りの服を着てワクワクする楽しい気持ちを忘れたくない、というのもあるのかも。

運動不足ゆえの体力のなさがさらに加速しているのではと思い、一月ほど前からフィットネスに通い始めました。
体力作り目的なのですが、まんまるの顔が心なしかシュッとしてきたので次にみなさんにお会いできるときにはいい感じにパワーアップして搬出の箱を軽々持ってTRCの2階から1階へのあの道のりを鼻歌まじりに荷物を運べるようになりたいですね。
いやそれは無理なのでは…。
とりあえず去年の文フリ大阪で着る予定だったドレスをらいねんあたりには着たいです。


世の中には見過ごしてはいけない問題がたくさんあり、自分自身が不勉強であったり、考えの定まっていない部分もあり、日々いろいろなことに思いを巡らせては考え続けています。
怒りや疑問に感じることほど声を上げて意思表明しなければ、とも思うのですが、強い言葉を使う勇気があまりなく、はっきりとした言葉で論じてくれるひとさまに思想や怒りをアウトソーシングしてしまうのも違うような気がして、結局言葉を濁してしまいがちで…。
言いたいことは作品でだけ書きます、と言い切れるほどあらゆる意味で強い作家でもないですしね。

思想の方向が合う・多少の方向性の違いはあったとしてもきっと対話が出来る、と信頼しているお友だちにもこの状況下では会えないからもやもやが余計にたまるところはあるんだろうな。
とは言え、『とっておきの場所のために選んだ服を着てお友だちに会う』という今まで通りの行動を選んでしまうことが終わりのないこの日々をますます長引かせるのかもしれない、と思うとやっぱりやるせないです。
さびしいし人恋しいんですよね、要するに。

物語を、そこに閉じ込めた思いや、寄せさせてもらった感情についてお話をさせていただくこと、こと同人誌となれば受け手と書き手の距離感が近いため、双方向での対話が実現することにすごく救われているのですが、こうして長い間人に会えない状態になってしまうとそのありがたさをますます実感させられるな、と思います。
場を作っていただけることに心から感謝しつつ、『楽しく遊ばせてもらう』ことで盛り上がりに貢献できればと思う次第です。




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2021年もよろしくお願いいたします。

こちらは創作TALK 2020−21に参加しています。

2021年が始まりました。
元旦は毎年スーパー銭湯に岩盤浴に行ってリフレッシュしているのですが(去年は頭痛がひどくて断念しました)、お日様が気持ちよくてたいへんすてきな露天風呂日和でした。

前回の記事(おそらく最長なのでみんな「長くてごめん」って言わないで!笑)を読んでくださったみなさまありがとうございます。
拍手などでご反応くださった方、たいへん励みになりました。ありがとうございます。

タグで上がっている記事は一通り読ませていただいておりますが、生活の変化を余儀なくされる中で、それぞれに個人差がありながら『それはそれ』として上手く暮らしを立て直しながらこの状況下でできる活動にシフトチェンジしていった方が多かったんだなぁという印象でした。
書きたいものはたくさんあるし、いくら社会がままならないからといって手を止めているわけにはいかないというところなのかな。
収入は変わらず、の言及が多かったのも2020年ならではですね、うん。
(ぶっちゃけた話、不況の煽りを受けて会社勤めからから望まない形でフリーランスになったので……)

何はともあれ、同じ時代を走り抜いている人たちがたくさんいること、それがどんな足取りだったのかをこうして教えてもらえることはとてもありがたいことだなぁと思っています。


【2021年の目標】
生き延びる、以上

もうこれだけでよくないですか?笑
とはいえ、それだけではあまり面白くないので……

秋の新刊を読んでもらえるように引き続き頑張る
沢山の人に力を借りて送り出したものなので、まだ届けられていないであろう方たちの元に送り届けられるように頑張らなきゃいけないし、それが出来ないとお世話になったみなさんに義理が立たない。笑
テキレボまで待ってくださっていた方がいらしたのなら嬉しいです。


出来れば新しい小説が書きたい
去年は5年ぶりの長編が出せてたいへん嬉しかったんですが、とても楽しかったので時間がかかってもいいからまたあたらしい物語に出会いたいです。
可能ならば現代の日本で恋愛をしない人たちのお話が書きたい……。

価値観が大きく変容しつつあり、見過ごせない事件も多い2020年代を生きながら物語を書く(現代を舞台にすれば余計に)のはすごく難しいことだな、と思うのですが、「声を上げてくださった方」がいてくださったことで自分が長年社会から受けてきた傷を随分救ってもらったし、『傷を負っていた』ことにすら気づけなかったので、そこから得た気づきをフィードバックしながら『いまの自分』が出せる答えや希望を形にしていければと思っています。


いい小説を書きたい
これに関してはわたしが「これは自分が伝えたいと思ったことを自分なりの形で落とし込めた」と思えればいい小説なので、外的な評価はそんなに関係ないです。
とはいえ、せっかくいいお話が書けたからもちろん読んでほしいんですけど。笑

去年はあんな感じだったのに思いの外小説を書いていたし、自分にとっていい小説が複数書けていたので今年の高梨先生にも期待しています。


2021年の約10冊に入れてもらいたい
読んでいる間楽しかった、と思ってもらえればすごくうれしいし、叶うことなら『読んだこと』によってよい方向の変化を感じてもらえるような、忘れられない大切な一冊になってほしい。


体調に気をつけて深刻な病気にならない
ストレス性の蕁麻疹と手湿疹、仕事で根を詰め過ぎて腰痛と胃痛になったくらいで済んでよかったわねあなた……気をつけるのよ。




去年はろくに会えなかったお友達ともおしゃれしてかわいいカフェに行きたいし、いけなくて諦めたたくさんの展覧会にはまたチャンスがあるのなら行きたいし、ライブにもそろそろ行きたい、去年リストアップした行ってみたいカフェにも行きたいし、本も出来るだけたくさん読みたいです。
イベントも……今年は出れるといいんですけど……。
そのためにはひとまず、どうにか生き延びるしかないですね。
東京に行きたいお店がたくさんあってお金を貯めてるんだけど……関西圏を出るのはまだしばらくは無理そうだな、もっとお金を貯めよう。笑


Twitterであげた、2020年の約10冊はこちらでした。

森田真生「数学の贈り物」
吉田篤弘「空ばかり見ていた」
ブレイディみかこ「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
戸田真琴「あなたの孤独は美しい」
都甲幸治「世界文学の21世紀」
若林正恭「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」
松浦理英子「最愛の子ども」
ドミニク・チェン「未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために」
堀部篤史「90年代のこと 僕の修行時代」
小川洋子 河合隼雄「生きるとは自分の物語を作ること」


あれ、小説があんまりない。笑

自身の興味・関心の幅が広がったことで新しく見えてきたものがあり、そこから見えてきたもの、考えたり感じたことなどをフィードバックしていければなと思っています。
「ものがたり」や言葉の世界でより一層自由になれるようにこれからも言葉と心に向き合いながら世界をより広げていきたいし、そのための感受性の扉をより開いていければな、とも。
積本もたくさんあるけどこれから読んでみたい本リストもたくさん溜まっているのでぽちぽち色々読んでいきたいし、糧にしていきたいです。

評論関係の同人誌もポツポツと興味深く読んでいて、自分の考えについて表明しておくことは大切だなぁと思うのですが、こうしてたまに口語体でブログを書いておくくらいで割とキャパシティがいっぱいいっぱいの感じなので、あまり無理はしないということで……。
(カメラ=万年筆はいい機会でした)
(あれを書いてる間も編集してる間も頭が痛くなるまで泣いていたので……)

自身の輪郭をなぞりながら「何を伝えたいか/何を残したいか」と、「より良く生きていく」術について考えていければと思います。


【最後に宣伝をします】
〜11まで開催中3/11まで開期が延長されたオンライン通販型同人イベント、Text Revolutions Extra2に出展しています。
400弱の多種多様なジャンルに及ぶ参加サークルの本やグッズがおうちから買い放題!
わたしは初日にサクッと注文しましましたがぽつぽつ頼み忘れがあるので追加ポチを粛々と狙っています。







稲取09、午前三時の音楽のおしながきです。




増えた本そのいち、「いぬのはなし
黒い犬」のディディとその家族の物語




その2、「Nobody can,but you.
ほどけない体温」のふたりの手探りで歩み始める恋のはじまりのお話。
表紙ができたよやったね!




イヤリング屋さんもやっています。


★WEBカタログ★
☆通販ページ☆



また、自宅より即日お届けのBOOTH通販も窓口を開けております。
まだしばらくイベントには出られそうにないので、よろしければお気軽にご利用ください。

そもそもどんなお話を書いているの? という方はこのブログのお話のカテゴリーからどうぞ。

すこしでもあなたの心に留めていただけるものをお送りできればと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。


拍手

2020年を振り返る



「こんにちは、忍とらいさんの楽しいクリスマス会2020を描いたから見てください」
周くん「毎年このスタイルでいくことにしてるらしいけど、初見の人を鮮やかに置き去りにしていく感じがある意味潔いよな」

忍は拙作の小説「ほどけない体温」に登場するキャラクターです。(周くんは彼氏という名の保護者です)
なぜか絵を描いてくれるしわたしにかわってよく喋るのでしばしば周くんとふたりで当ブログの進行係を務めてくれるのですが、なぜなのかは作者のわたしにもよくわかりません。

こちらは年末年始恒例の振り返り企画、創作TALK 2020−21に参加しております。
例年通り役に立つことは一切書いてなければ画像も多いしとても長いです。

参考までに過去三年分はどんな感じか見てみましょう。
☆2019年☆
☆2018年☆
☆2017年☆


【自己紹介】





周くん「らいさんっていうかほとんどおまえの自己紹介だな…」
「フォローしてくれる人がたまに増えるから自己紹介しなきゃなって思ったんだよね」

高梨來は2014年から文学フリマに出展するようになり、一次創作文芸同人誌即売会を中心に活動しています。
趣味はおでかけ、美術館とカフェ巡り、洋服、読書、旅行、工作などなど。
おたくだけれど比較的アウトドアよりな趣味なので2020年の激変に大打撃を受けたことが一目瞭然ですね。(とてもかなしい)


【ざっくりした雑感】
生活が変わらなかった人なんてきっと誰ひとりいないし、見過ごしてはいけない事件があまりに多く、社会への不安や不信感は募るばかりで『問われる』ことがますます多い一年だったなぁと思います。
(ポリティカルコネクトレスに関する話題は2019年よりもさらに激化した気がします)
(断罪されているかのようで苦しい、とも思いますが、いままで「見過ごされてきた」ことにちゃんと視点が当たったということなので、とても大切なことだと思います。社会から一方的に押し付けられた「正しさ」になんて従ってたまるか! 創作はもっと自由なものだ! という気持ちもありますが、無知によって人を傷つけてしまうことと、自覚と責任をもって表現を「選ぶ」ことの間には大きな壁があり、とても重要なことだと思っています。)

こと2020年に関しては例年以上にこんな年だったのに生きててものすごく偉いということに尽きると思います。

CDやレコード・配信などで音源を聞くこと、映像でライブや映画・ドラマ・アニメを見ること、端末や紙の本で言葉に触れることなど、家の中にいてもあらゆる芸術と出会うこと・扉を開くことはいくらだって出来るし、『部屋の中にいても自分の足ではたどり着けない遥か遠い場所へいざなってくれる』というのは芸術の果たしてくれる大きな役割で喜びではありますが、『不要不急』の名のもとに生の作品と向かい合うこと/未知の出会いに触れること の機会が大きく奪われたのは大きな障壁になったなぁと痛感させられました。
美術館や映画館が長期間閉鎖されていたこと、楽しみにしていた展覧会が中止されてしまったのがほんとうにつらかった。

週末になったら何を着てどこへ行こう、お友達に会えるからどんな話をしよう、と心のよすがにしていたものが……ものの無惨に……。
毎年恒例のように来る台風に豪雨災害、各地で相次ぐ地震、と、自然の驚異の前にはなすすべもないということに尽きるとは思うのですが、本当にいろいろな目を背けていたものがウイルスの恐怖を目の当たりにした世の中で明らかになってしまった。
「いつかの先のお楽しみ」だと思っていた行きたかった場所、なじんだ場所、かわいいお洋服を作っているアパレルブランドもどんどんなくなってしまいましたしね。
今年前半は特に、もろもろの生活環境の変化によるストレスがつらかったです。

もっと明るい話に軌道修正すると、出かけられないしお友だちにも会えないのでお気に入りのお洋服が全然着られなくてフラストレーションがたまりました。笑
あんなにかわいいのに着てもらえなくてもったいないしかわいそう。
そんな中でもなんだか服をたくさん買ってしまい……いつ着れるんだろうね!?
かわいい服を着ておでかけができないと心がカサカサになってしまう……常にマスクをしなきゃいけないのでリップメイクができないのもとても悲しいです。
秋冬の可愛い新色を見ててもため息しかでないや。

あれ、暗いよ!!! 楽しいはなししようや!!!

わたしは3月生まれなのですが、「お誕生日なので前から行きたかったいいお店に行ってみたい」とお友だちにお付き合いしてもらってスイーツバーにご一緒してもらいました。
自分で自分の誕生日を祝福しよう2020!

新地の似合う女になりたかったので年一くらいで着るドレス(前にも文フリに着ていったネイビーのサテンのやつ)を着てサロンで髪の毛をセットしてもらいに。

「え、めっちゃかわいい。すごいかわいい。きょうのわたしはめちゃくちゃかわいいのでは!? えっすごい! お姫様じゃん! ハッピーバースデーわたし!」

お姫様にしてもらえたのがうれしくていま思い出してもちょっと泣いてる。
自分にちょっと手をかけてもらうことであんなに楽しくて特別な気分になれて自信を持てるとは思いもしなかった……のでここを見ている方にはどしどしおすすめします。
2000円くらいからでお願いできますよ。



北新地のフィナンシェさま




あまりにも楽しかったので11月に「2020年を生き抜いて偉いお茶会」でウエスティンに行ったときにもパーティドレスでヘアセットをしてもらって「あましのの結婚式に出席してきた」って言ってました。
おめかし写真ははずかしいので載せない。笑



「かわいいお姫様たちのヌン茶タイムにお仕えする執事だよ。アスカさんもれんげさんももっとかわいいよ」
周くん「らいさんだけ人間じゃないのがシュールだけど特徴がよく出てるな」


わたしは(似合わないので自分では着ないけれど)ロリィタファッションが大好きなのですが、ロリィタさんたちのめいっぱい大好きなものでいっぱいのお洋服でおめかしして集まってかわいいお洋服の似合う場所へのおでかけを楽しんでらっしゃるライフスタイルはほんとうに素敵だなぁと思います。
ハレの場は自分で作るものなんですね、きっと。

創作関係で知り合ったみなさんがジャンルも嗜好しているものもみんなそれぞれに違ってもおしゃれや可愛いものが大好きでおめかしで遊びに行ったりお買い物に行ったりを楽しんでいただけるようになって、とっても楽しい。
お友達とは趣味が違うのでもっぱらおしゃべりがメインだったので、プラスアルファで楽しさを分かち合えたよう。もっと世の中の状況が落ち着けば行きたい場所がたくさんあるんだけどなぁ。


【書いた小説(オンライン)】
息抜きにぽつぽつと「ほどけない体温」のふたりの日常などを年中書いています。

ひとのうわさ
正確には2019年の書き収め。恋人のうわさ話にやきもきしたり、それでもひとさじばかりの優越感をおぼえたり。

世界をとめて
忍の耳、は初めて会った時から気にしているパーツなんですね。思い出してもらえたらうれしいです。ふたりの世界を切り取るのが好きなんだと思います。

especially for you
人たらしの彼氏の「特別」を持っているということ。忍は素直でいい子だな。

春の名前
愛の名前
自粛ムードがどんどん高まり、家の近所でお花と空の写真ばっかり撮っていた日々の中で書きました。
森山直太朗も歌っていたとおりの最悪の春で、こんなにも花が綺麗なことをどれほど残酷に感じたろうか。




とつぜんの贈り物
どんなに些細なものでも、それを特別で大切なものだと思えるのは愛情の証。

かわいい人
これも厳密には2019年だったかな。
周くんのこういうところがかわいいところ! ってわたしと忍は大盛り上がり。笑

グッドモーニングブルー
寝苦しくて目が覚めることが多かったのでいちゃいちゃしてもらった。笑

短いお別れ
これだけ「黒い犬」の番外編。もう出会えない人への弔いと祈り、残された魂がどんな風に「愛」に報いて生きていけばいいのかというのは繰り返し本編でも取り上げたテーマでした。

真夜中のラブレター
テキレボアンソロに二本目でお邪魔したもの。
大切な人が寄り添ってくれるともに生きてくれていることへの感謝と愛を「あたりまえ」にしないふたり。
この子たちはなんやかやで育ちがいいですね。

おうちのあかり
アンソロを公開してもらったのとすごくうれしいことがあって心から生きててよかったと思ったので(笑)ぴょんぴょん書きました。


あましのはわたしの生活と愛に基づいているので日々、何か感じたことや考えたこと、うれしい・愛おしい・大切だと思うことがあるとお話を書きたくなってしまいます。
そういった気持ちに寄り添ってくれる、「お話」を連れてきてくれる彼らのことを心から愛していられることは心から幸せなことだと思います。
あんまり読んでもらえてないっぽいのが寂しいんですけどわたしは何度も読んでるし(笑)、アンソロなどにお邪魔させてもらうと「仲良しでいいね」と皆様に温かく見守っていただけてとてもうれしいです。
来年もあましのは仲良しです!笑

これだけわたしの生活ととも彼らがいてくれること、小説を書くことは生きる喜びになっているからこそ、すごく元気が出ない時期が続いて何も書けないし書きたくなくなってしまったことがすごくつらかったし、また新しく書けるようになったことは大きな誇りになっています。
でもこうして数えてみると案外多かったんですよね。もっと元気なら倍以上は書いてたのかな。笑
(一時期は毎週書いてました)
(仕事がつらすぎて毎週新作を書くことを生きがいにしていたんです)



【参加したイベント】



2月23日 文フリ広島
★参加レポート★

これが最初で最後の直参でのイベント参加……。
コロナはどうやらものすごく恐れなければいけないものらしい、と自粛ムードが一気に広まり始めたころで、開催できるか・参加してもよいのかすごくハラハラしていました。
結果、欠席も多くて寂しい会場でしたが、盛り上がりはじゅうぶんありました。

文フリ広島は会場の過ごしやすさ・規模・程よいアットホーム感など、トータルでの居心地がすごく良くて手ごたえもばっちりあるので第二のホームだと思っています。
東京ではどうしてもアウェーなんだよなぁ。参加者が多すぎるからよっぽどの話題性がないと埋もれちゃうんですね。



はずかしいけど(お着物が)かわいいので見てみて。





 

「らいさん尾道で前泊していっぱい食べていっぱい歩いてすごく楽しかったんだって。来年は実駒さんといっしょにお泊り会しようねって言ってたんだけどちょっと難しくなっちゃったね」
周くん「尾道の土地勘ができたから今度はいろんなところに案内するんだって張り切ってたもんな」


遠征ついでの旅行は欠かせない楽しみですもんね。
正直来年の文フリ広島には……出られると思っていた……。(自粛期間にホテルを予約しましたがキャンセルしました)








楽しかったね、ってちょっと切なくなっちゃう。


5月18日~31日 Text Revolutions Extra
★参加レポート★



相次ぐイベント開催自粛に合わせて急遽開催されたオンライン同人誌即売会。
複数サークルにまたがる注文をまとめて受注→振り分け・発送の「お買い物代行システム」の実績のあるテキレボならではの新しい形での即売会を(5月に向けて本を作っていたであろうあまたのサークルの救済策として)このスピードで開催された決断力とパワーはひたすらすごかったと思います。
「テキレボ!? 新刊作らないと!」と動いていたみなさんのパワーも。
正直テキレボであんまり売れないし、とにかく元気のない時期だったので既刊の在庫が減ればいいなと申し込み、宣伝も最低限と消極的な割にほぼまんべんなく手に取ってもらえました。
ツイッターの宣伝合戦とWEBカタログでのチェックはもちろんですが、カート式通販でジャンル別にいろんな本をチェックできるのが新規開拓になったのかな?

とにかく元気が出ないし何も出来ない……本も読めないし小説も書けない……アンソロ、どうしたらいいんだろう……という時期ですごく弱気になっていた中、カツを入れてもらえた感がすごくあって助けられたなぁと思います。




「いいね!光源氏くん」のドラマと冬から始めたアクセサリー作りがひたすら癒しで救いでした。えむ先生、千葉くん、沙莉ちゃんありがとう…。
たくさん作りすぎたイヤリングはテキレボEXBOOTHで販売しております。




秋に出すアンソロの告知フライヤーを頒布できる場所ができてすごく助かりました。(アンソロの話は後述します)


9月
ブクハンセンダイプチ
エアコミティア133


どちらもリアルでは参加したことのなかったイベントですが、文フリ大阪をお休みしたので宣伝を頑張らないといけなくて。笑
どちらもリアルの場が奪われてしまったからこそみんなが楽しめるチャンスを! とすごく力を入れてくださっていて心強かったです。
ブクハンは毎日日替わりで宣伝させていただくのも楽しかった。
リツイートしてくださった皆さん、これを機に作品を知って手に取ってくださった皆さん、ほんとうにありがとうございました。

ただまぁ、エアイベント=自家通販への誘導ではいくらどれだけ自信がある本・新作があっても思ったように手に取ってもらうことは……ものすごくカリスマ性・人気・話題性がないと無理なようですねと実感もしてしまい……。

文フリ大阪に関してはしょうじきなところ、3月末の時点で無理だろうと覚悟していましたがやっぱりすごくかなしくていまだに心残りです。
「危ないからダメ!」と停止するばかりではなく、気を配りながら場を守り続けることに尽力してくださった主催者さま・参加者の皆様には心から感謝しています。
誰も不安を感じず、できればマスクをしなくても/みなさんと気兼ねせずにおしゃべりが出来るようになったころにはまたサークル参加できればなと思っています。

アンソロジーを企画しているんだから棄権するのは無責任だろうとも思ったのですが、たくましそうに見えるけれど不健康なので(笑)、リスクの高い人間はイベントに行くべきではないだろうと判断し、その分ウェブでの告知をすごくがんばりました。
ツイッターでの関連情報はこちらにまとめてあります


10月
KITAB2!に参加

厳密にいえばイベントではありませんがここで。
里見透さん、井中まちさん、祐太さんが主催の一次創作同人誌の宣伝・応援のデジタル冊子です。
春に発行された1号は見送りましたが、今回は秋の新刊があるのでエントリーしたかった。
ボリュームも読み物コンテンツもはるかにアップ! 熱気がたくさん、読み応えたっぷりの冊子に仕上がっていて、参加させていただけてとてもうれしかったです。
★2号のダウンロードはこちらから★

作る楽しさ・喜びを忘れずにいよう。そしてきっとまた会場で出会おう! という熱意と愛のあふれた、楽しくてあたたかな一冊になっています。





レイアウトが作品のイメージにぴったり! かわいくてうれしくなっちゃう。

通販が来たかというと……テキレボまで皆さん待ってくださっているんだろうし、参考にはなったんじゃないかな……笑

5月ごろ「印刷屋さんもピンチだからイベントがなくて通販オンリーでも同人誌を作ろう!」という盛り上がりがあり、個人誌の新刊はもちろん、アンソロなどを新たに急スピードで計画される人も多くて行動力に感動したものです。
とはいえ、あんなにもすごく熱を入れて宣伝したけれど通販オンリーで活動するのはどうやら自分には無理らしい、と実感させられたし、絶望感も感じました。
この状況でも新しい企画を立てたり予定通りの新作発表が出来た人は本当にすごいと思います。


12月5日 ちょこっとブックカフェ福岡
☆参加レポート☆

 



見本誌を作ること自体が久しぶりでちょっと泣きそうになっちゃった。

評判のいいイベントで人気も高い分、参加できるとは思っていなかったんですが、すてきな会場に本を並べていただくことができました!
念願のリアルなイベントで新刊を頒布できたこと、どちらも複数冊手にとってもらえたことがすごくうれしくて励みになりました。
来年には即売会の「ちょこっと文芸福岡」もブックカフェも両方開催されるそうなので、夏は苦手なので12月に遊びに行けるといいなぁ。


12月26日~3/21 テキレボEX2

 



あの全通販型同人イベントがパワーアップして帰ってきた!
秋の新刊を大型イベントで頒布できる機会がやっときた!!!!
というわけで、たいへん張り切っております。
午前三時の音楽は稲取09でお待ちしております。

★WEBカタログ★
☆ご案内ブログ☆
まさにきょうからですね! 楽しい出会いがたくさんあるといいな。



【作った本のお話】



カメラ=万年筆

文フリ広島の新刊でした。
心の中の息苦しさやひび割れた部分、目をそらしていたこと、心象風景の置き場のような本が作りたくて書きました。
写真とエッセイ、短い小説。

ここに収録している阿藤さんと嶋崎くんの高校生だったふたりの物語は本来ならきちんと『書くはずだったはずの断片で、そこに対して無理矢理に『終わらせた』形になります。
ずっと書けずにいたのは端的に言って、向き合うことが怖かったとしかいいようがありません。
いまになって振り返ればここに閉じこめた感情のすべてが色褪せたアルバムのようで、そうなれたことに、こうして形にした意味があるのだと思います。

わたしの好きなエッセイは寺尾紗穂さんの「彗星の孤独」です。




丘の上の教会に住む不思議な犬のおはなし

秋に発行予定のアンソロジー、「ダレンと5つの心の扉」告知のために作った折本。
これを作ってテキレボEXで頒布する! がおおきな目標で心のよすがになったところは多いにありました。
おはなしはこちらで読めます。




メンバーが決まった2月に実駒さんにお会いして「うちのアンソロのメンバー決まったんですけどやばくないですか!? どう考えても期待大でしょ!」ってドヤっていて(笑)
2月の文フリ広島の時にはPCが壊れていて告知が出せなかったのですが、4月ごろにテキレボEX合わせでやっと告知ができました。
何度でも言いますけど、このメンバーが集まったすごい企画を2か月黙ってたわたし、めちゃくちゃえらくないですか!?笑
フライヤーはまだすこし残部があるので通販の際などにお付けしております。




あいのゆくえ

ネットプリント企画「無会場文学祭」を見かけて参加するために。
zoomでかわいいガールフレンドりんちゃん(一年生になりました)とバーチャルデートする一夜のおはなし。
★データのダウンロード★
☆おはなし☆

zoom呑み絡みのBLをTwitterで複数読んで、この大変な状況下の中でみんながそれぞれに不自由ながら恋をして日々を生きていることに萌えたり励まされたり切なくなったりで情緒が忙しくって(笑)、「2020年のいま」を記録しておくのも意味があるかな、と思いました。
あましのとりんちゃんは薔薇園とえのすいには行けたのかな。




黒い犬

去年の秋からすこしずつ毎日書いていたお話。
もうひとりの主人公、ディディは六年ほど前に生まれたキャラクターなのでほんとうに長い時間をかけてたどり着いた物語だったと思います。

傷つき、立ち止まらざるを得なかった人が歩き出せるようになる物語が好きなのでそういった側面でもBLがすごく好きなんですが、BLで描かれる類の「人生を変える恋」とは異なった形の愛を描きたいと思いました。
または、「生きるための物語」がもたらすものについて。

発行までの時間があるため、下読みをお願いしました。(ちまちました文言修正以外ではあまり手を入れないほうなのでお話そのものはほぼ変わっていないのですが、誤字脱字や細かなミスをつぶすのに大変お世話になりました。ありがとうございます)
書いてから読んでもらえるまでのブランクが長い=本当の意味で手を離れてくれない寂しさが緩和されたこと、丁寧に作品に込めた意図をくみ取っていただけたことがすごくありがたく、自信につながりました。
物語を書き、送り出すこと。心を込めて送り出されたメッセージを受け取ること、「おはなし」に描き出された世界を通して作り手さんたちと心と心を交し合うことがもたらしてくれたものがわたしにはたくさんあって、「高梨來」として過ごした人生の宝物があったからこそ書けた大きな願いがこもったお話です。
作り手同士の距離が近い創作文芸の世界に自分の心地よい居場所を見つけられたからこそたどり着けた物語で、その完成までにこうしてたくさんのお力添えをいただけたことをすごく誇らしく思っています。




装画はツネぎくさんにお願いしました。
ツネぎくさんのどことなく異国風の洗練されたタッチがすごく好きで、彼らの姿がツネぎくさんの絵で見えたので原稿をお渡しし、「ふたりと犬の姿をそれぞれに描いてください」とリクエスト。
何点か構図やラフを考えてくださり、最終的に落ち着いたものがこちら。
受け手となってくださる方を少なからず傷つけてしまう可能性を孕んだセンシティブな要素のあるお話で(わたしの書く長編はたいていそうですね。笑)(ダメージを受けるので読んでる途中で手が止まる、を複数の方から言われたことがありますが、誉め言葉だと思ってうれしく受け止めています。笑)、そういった点を見事に汲んでいただけた素晴らしい装画をいただけて本当にうれしく思っています。

境遇の違う、それぞれに寂しさや不安を抱えて生きる「まだ出会っていない」ふたりの子供たちと痩せた黒い犬。寂しくて悲しいふたりの子どもたちが「生き延びた」その先で出会うところから始まる物語です。
彼らのような、そしてすべての人たちの苦しみや迷いに寄り添うことの出来る「贈り物」になることの出来るような本を作れたらと思いました。




最後の「彼」からのメッセ―ジを受け取ってもらえればうれしいです。




単行本に近いB6サイズ、一段組なのも「これ」でなければ意味がない、という想いがこもっています。

こんなご時世なので……と9月いっぱいまでWEB公開→取り下げを行ったのですが、ステキブンゲイ大賞にエントリーするため、全文を公開しています。




ダレンと5つの心の扉

黒い犬の中で主人公が大切な友だちに贈るために、と書き始めたのが「教会でみなの悩みを聞いてくれる黒い犬」のお話で、首にスカーフを巻いた黒い犬、は大切な友だち=ディディがモデルになっています。

執筆中に「このお話の設定をもとにいろんな方にお話を書いていただければおもしろいものが出来るのでは?」と思いついたのが1月過ぎ。
(そう、わたしは疲れすぎてプロットをたてるの放棄し、思いつくまま長編を書いていた)
ご興味をもってくださったフォロワーさんをお誘いし、ご快諾をいただけたことからプロジェクトを開始しました。




「お手伝いその1の参加してくれたみんなだよ」 
黒い髪の男の子が人間になったダレンの姿です。

シェアワールド的なアンソロジーなのもあり、まずはダレンとその家族の設定、時代背景や世界観などふまえてほしい部分の情報提示→足りない情報に関して質問を募集してみなさまと共有
という形でおのおの制作に取りかかっていただきました。
みなさま卓越した技術と発想力をお持ちの方ばかりなので、想定していたものをはるかに越えた驚きと喜び、そして何よりもの「物語」がくれるあたたかなぬくもりに満ちあふれた本をつくることができたと自負しております。
大切な作品をお預かりして本を作らせていただく、自分ひとりの中で描いた物語の世界でいっしょに自由に遊んでもらうという信頼と愛情を得られたことが本当にうれしかったです。
孤独の居場所がきちんとあること/「ひとり」と「ひとり」だったわたしたちにゆるやかな連携の場、繋がりあい・響き合う機会をもらえることが創作の喜びなんだなとあらためて思いました。


絵本や童話のような表紙にしたいな~と思っていたところ、ゆとさんが絵でも参加したいとおっしゃってくださったので装画をご依頼しました。
お願いした「ダレンと人間バージョンダレンの2ショット」を絵本風にアレンジして配置。
最近のファンタジー系のラノベやソシャゲにあるようなくるくるのカリグラフィー風のタイトルロゴがほしかったのでココナラ経由でさうら魎さんにロゴをつくっていただきました。

見本をお送りした上でアンソロジーの概要と「鍵と犬の肉球をモチーフに」とリクエスト
→数案のラフを出していただいた後、「ここをこうしてください」と僭越ながらイメージにより近づけるために修正のお願い
→完成・納品

初めての依頼でしたが、すごくイメージ通りでぴったりのものをお作りいただきました。
自分ひとりで出来ないことは依頼するといいと知りました。笑




糸綴じの中綴じ製本で古い手帳やノートをイメージ。



わたしは企画・編集に徹します、ということでスタートしており、お話ではなく「ダレンの親友が送った手紙」を書きました。
経年を感じさせるように紅茶染めした封筒に入っていて、シーリングスタンプもどきもグルーガンで作っています。



「お話に出てくるみんなだよ」

「いまを生きる子どもたちと、かつて子どもだった大人たちに贈るための物語」を想定して思い描いた「ダレン」のお話を、心から敬愛するみなさまのお力添えを得ることによって、作中だけではなく、現実の世界でもこうして形にさせていただくことが出来ました。
キャラクターや物語世界をふんだんに生かしてくださった「悩み」と、そこに寄り添ってくれるダレンの言葉の持つ力に是非本編で触れてみてください。




海岸行き

ペーパーウェル05のテーマが「旅」
それなら使えるな! と思いついて「カメラ=万年筆」に書いた嶋くんと恋人が海にいくお話。
(10年後の阿藤さんのことは本編でどうぞ)
置き去りにした青春の思い出を振り切る、過去にするためのちいさな旅。

☆データのダウンロードはこちら☆




あいのなまえ

「ほどけない体温」のほのぼの番外編。
なにもしたくない、しても仕方ないと落ち込んでいたんですが、落ち込んでるのに飽きちゃったんですねきっと。笑
イベントごとにあましの本を作っているので今回も作りたいな、作れるといいなと仮の予告を出していたのが形になりました。



「らいさん元気が出ないから励ましてほしかったんだってさ」
周くん「人間そういう時もあるとは言えさすがに見苦しいな」

つくづくひどい予告だ。笑


春の名前愛の名前真夜中のラブレターほか、書き下ろしがすこし入っています。

お互いの人生にかけがえのない相手がいる日々を慈しむ、ふたりの人生における「愛のある場所」についてずうっと書き続けている気がします。




いぬのはなし

作るつもりがなかったんですが、なんとなく書き始めてしまった「黒い犬」のディディのお話。
表題作は本編前のプロトタイプとして書きました。

運命は時に自分で選べるものではないけれど、「愛」に生かされてきた人が生きることを手放すことがなければ、その先で救いや希望を手にすることは出来るのかもしれない、という願いを込めて。




No body can,but you.

書くつもりぜんぜんなかったのにカタログ登録期限二日前になんだか急に元気になって。笑
いやちょっと、生きてて良かったと心底思うこと(=好きな作品がアニメ映画になった)(すばらしいクオリティで二週間の限定上映の間に3回見に行った。笑)があってめちゃくちゃ落ち込んでたはずが2020年でいちばん元気になっちゃったの。笑
毎日キャラソン聞きながら仕事してるの。(すごく励まされる)

まじめな話をすると、すごくすごく作品世界を大切にして愛してくださっている方たちがこの想定外のことだらけの2020年に心血注いで「すばらしい作品を送り届けよう」と形にしてくださったことにすごく感動したんですよね。
めちゃくちゃ勇気づけられたし、元気になったし、舞台裏のエピソードを聞いて感極まってすごく泣いた。(ほんとう)(うそついてどうするんだよ)

いまの自分が全力でやれる・やりたいものを作ろう、受け取ってくれる人に宛てて届けようという失いかけた気持ちが戻ってきたので全力で書きました。ちょっとずつ赤入れ修正などをしています。
久しぶりに本編の時間軸のふたりを書いてみたらいまみたいにほのぼの仲良しカップルじゃなくて新鮮にびっくりしました。(笑)
まだぎくしゃくしている時期のふたりを懐かしんでもらえるとうれしいです。

まぁR18なので万人におおっぴらにおすすめできるものではないんですけど(笑)そこでしか描けない・託せない切実なものがわたしにはあるので(きっと多くの人がそうで、わざわざ言うまでもないあたりまえのことだと思います)いままで読んでくださった・気持ちを寄せてくださった方がたくさんいらっしゃったのは伝えたいことが届いたその証だと思っています。
きっと受け取ってくださる方がいる、と信じられるからこそ本を作れるし、小説を書いて本を作ること=信頼と愛を得られることなんだなということを改めて実感しています。
そこに報いることが出来るようにならなければ、ということも。

ずうっと前に大好きなミュージシャンの方がust中継されていたライブ中にMCで「すごく良かった、と熱く話してくださった方の言葉を聞いた時、本気でやれば伝わるんだなっておもいました」と感慨深げに言葉を区切りながらお話してくださった場面をずうっと覚えていて、その言葉はわたしの中のかけがえのない指針であり、大切な宝物になっています。





総じて、絶望的にしんどくて、「ままならねえな」って脳内で百回はいったし、いまもそれは続いているけれどだいぶ元気になれてよかった、ということに尽きるのかもしれません。

つくづく痛感させられたのは即売会に出られない=発表する場所がないのなら本は作れないな、ということ。
なにも書けないし書きたくない、なにも出来ない、と痛感した10月頃、商業でお仕事をさせてもらっていないから本を身近な場所で手にとって貰えることもないし、アンソロや合同誌のお誘いがあるわけでもない=「すこし小説が書ける」だけなことがなんだかすごくつまらなく思えてしまいました。
もとよりコンスタントに新作を書けるわけではないので公募などははなから諦めているし、「自分の心を豊かにするため、心の拠り所になるため」の小説を書ける自分のことを誇りに思ってはいるのですが(そのおかげで随分生きるのが楽になったし)、「いまいちばん読んでほしい本が出来たのに思ったように読んでもらえない」状況はかなり精神的なショックが大きかったです。

WEBにあげた作品はリアクションがほとんどないのがあたりまえなので、楽しいけれど物足りないんですよね。
気が向いた時に書いて載せられる、という気楽さに救われているんですが、受け取ってもらえる喜びが圧倒的にすくない。
(シャイだから言葉にできないけれど楽しく読んでいるのに……という方がもしいらして、責められているように感じていらっしゃったらごめんなさい)
(あましのはわたしという読者がひとりで死ぬほど読み返しては心の中で拍手を連打しまくってるからそれでおおむねハッピーなんですけどふつうにさびしいってことくらい言わせて。笑)
「みんなに気軽に読んでもらえる場所においてあるのにリアクションがない」寂しさを埋めてくれるのが数々のWEB企画でした。
ほんとうに心から感謝しています。ありがとうございました。

また、リアルの場に集まることが困難になってしまった今年、エア即売会やWEBイベントには非常にお世話になりました。
「自分のTL」という情報を届けるには限定されてしまう場所からすこしだけ外に出て行くことが出来たのも、その結果新しい出会いに恵まれたのも、「通りすがりに会場で見つけて貰う」ことが出来ない中で、すごく頼りになりました。
宣伝はほんとうに難しいものですが、たくさんの人たちの力をお借りして自信と愛を込めて送り出したものがすこしでも琴線に触れていただけたことを願うばかりです。

今年読んで印象に残った本は森田真生「数学の贈り物」、ドミニク・チェン「未来をつくる言葉」、都甲幸治「世界文学の21世紀」です。



【2021年の目標】

まぼろしの2020年の文フリ大阪やりなおし
みなさん新しい本を作っていらしてすごいなと思うんですが、思い入れと愛がすごく重くある本をイベントという大きな舞台に出せないまま新たな本を作ることは出来ないし、「旧作」になってしまうのがどうしても嫌なんです。ので、突発本はすべて受注分しか作らない売り切りで、正規のナンバリングの新刊扱いでは自分の中ではありません。
テキレボで頒布出来たら気持ちも変わるのかな……正直わからないや。

服とアクセサリーはもう揃えてる! ネイルは考えてない!笑
とはいえ、このままでは来年の9月ですらまだ無理なような気がしている。


先行レビュー・下読み・解説・装丁デザインの受付
イベントはしばらく出られそうにないし(家庭の事情×不健康×興奮すると眠れなくなる ので総合的にリスクが高すぎると判断)、人様の作品づくりのお手伝いを名乗り出るのも悪くないのかなって。
覚悟がきまれば応募などをかけてみようかと思っているのですが、ある程度やりとりのある相互フォロワーさん、装丁以外は献本一冊でお受けしたいと思っています。

合同誌やアンソロは常にお誘いをお待ちしているのですが、滅多に誘ってもらえない時点で……うん。笑
アンソロを二回やらせてもらって「おもしろいことを一緒にしたい」という夢は叶えてもらったのですが、なにかおもしろい化学反応をおこせる場所に呼んでもらえるといいな、と夢見ています。
→詳しいご案内を載せました。☆こちら☆


小説を読んでもらいたい
それに尽きる。笑

書くことを生活の糧にしていない、しなくて済む=自身の心の安寧のために、誰からも強制されずにのびのびとお話を書いていけることの豊かさ、安らかさ、救いをあらためて感じるのとともに、ひとりで書いてひとりで届けることの限界や無力感にもさいなまれた一年でした。
書かなければ生きていけない、だなんてことはきっとすこしもないのだけれど、「書いて・読んでもらう」ことでしか癒せないこと、乗り越えられないことがわたしにはたくさんあります。
作ることはどうしても諦められないので、それならばこれからも作り続けるほかないし、「伝わる・受け取ってもらえる」ようなよりよいものを作れるように努力し続けるほかないのだろう、とも。
心を動かせるものを作りたい。いちばん大切なことはきっとそれだけです。


デザイナーズブランドの服がほしい
えっ、物欲の話!?笑
プチプラも古着も好きなんですが、こだわりと愛のつまった特別で憧れのお洋服を「手が届かない」とあきらめたままなのは違うよなって。
お通販でとっておきのお洋服を手に入れたのですがこのご時世もあって着られず…。
ひとまず年明けに開催のブランドの展示会に行きたいなと思っています。

わたしはこの美しい靴を買いに行きたくてすでにお金もためてあるのですが、このご時世で東京に行けないのがすごくつらい。


同人関係の展望は悲しいことに本当にないです。
(本編は未読だけれどあましのに親しんでくださっている)(そういう方は割とたくさんいらっしゃる。笑)お友達が「再録だそうぜ!」って言ってくれるのでわたしもそろそろほしいんですけど……どうしようかな。ワンブックスで自分用に一冊でいいかな。
(余談ですけど春と冬の自粛ムードまっしぐらな時に大好きな作品の総集編とファンブックが出てほんとうに生きる希望になりました。君は僕を動かすエネルギー!)
ここまで読んでくださった方はあましのという単語を初めて見た方でも(笑)全力で好きらしいと分かっていただけたと思うんですけど、誇張抜きで商業BLの推しカプと同程度に好きです。
ので、来年も元気にぴょんぴょん彼らを愛して、あましのでもそうじゃないものでも「これこそ読んでもらいたいお話だ!」と誇りにもてるものを書きたい、がいったんの目標でいいかな。

わたしは自分の人生をよりよくしていくために物語を書いていて、いまはっきりとそういえることにも誇りを持っています。(何年も前はそうではありませんでした)
よりよいものを作りたい、自分を救ってくれた、支えになってくれた芸術から受け取ったものに出会えたことで得たものをきちんと形にしたい、「愛」に報いることのできる自分でありたいと思っています。
叶うことならば自分以外の人にとっても救いや希望になれるようなものを作っていきたいし、その気持ちを忘れないでいればきっと大丈夫なんじゃないかな、とも。

小説を書くことを続けた先で「わたしはもう悲しくない」といえるいまにいること、それが何よりも大切なことです。
来年の今頃もそういえるように、自分なりに頑張っていければと思います。
そしてすこしでもあなたの心の中に居場所を作れるような作品を送り届けられるようになりたいです。

ここまで読んでくださってありがとうございました、感謝と愛をこめて。





拍手

つづく―つながる-ひびきあう




去年の秋に東京旅行に行った際に見てきたミナペルホナンの展覧会が神戸に巡回してきていたので見てきました。
展示空間が変わると見せ方もおのずと変わり、兵庫県立現代美術館というあの空間であらたに東京展の「つづき」の世界が広がっているのが感じられたとても良い展示でした。









空想の世界という「もうひとつの場所」を描き出すことで広がる世界があること、それらを形にし、手渡していくことであらたな世界が広がっていくのだということ、そうして手渡したものは受け取った人の人生に寄り添うことで新たな物語を描き、また新たな世界が「つづく」のだということ。
つくること、送り届けることの驚きと喜びが満ち溢れていて、不自由を強いられているこんな時だからこそあらためて心に響く展示でした。
いまこの時に見られたことにすごく大きな意味があったように思います。







mina展に行くので服装も寄せました。
これはお気に入りの一枚。県美の廊下。





【KITAB!2号に参加させていただきました】
創作同人誌を紹介するWebマガジン、KITAB!の2号に新刊二冊で参加させていただきました。
主催の里見透さん、井中まちさん、祐太さん、そして参加されたすべての皆さん、素敵な作品を送り届けてくださってありがとうございます。
1号の募集の際には気力が出なかったし新刊もないので見送ってしまったのですが、今回は9月に発行の2冊があったので意気揚々と参加させていただきました。

100冊を超える圧巻の作品紹介はもちろんですが、あらゆる形で創作に関わる人たちの熱意のこもったコラム、豪華な扉絵、皆さんの一押し作品紹介、楽しいアンケート…と、みんなで集まれない、繋がれない今だからこそ、新しい居場所を作り出して思いを手渡し合おう「つくる楽しさ、出会える/繋がれる喜び」を忘れずに持ち続けようという熱意と愛がびっしり詰まっていて、とても素敵な誌面になっています。
なんとこちらから無料ダウンロード可能! 未読の方は是非どうぞ。




「ダレンと5つの心の扉」




「黒い犬」


(作者コメントがないのは応募する時に力が湧いてこなくて何を書けばいいのかよくわからなかくてそのまま出してしまったからです。笑)
レイアウトが作品のイメージにぴったりですごくすてきでしょ。うれしい〜。


 



「らいさんはテレビ見てたから俺がお絵かきして代わりに宣伝してあげたんだよ」
周くん「おまえにツイッターを貸してるらいさんはいったい何者なんだって初めて見た人には心底不審がられただろうな」

ダレンは「黒い犬」のディディが異世界転生した姿なので(なんのこっちゃらって感じなんですけど読んでくださったらわかります。笑)、痩せっぽっちで寂しげな黒い犬(窓の外を見上げる少年、ディディを象徴したもうひとつの姿)はむくむくでニコニコご機嫌さんのみんなに愛される「ダレン」になったのです。
彼が『教会』という心が安らげる居場所にたどり着けたこと、『言葉』で人の心と繋がること、想いを手渡し合う喜びに出会えたこと、そこに込められたとびきりの優しさがあることを2冊の本を通して描けたこと、大好きで信頼している大切な人たちに力を貸してもらうことでそれらを形にできたことを心から誇りに思っています。
直接見てもらうことが叶わないのがとてももどかしいですが、この物語を必要としてくださる方に届いてくれたらすごくうれしいので、そのための努力をこれからも続けていきたいです。
(余談ではありますが、次回にイベントに出られる時にはこの2冊を新刊として出すことを心に決めています)








「黒い犬」は現在は物語の中盤までが読めるようになっています
わたしの文章はウェブ向きでないので(そもそも小説が上手くないとかそういうのは言わない!笑)読みづらいかもしれませんが、読まないとわからないからとりあえず読ませろや、という方はよかったら試し読みしてみてください。
イベントに合わせて再度全文公開しようかな、とも思っていますが、予定は未定です。
ウェブで全編を読んでくれた人はいるのかな…いらっしゃったらありがとうございます。

さくっと読める試し読み的な番外編も公開しています。お話の雰囲気を知りたい方はよろしかったらどうぞ。
「短いお別れ」





読書の秋〜年末年始にかけてじっくりとっぷり楽しみたい方はよろしければ通販をご利用ください。既刊も含めてさまざまな作品が揃っています。てきれぼが届くのは2月ですし。
☆BOOTH通販☆





お得なわくわくアンソロセットがおすすめ



【エアイベント開催お疲れさまでした】
ブクハンセンダイプチ、エアコミティア133に参加させていただきました
難しい時期だったこともあり、リアルイベントが中止となってしまったエアイベントが開催されるとお聞きしたのでひょっこりエアで初参加させていただきました。
どちらもリアルの場で参加させていただいことはなかったのですが、自分のTLでは届かない人たちのもとに情報を届けていただけてとても嬉しかったです。

時々お友達にらいさんはなんでそんなにいろんなブランドの可愛いものを知ってるの? って聞かれるんですけど、Twitterでいろんな方が情報を流してくださるからです。笑
付き合い方がむずかしいメディアではありますが、Twitterで知ったお店やブランドも展示会がたくさんあって、新しい素敵な世界の扉を開いてくれた、自分の視界を広げてくれた素敵な出来事がたくさんありました。
『つながる、広がる』チャンスをくださったことに心から感謝しています。

引き続き、同人誌はBOOTH通販をご利用ください。



【テキレボアンソロ「手紙」が公開されています】
ウェブ開催による委託オンリーでの新しい形の同人誌即売会、Text Revolutions Extra2に参加エントリーしました。
恒例のテーマアンソロジー「手紙」に参加した作品がウェブ公開されています。
「手紙未満の」








こちらは「指先に光の雨の降る朝に」からの再録です。

初出ではもらえないコメントが沢山の方からいただける&きっとそっと読んで『フフ、かわいいわね』って思ってくださったシャイな人が沢山いらっしゃる(笑)と思うと励みになります。
ありがとうございます。
1サークル2本提出が可能なので書き下ろしも出したかったんですが……予定は未定ですね。

既にみなさん宣伝を始めていて早くてびっくりするんですが、通販が開始するのは12月末で届くのは2月なのでまだずいぶん先だよなぁとのんびりしています。
『せっせと勢いよく宣伝して長くお祭りを楽しむ』というスタイルなんでしょうねー。


少しずつイベントなども開催されていき、工夫を凝らしながら日常を取り戻すことが大切だというフェーズに来ているのかな、と思います。
ウェブ開催でのイベントに出るんだからそこに照準を合わせて何か新しいものを…とも思うのですが、正直言ってイベントに出られなかったことによるダメージが大きすぎていまは何も作る気になれないです。
ネットが発達したこの時代にはリアルの場がなくても発表すること/届けることは可能なはずなのですが、『リアルの場』に赴けないことはすごく大きな障壁だったんだな……というのを痛感していて、なにもしたくなくなってしまいました。(『場』を作ってくださる方には心から感謝しているし、つくることを諦めない皆様のことを心から尊敬しています)




あましのウスイブックの新作が出るかもしれない予告

とは言え、いつまでもいじけていても仕方ないので(なぜならわたしはあましのが読みたいから新作を書いてほしい)とりあえず枠だけ取っておきました。
いい匂いのするクリーム買ってきて塗りあってニコニコするあましのが書きたいですね。(予告編?)




2013年に高松市立美術館で開催されたグループ展「DAYDREAMS/夢の形」での高木正勝さんの作品のキャプションにあった「世界が美しいということを表現したい」という言葉がとても心に残っていて、作品を観ながらぽろぽろ泣いたことがあります。(会場を出てロビーに出た後もピアノの音を聞きながら泣いていました)

人の心が描き出すことのできる美しい瞬間、そこに宿る想いや願いがあること、それらひとつひとつに生かされていて、そこで受け取ったものを繋いでいくために、心に留まったものを形にしたい、というこの気持ちを大切にしたいなと改めて思う今日この頃です。
美しいものを書きたい、美しいと感じてほしいというのは、わたしにとってはそういうことです。




拍手

扉のむこうに

先日テレビをぼんやり見ていたところ、NHK SONGSで岡村ちゃん(あまりにサイコーだったので再放送でおかわりした)と共演されていたDAOKOさんのドレス姿があんまり素敵すぎて、なんて素敵なんだろうと惚れ惚れしてしまいました。
そういえばマツコの知らない世界(の自粛期間の総集編)で見た宇多田ヒカルさんの衣装もたいへん華やかでかわいくてたいそう素敵で、同じように思ったものです。
『不要不急』の名の下にいままであたりまえのように過ごしていた毎日はもちろん、とびきりおしゃれをして大切な人に会いに行く特別な時間を過ごす『非日常』が奪われてしまい、改めてフラストレーションを感じている証なのかもしれません。
ぼくはいまとてもドレスを着てすてきなお店に行きたい……。
ぼくがたまにしているとんちきなコーデは主にひとりで出かける時に着ているんですが(ひとりでど派手ならいっしょに歩いてくださるお友達にも迷惑がかからないと思って。笑)おしゃれしたおともだちと集まりたい……。お洋服をおともだちと見に行きたい……。
どこにも出掛けられず、お世話になっている服屋さんが怒涛の勢いで潰れた上半期を経て、持て余したおしゃれ欲がたかまる今日この頃です。





9月6日の文フリ大阪に向けての新刊の制作が大詰めになってきたのですが、昨今の感染症の蔓延状況を鑑みてサークル参加は辞退しました。
アンソロジーを企画している身で参加を取りやめるのはあまりに無責任なのでは、と悩んだのですが、リスク管理を考えると非常に厳しい状況のため、断念せざるを得ませんでした。
早めに取りやめを申請したのでその分を会場内のソーシャルディスタンスの確保に役立てていただければと思う次第です。
発行予定の新刊はBOOTHで8月末から予約を受け付けるほか、お問い合わせいただければDMで直通販売を行えればと思っています。


非常事態宣言の期間には「いま我慢していればきっとまた元のように行きたい場所に行けるようになるしイベントにも出られる」と信じていたのですが、同人誌をめぐる状況は思っていた以上にずっと厳しい、という声が日に日に聞こえてくるたび、ため息ばかりついてしまいます。
『ここですべて取りやめてしまえば/万が一の事態がおきてしまえばもう次はない』という状況の中、緊張感を感じながら最大限の努力で場を維持しようと奮闘してくださっている主催者様側の努力には本当に頭が下がらない思いでいっぱいです。
とはいえ、自分にできる最上の形の貢献は『発症のリスクが高いので参加しない』になってしまうのですが……。
なにか支援企画などがあれば無理のない形で参加出来ればいいな、とは思っています。

前置きが長くなりましたが、9月の文フリ大阪合わせで企画したアンソロジーをついに皆様にお披露目出来そうです。


 

装画をゆとさん、ロゴをさうら魎さんにお願いしました!
ゆとさんにイラストをお願いすることになったので外国の絵本のような雰囲気の表紙にしたい! ファンタジックなくるくるのロゴがほしい! と思い、ロゴを作っていただきました。
とってもかわいい〜〜!
自分にできないことを才能と技術をお持ちの人様にお願いする大切さを知りました。笑

とても信頼を寄せて尊敬している大好きな五人の書き手さんたちのお力を借り、物語の扉を開くことになりました。
こんなお話のアンソロが読んでみたい、とぽつりと言い出したことがきっかけでしたが、発想の源になったのは書きかけていた長編小説の主人公が作中作として書き始めたのが『教会で悩み相談を聞く役目を果たす、人間の言葉を話す黒い犬』の物語だったことにありました。
彼がその『物語』を見つけ出すきっかけは作中で描いているのですが、参加してくださった皆様にはそれらの事情や彼が物語に込めた思いなどに関してはご説明をせず、世界観と設定をお渡しした上で自由に作品を書いていただきました。

預からせていただいたすべての作品を読ませていただいたわたしは、ひどく驚きました。
すべての作品に込められていたのは、言葉を持つからこそ感じる不自由さやもどかしさ、迷い、立ち止まりながらそれでも自身の心に向き合うことの大切さ、痛みや不安を乗り越えていく「最初の一歩」のための手助けになってくれる優しい言葉たちばかりで、まさに自分が、そして、『ダレンの物語』を生み出した彼がお話を通して描こうとしたテーマに穏やかに寄り添ってくれるものばかりでした。
物語を通して共に大切なことを語り合えること、宝物のような気持ちを手渡してもらえること、自分ひとりでは描くことの出来なかった景色を見せてもらえる喜びを心から感じています。
心を映し出し、震わせる『言葉』が描いてくれるとっておきの風景を一冊に纏めることができました。
きっとたくさんの人たちにとってのかけがえのない大切なものを差し出してくれる物語が詰まっています。
イベント参加が難しい状況となっており、直接手に取ってもらえる機会を作ることが出来そうにないのがとても残念ですが、この素敵な一冊を必要としてくださる方にお届けできるように精一杯頑張って行こうと思います。
どうぞよろしくお願い致します。





ダレンの物語を送り出してくれた『彼』のお話に関しては、現在まだ製作中のため、またの機会にご紹介をさせていただければと思います。
合わせて読んでいただければより楽しんでいただける(かもしれない)のですが、書いてる当人はこういう作風なので(ご存知でお付き合いしてくださる皆様ありがとうございます)多少センシティブな内容を含みます。
このご時世なので、全編をウェブ公開したり、pdf版を頒布したり……というのも検討しています。





イベントに参加できないのなら通販に頼るしかない! 
とはいえ、同人誌を通販で頒布する厳しさは重々承知しています。
イベントのお祭り感の楽しさを補うことは中々難しいですが、せっかく心を込めて作った大切な本ばかりなので、自分なりに頑張って必要としてくれる人に届けられるように頑張りたいし、通販の楽しさを味わってもらえればな、と考えています。
おうちにいたらポストに本が届くの、嬉しいですもんね。




ひとまずあましののウルトラハッピーセットを作ってみました。
それなりに厄介な出会いとそこからの気持ちのぶつかり合いの苦しさやもどかしさを経て、ささやかで幸福なふたりでしか辿ることのできない恋をしている彼らのことをじっくり見届けていただけるとうれしいです。
らいさんが常に推してるあましのって気になってたけどイベントに行ければその時にでも…とおもっていたあなたにおすすめ!笑

ジェミニとほどけない、アンソロ二冊、新刊二冊のハッピーセットも作ってみようかな。
すこしでも印刷所の支援になるのならグラフィックがフェアをやってるので何か紙ものでも作ろうかな…などなど、なにか無理のない範囲で楽しいことをしたいなと思っています。
集まることはまだしばらく叶いそうにありませんが、同人誌という『場』はわたしにとってかけがえのない場所です。
なくなってほしくない大切な場所で大切な人たちにまた出会えるその日まで、自分なりに繋がる・届けることはもちろん、出会い・受け止めるための努力も模索していければと思う次第です。

なんだか久しぶりにブログを書いたら与太話が長くなってしまった。
ここまで読んでくださりありがとうございました、最上級の感謝と愛を。

拍手

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